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パラディースの革命

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革命が起きた。といっても我が国ではない。隣国…シュシュの祖国、パラディースで起きた。なんでも、シュシュの父親である国王や王妃、王子や王女が贅沢三昧をした挙句に、国の借金まで作ったことが国民にバレて愛想を尽かされたらしい。シュシュを我がアトランティデに連れ帰る際に渡した支援金を、たった数ヶ月で使い切ってしまったあいつららしい結末だと思った。

しかし、決別を宣言したとはいえ、シュシュにとっては家族は家族。シュシュに「数日後に処刑台へ送られるらしい」と伝えるのは辛い。だが、伝えないわけにはいかない。どうしたものか…。

「皇帝陛下」

「どうした?」

「パラディースの革命軍…暫定政府が、面会を求めています」

「…わかった」

もしもパラディースの王女であるシュシュを明け渡せと言うつもりなら、その時は…。

ー…

「よく来たな、暫定政府の長殿」

「皇帝陛下におかれましてはご機嫌麗しゅう。本日は急な訪問にもかかわらず、お会いくださりありがとうございます」

「いや、いい。シュシュの祖国のことだからな。それで、俺に何を求める」

「…では、単刀直入に。メランコーリッシュ王女殿下の輿入れに合わせて、我がパラディースをアトランティデに吸収合併していただきたいのです」

「…なに?」

「それまでは我ら暫定政府がどうにかして国を保たせますので、どうかお力添えをいただきたい」

「…理由は?」

「正直、借金まみれで首が回りません。いずれ滅びるくらいなら、いっそアトランティデのような強力な国に迎合した方が安全です。まあ、早い話が軍事力もありお金もあるアトランティデに助けていただきたいのです」

「我が国にとっては何一つ得にならないのではないか?」

「途方もない借金の肩代わりをしていただくことにはなりますが、長い目でみれば領地も多少は広がりますし、金使いの荒い王家の者も居なくなった以上これ以上の借金は出ません。むしろ、将来的には黒字になるかと。人族の治る国が一つ減るのも皇帝陛下には良い事では?暫定政府として我々がパラディースの亜人族を奴隷の身分から解放致します。これでどうです?」

「…本当に亜人族を解放するならば、いいだろう。乗ってやる」

「ありがとうございます!では、お忙しい中ありがとうございました。アトランティデに栄光があらんことを」

…さて、シュシュにどう説明したものか。
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