ほしとたいようの診察室

おにぎりマーケット

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回想、はじめまして

のんちゃんとの戦い

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またある日。


お昼ご飯を見にいくと、スプーンを投げつけられることは無くなったが……。


「ゆーせんせ! ねーみて」


のんちゃんの病室に入れば、薄く切った給食のきゅうりを、ほっぺにくっつけたのんちゃんが現れる始末。

無邪気は無邪気なんだが……

はぁーあ。まったくほんとに、もーー。

ため息をつきつつ、


「こら。食べ物で遊ぶな」


注意をすれば……


「だって、きゅうりきらい」


ほっぺからきゅうりを取ると、指先で弄ぶ。

あー、もう、だれが食べんだ、それは。



「あのなぁ。きゅうりさんだってのんちゃんの体を丈夫にするためにお皿にのってるんだぞ。わかる?」


「わかーんない」


わかんない、と言うより、聞きたくない。ひいては遊びたいという心の表れだった。

そうしてるうちに、今度はスープに両手をつっこんでびちゃびちゃにするもんだから、怒らずにはいられない。


「こら! やめなさい。食べ物を粗末にするならおしまい」


「やーーだーーー!!」


ご飯を取り上げるついでに、食事量も確認する。

うーん、やめても大丈夫だな。少なくとも主食は全量食べている。
これ以上のお遊びは、もう許されない。


「おわりおわり。ちゃんと食べないならお仕置き。ちっくんだな」


のんちゃんがふんだんに遊んだお膳を下げると、のんちゃんは足をジタバタにして怒り出す。

PHSをとって、ナーステーションに連絡する真似をした。



「あ、もしもし? 叶恵さん? のんちゃんちっくんお願い」



「やーーーーだぁ!!! いーーや!!!」



耳をつんざくような声は、1日何回聞いたことやら。


「じゃあ、食べ物で遊ぶな。食べる時は食べる。いらないなら手を合わせてごちそうさま。」


びしゃびしゃになった手をタオルで拭きながら諭す。
相変わらず小さい手だが、そのパワーは尋常ではない。


「いいか? これのんちゃんのために作ってくれてる人がいるんだ。粗末にしたら許さないよ」


この日は、のんちゃんの虫の居所が悪かったらしい。



「うえーーーーん!!! ゆうせんせ、だいっきらいいーー!」



だいたい、そういうときはのんちゃんがスプーンをぶん投げて、試合終了である。


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