生まれ変わったら命が狙われていたので復讐として暗殺者になります

OMEGA Ⅰ

文字の大きさ
2 / 2

仲間

しおりを挟む
荒神信乃(あれ?なんで怒ってるんだろう。一体自分が誰なのか分からないよ。僕は荒神信乃。それは分かるのに。)

信乃はダイアの感情が自分の体にまだ残っていることを知らなかった。そのためなぜ泣いているのか、なぜ怒っているのかが分からない。それは信乃がダイアを知らず、ダイアの記憶が消され、感情のみが残っていたからだ。つまり信乃の記憶のままなのでダイアの感情がコントロール出来ず、自分がなぜその感情を抱いているのか分からないのだ。

荒神信乃「とにかく、今は人のいる所へ行こう。じゃないといつ餓死してもおかしくないし、何より襲われる可能性が高くなる。」

信乃は遠くにある街目掛けて走った。神から貰った能力のおかげか、素早く着くことが出来た。

門番「おい貴様、街のものである証を見せろ。」
荒神信乃「証?持ってません。」
門番「持ってないだと?ならば去れ。この街は証がないと入れない仕組みになっている。」

信乃は困惑した。なぜなら突然この世界に降り立った為、その証の見た目などが分からない。そもそもダイア自身持っているかも分からない。信乃は必死に自分の服の中を探した。 

荒神信乃「……ない。」
門番「ならば去れ。お前の後ろにも人がいる。早くそこをどけ。」

信乃は諦めてその場を去ろうとした途端…

「おいまて。こいつは私の妹だ。証は私が持っている。」

突然後ろから声がした。誰だと後ろを振り返るとそこには狼獣人がいた。その人が手にしていたのは赤い爪のキーホルダーみたいなものだった。

門番「……確かに確認した。兄がいるなら最初から言ってくれ。それでは中に入ることを許可する。」

荒神信乃「え!?あ、あの…」
「行くぞ。」

何かを言う隙もなくその狼獣人に連れていかれた。中に入ったら話してくれるかと思ったがそういう訳ではなく、奥の方にある細道に連れてかれた。そこでようやく手が離された。

荒神信乃「あ、あの。ありがとうございます。」
「礼など不要だ。それよりも……」

狼獣人は信乃の体を見つめながらこういった。

「お前はなぜ1人でここにいる。親とはぐれたのか?」
荒神信乃「あ、いえ。そういう訳じゃないです。ただ……」
「ただ……?」

信乃はどう言おうか迷ったが自分は今この世界ではダイアと言う存在だということ。思い出し、彼になりきりこういった。

荒神信乃「僕の父親は先日、獣人によって殺されました。母親は行方不明です。父は埋葬しましたが獣人が襲ってくる恐怖に耐えきれずその場を離れこの街に来ました。そして帰る場所がないので人目の多い街に行った方がいいと思いました。」

信乃はダイアの代わりに昨日あったことを話した。母親のことは分からないが無理に捏造しても怪しまれると思い、出来るだけ存在が分からないような言い方にした。

「そうだったのか…すまん。」

狼獣人はそう言って信乃の顔を見つめた。

荒神信乃(なんかこっちみてる、顔になんか着いてるかな。)

信乃は不思議に思い顔を吹いてみた。すると手に多少の水が着いた。その時点でもう想像は着いていた。

荒神信乃(また、泣いてる。)

信乃自体になく権利はない。だがこれは元々ダイアの体だった。泣くのは当然だ。

荒神信乃「ごめんなさい。なんか急に涙が出ちゃって。疲れてるんですよね。」

信乃はそう言い訳をした。そしたら狼獣人がニコって顔をしながら暗い雰囲気を明るくするかのようにこういった。

「おまえ、男だったのか。てっきり女かと思った。」

急に言われた言葉だった。確かに鏡を見た時はおとこの娘って感じだった。信乃は自分の悲しさを紛らわすため、話にな乗っかった。

荒神信乃「よく言われます。」

信乃もニコっと返すと、狼獣人は笑った。今度は少し真剣な顔になり狼獣人がこういった。

「お前、俺の家に来い。」

突然の言葉だった。あまりに突然過ぎて返す言葉がなくただ立ち尽くしていた。信乃は頭が混乱していてしっかりとした判断が出来ない。だが自分の甘えが出たのか、すぐその話に乗ってしまった。

荒神信乃「…行ったら迷惑にならないでしょうか。」
「いいやそんなことは無い、それに丁度仲間を増やそうとしていたところだ。」
荒神信乃「仲間?」
「そうだ、俺の他にも仲間がいる。だからこれからはそいつらと一緒に暮らそう。そっちの方が安全だし楽しいだろ?」

信乃には不安があった。だが獣人の笑顔がすぐにそれを打ち消した。そして涙を流しながら(。_。`)コクと頷いた。

「俺の名はアレフ・ディナーダ、アレフと呼んでくれ。」

信乃は初めて仲間に誘われた。そしてこの世界で初めて抱いた感情があった。それは……
















嬉しさだった。


しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

処理中です...