20 / 33
女公爵は天使像を落札する
しおりを挟む
さて、船でパラディーゾ半島に来たアンジェリクとリュカはホテルをとり、オークションに行く。普通のオークションのようで、円卓金貨十五枚で簡単に落札出来た。が、天使像を手に入れて帰る際に大柄の男達に囲まれる。ああ、表社会でもこういう連中はいるのかと頭が痛くなる。
「何かしら」
「お嬢ちゃん、その像、円卓金貨七枚で譲ってくれないかなぁ?」
「無理よ。私はきちんと円卓金貨十五枚で買ったわ。大体、貴方達にそんなお金あるのかしら」
「小生意気な娘だ!お前ら、やっちまえ!」
「…ご主人様に近寄らせはしませんよ」
リュカがチェーンウィップを取り出す。すぐに男達はのされた。
「な…!?なにもんだテメェ!」
「貴方方のような野蛮な輩に名乗る名などありませんよ」
「行くわよ、リュカ」
「はい、ご主人様」
「リュカ?リュカって…まさか、ジェラーニオの兄貴を潰した化け物じゃ…!?」
「あら、貴方いつのまに有名になったの?」
「さあ…存じ上げませんね」
「てことは、そっちの嬢ちゃんはまさか…あのエルドラドの女公爵!?」
「うふふ。ねえ、貴方。ここはパラディーゾ半島。ターブルロンド皇国ではないから、見逃してあげるわ。でもね、もしも我らがターブルロンド皇国に来て、表社会でこのようなことをしたら…わかるわね?」
「ひっ…わ、わかった!悪かった!」
「ならば道を開けなさい。ご主人様の邪魔です」
「は、はいぃっ!」
すぐに横に避ける男を尻目に、天使像を運び船に乗る。ターブルロンド皇国に戻るとすぐにベアトリス皇女に献上しに行く。
「我らがお姫様は喜んでくれるかしら?」
「ご主人様がベアトリス皇女殿下のために直接手に入れた品です。きっと喜んでいただけますよ」
「ありがとう、リュカ。…ふふ。ベアトリス皇女殿下の喜ぶ顔が楽しみだわ」
「ええ。私もです」
「何かしら」
「お嬢ちゃん、その像、円卓金貨七枚で譲ってくれないかなぁ?」
「無理よ。私はきちんと円卓金貨十五枚で買ったわ。大体、貴方達にそんなお金あるのかしら」
「小生意気な娘だ!お前ら、やっちまえ!」
「…ご主人様に近寄らせはしませんよ」
リュカがチェーンウィップを取り出す。すぐに男達はのされた。
「な…!?なにもんだテメェ!」
「貴方方のような野蛮な輩に名乗る名などありませんよ」
「行くわよ、リュカ」
「はい、ご主人様」
「リュカ?リュカって…まさか、ジェラーニオの兄貴を潰した化け物じゃ…!?」
「あら、貴方いつのまに有名になったの?」
「さあ…存じ上げませんね」
「てことは、そっちの嬢ちゃんはまさか…あのエルドラドの女公爵!?」
「うふふ。ねえ、貴方。ここはパラディーゾ半島。ターブルロンド皇国ではないから、見逃してあげるわ。でもね、もしも我らがターブルロンド皇国に来て、表社会でこのようなことをしたら…わかるわね?」
「ひっ…わ、わかった!悪かった!」
「ならば道を開けなさい。ご主人様の邪魔です」
「は、はいぃっ!」
すぐに横に避ける男を尻目に、天使像を運び船に乗る。ターブルロンド皇国に戻るとすぐにベアトリス皇女に献上しに行く。
「我らがお姫様は喜んでくれるかしら?」
「ご主人様がベアトリス皇女殿下のために直接手に入れた品です。きっと喜んでいただけますよ」
「ありがとう、リュカ。…ふふ。ベアトリス皇女殿下の喜ぶ顔が楽しみだわ」
「ええ。私もです」
0
あなたにおすすめの小説
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
怒らせてはいけない人々 ~雉も鳴かずば撃たれまいに~
美袋和仁
恋愛
ある夜、一人の少女が婚約を解消された。根も葉もない噂による冤罪だが、事を荒立てたくない彼女は従容として婚約解消される。
しかしその背後で爆音が轟き、一人の男性が姿を見せた。彼は少女の父親。
怒らせてはならない人々に繋がる少女の婚約解消が、思わぬ展開を導きだす。
なんとなくの一気書き。御笑覧下さると幸いです。
氷の王弟殿下から婚約破棄を突き付けられました。理由は聖女と結婚するからだそうです。
吉川一巳
恋愛
ビビは婚約者である氷の王弟イライアスが大嫌いだった。なぜなら彼は会う度にビビの化粧や服装にケチをつけてくるからだ。しかし、こんな婚約耐えられないと思っていたところ、国を揺るがす大事件が起こり、イライアスから神の国から召喚される聖女と結婚しなくてはいけなくなったから破談にしたいという申し出を受ける。内心大喜びでその話を受け入れ、そのままの勢いでビビは神官となるのだが、招かれた聖女には問題があって……。小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる