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お仕事&お仕事
吹田先生の診察
しおりを挟む「えーっと、星川のぞみさんね」
吹田先生が椅子に座ったわたしに向き合う。
陽太先生と目を合わせると、少しやれやれと言うように笑った。
しかし、吹田先生の目の色がなんとなく変わるのを見逃さなかったわたしは、縮こまる。
「のんちゃん、忙しいところ呼んで悪かったねぇ」
「……いえ……」
小さい声で応える。
警戒心がMAXになったところで、空気を破るように診察室のドアがノックされた。
コンコンコン……
「はーい、のんちゃん診察中です~」
間延びした声で吹田先生が言うと、診察室のドアが開いた。
……優先生が現れる。
「わっ……ゆ、優先生……?!」
まさかの人物に慌てているのはわたしだけで。
「悪いな、遅くなって」
「お疲れ様です」と言ったのは陽太先生。
「待ってました」と吹田先生。
この3人、お昼ご飯も一緒に食べてたよね…?!
……診察室には、吹田先生、わたしの後ろに陽太先生と優先生が揃う。
最初からそのつもりだったようだ。
「とりあえずね、検査結果。聞きに来るの忘れてたね?」
吹田先生がわたしに向き直って言う。
「まあ、来ないと思ってたがな」
優先生が、緊張するわたしの頭をポンっと撫でる。
なんとも答えられずに黙っていると、吹田先生はわたしに紙を手渡した。
「これね、健康診断の結果。これだけで見ると異常はなさそうなんだけど……」
話しながら、今度はデスクトップを操作する。
「血液検査の結果が、正直ちょっと……いや、かなり良くないかなってところで」
かなり良くない、ってどういうこと……?
診察室の空気が、重くなる。
怖くなって、震えるわたしの背中を、陽太先生がさすった。
「子どもの時にやってた病気がね、再発してる可能性がある」
はっきりと、吹田先生がそう言った。
息を飲む。
……また、入院したり、治療したりしなきゃいけない……ってこと?
「先生……仕事は……どうなるの……? せっかく、食堂で働き始めたのに……」
細く弱々しい声しか出すことができない。
「大丈夫。働きながら、治療できるよ。でも悪化したら入院することになる。だから無理はしないで」
「……はい」
「具体的な治療は、薬物療法で当分は様子を見ていくことになるかな。それから……」
まだ何かあるのか、と身構える。
「月1回の血液検査と……。のんちゃん、1度婦人科にもかかった方がいいかな」
「ふ、婦人科……? なんでですか」
「生理不順。多分この病気から来るものだと思うから、1度ちゃんと調べてもらった方がいいと思う」
「調べてもらうって……?」
不安げな顔を隠せずにいると、またもや診察室にノックの音が響いた。
コンコンコン……。
「あ、来たかな。はーい、のんちゃん診察中でーす」
次に診察室の扉を開けたのは……
「やっほー、のんちゃん。迎えに来たよ」
診察室の空気に似合わないような明るい声が響く。
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不安を抱えたまま、今度は叶恵さんに連れられて、婦人科へと移動した。
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