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お仕事&お仕事
初めての内診
しおりを挟む内診室に入ると、そこには大きなピンクの椅子があって、カーテンが敷かれていた。
カーテンの向こう側には、顔は見えないけれど大海先生がいるようだった。
叶恵さんがわたしに訊ねる。
「のんちゃん、内診は初めてかな?」
おそるおそる、コクリ、と頷く。
「そしたらまず、ズボンと下着を脱いで、この椅子に座ってね」
いきなりハードなことを言われて、目の前がチカチカしそうだった。
……それは、すごく恥ずかしい……。
おずおずと、言われた通りにズボンを脱ぐ。
下着は……躊躇ってから脱ぐと、直ぐに叶恵さんがバスタオルを渡してくれた。
椅子に座ると、何もつけていないお尻がひんやりとして、気持ち悪い。
「足はここ、片っぽずつ乗せて」
「……こう、ですか?」
「そうね、そしたら。椅子が動いて、足が開いて行くから、少しじっとしててね」
やがて、ゆっくりと椅子が動いて。……
身体が椅子と一緒に倒れていく。
ありえないくらいに足が広がる。
「わ、え、ちょっとまっ……」
軽くパニックを起こすわたしに、叶恵さんが声をかける。
「初めてだとびっくりするわよね。怖いかもしれないけど、痛くないから、力抜いてね」
いや、待って、その前に……
すごく……すごく恥ずかしい。
カーテンの向こうにわたしの下半身は消えていく。ぎゅっと両手を握りしめて、なんとかこの空気をやり過ごそうとした
「……っうう……」
心の準備もなにもないまま、じっとする他なかった。なにやら、器具の音がして、大海先生が検査の準備をしている。
「ごめんよ、のんちゃん、今から膣に器具を入れて、中の様子見ていくからね」
「……ぅっ」
恥ずかしすぎて声にならない。
思わず息が止まってしまっていた。
「大丈夫かな? ちょっと潤滑剤塗っていくからね」
大海先生が、わたしのいちばんやわなところに触れる。すり込まれるたびに、ビクッと体が動いてしまう。
「のんちゃん、ちょっと力入ってるかな。深呼吸してみようか」
叶恵さんに言われて、何とか呼吸をしながら、羞恥心に耐える。
「少し硬いのが入っていくよ~、そのまま上手に息しててね」
検査をしてても、大海先生の口調は変わらない。
膣口に冷たい棒のようなものがあてがわれる。
「んっ……」
力が入ってしまい、少しも入らない。
大海先生の落ち着いた声がカーテンの向こうから聞こえた。
「のんちゃん、お腹の力はいれなくていいんだよ。ゆっくり息するだけでいいからね」
そうは言われたものの、コクコクと必死で頷く事しかできない。
「ごめんよ~、ちょっと冷たいかもしれないけど、ゆっくり入れていくからね」
膣口にあてがわれたものが、自分の意思とは関係なく、侵入してくる。
恥ずかしさで、思わず声が漏れた。
「ん゛ぁ……いっ……」
「苦しいね、ごめんね」
「ンはぁ、はぁ……」
自分でも恥ずかしくてよく見た事もないところを男の先生に見られて、さらに恥ずかしさが募る。
足が震えた。
「もう終わりだよ~、ごめんごめん、つらかったね」
器具が引き抜かれて、椅子が動く。
足はようやく元通りに閉じてくれた。
「のんちゃん、頑張ったね」
叶恵さんに声をかけられて、泣きそうになる。
直ぐに下着とズボンを身につけたけど、ぐっと膣に器具を入れられた感覚は、しばらく忘れられなかった。
『んー、思ったよりは良くないかもなぁ』
大海先生がエコーの画像を見つめて、低い声で呟いた。
そして、わたしに向き直る。
『ここね、子宮。全体的に腫れているね』
わたしは、険しい表情をする大海先生の顔が忘れられなかった。
『腫れている分は、生理のときに外に出せなかった経血が、溜まっている状態。のんちゃんの病気は血液が固まりやすくなる病気だから、こんなふうになっちゃうんだね』
経血が、溜まる。血液の病気……。
『これから、血液の病気の治療と並行して、婦人科の方でも治療をやっていくよ。治療と言っても、薬を飲んで、溜まってた血を出していく感じかな』
治療も、続くんだ……。
『薬で生理を起こすような感じだから、腹痛とか吐き気とか、もしかしたら副作用が出るかもしれない。そうなった時は相談してね』
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本当に、良くなるのかな……。
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