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緊急入院と夏
懐かしい夏の入り口
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side:優
「吹田先生、また昼食、カロリー○イト? 死ぬぞ?」
内科の医局に顔を出すと、吹田先生が遅めの昼食(?)を取っていた。
「死にませんから。優先生みたいに弁当持たせてくれる素敵な奥様はいませんからね」
これは無視。面倒なことは避ける一択。
「そんなことより」
「あ、すぐ話題変えるじゃん、優先生」
おもしろそうにケタケタ笑う吹田先生に、今日ののんちゃんの様子を切り出す。
「のんちゃん、今日の午後の治療なんだが」
「お世話様です。どうでした?」
真面目な顔に戻る、吹田先生。
「まず病室行った時点で泣いてた。陽太先生に来ないでって言ってしまったらしくてな」
「あららぁ……でもなんか食べさせましたね?」
「食堂のプリン。で、ネブライザーでボロ泣き」
「えー、そんなにつからったのかな」
「昨日の大海先生の内診と陽太先生と拗れてる件で、心折られた感じだろう」
「大海先生、ゆったりしてるように見えて、わりと容赦ないんですよ」
「そうだろうな。大海先生は早乙女先生に育てられてるから必要なことは淡々とやるし。頼みの綱だった陽太先生は、のんちゃん自ら出禁にしたし」
「ふふ。でもしばらくしたら、音を上げて甘えたくなるときがくるんじゃないですかね? 俺も大海先生も厳しくして、優先生で物足りなくなったら、きっと陽太先生がほしくなるんじゃないかと」
「物足りないって」
悪かったな、物足りない優しさで。と、誰にともなくむくれてみる。
「まあ、乙女心もありますしねぇ~」
なんか楽しそうな吹田先生を横目に、内科の医局を出た。
もうそろそろ勤務時間的に限界なので、ここでお暇するか。
……
小児科医局に戻る。
荷物を揃えて、着替えを済ますと、地下一階の駐車場へと降りていった。
「なんか、懐かしかったな……」
誰に聞かせるでもなくつぶやいて、車を発進させる。
車を地下から出すと、地上はもう夏の日差しが降り注いでいた。
今年の夏は早いな。そんなことを考えながら、ハンドルを握る。
なんか懐かしかったのは、久しぶりにのんちゃんの治療に入ったからだろう。
あの夏は……
そしてそこからの1年半は、色濃い思い出が多い。まるでビビットカラーや原色の絵の具を叩きつけたように、脳内のキャンバスに様々な思い出が刻み込まれている。
運転しながら、のんちゃんと初めて出会ってからのことを思い出していた。
「吹田先生、また昼食、カロリー○イト? 死ぬぞ?」
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「そんなことより」
「あ、すぐ話題変えるじゃん、優先生」
おもしろそうにケタケタ笑う吹田先生に、今日ののんちゃんの様子を切り出す。
「のんちゃん、今日の午後の治療なんだが」
「お世話様です。どうでした?」
真面目な顔に戻る、吹田先生。
「まず病室行った時点で泣いてた。陽太先生に来ないでって言ってしまったらしくてな」
「あららぁ……でもなんか食べさせましたね?」
「食堂のプリン。で、ネブライザーでボロ泣き」
「えー、そんなにつからったのかな」
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「そうだろうな。大海先生は早乙女先生に育てられてるから必要なことは淡々とやるし。頼みの綱だった陽太先生は、のんちゃん自ら出禁にしたし」
「ふふ。でもしばらくしたら、音を上げて甘えたくなるときがくるんじゃないですかね? 俺も大海先生も厳しくして、優先生で物足りなくなったら、きっと陽太先生がほしくなるんじゃないかと」
「物足りないって」
悪かったな、物足りない優しさで。と、誰にともなくむくれてみる。
「まあ、乙女心もありますしねぇ~」
なんか楽しそうな吹田先生を横目に、内科の医局を出た。
もうそろそろ勤務時間的に限界なので、ここでお暇するか。
……
小児科医局に戻る。
荷物を揃えて、着替えを済ますと、地下一階の駐車場へと降りていった。
「なんか、懐かしかったな……」
誰に聞かせるでもなくつぶやいて、車を発進させる。
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今年の夏は早いな。そんなことを考えながら、ハンドルを握る。
なんか懐かしかったのは、久しぶりにのんちゃんの治療に入ったからだろう。
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