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パパの婚約者だった天使様は
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「アニエス、今日はちょっと魔法の特訓はお休みにしようか」
「え、なんで?」
「僕とデートしよう」
アリス先生はそう言って、私を馬車に乗せて街へ出た。
「あそこの喫茶店で良いかな」
「喫茶店!?」
「好きな物なんでも注文していいよ」
「わーい!」
アリス先生と喫茶店に入って、美味しいパンケーキとプリンを注文。飲み物はリンゴジュース。
アリス先生はブラックコーヒーとティラミスにしていた。
「それで、何で急にデート?」
「アニエスにそろそろあの子のことを話そうかなって」
「もしかして、フラヴィ様のこと?」
「うん」
パパの婚約者だった天使様…アリス先生に会ってからは夢に出ることもなくなったけど、あの凄惨な死は何回見ても慣れなかった。
アリス先生は防音のための魔法を周囲に張って続ける。
「元々、二人とも親の決めた政略結婚でね」
「そうなんだ」
「でも、二人とも優秀で見目も良いからお似合いだったんだ。ただ、フラヴィの虚弱体質がネックだったけど」
「ふむふむ」
「ずっと一緒にいたからかな。それとも単に相性が良かったのか…二人とも相思相愛でね」
でも、その後悲劇が起きると…。
「…結婚を目前に控えた頃だった。突然フラヴィはジャックに別れを告げた」
「え」
「そして数日行方不明になって…その後すぐにフラヴィは遺体となって発見された」
「…ああ」
フラヴィ様は、夢で鬼の形相をした女の人に滅多刺しにされてた。
つまりは。
「フラヴィは、公爵家の娘に滅多刺しにされて遺棄されたんだ。ジャックとの仲に嫉妬したのが理由だって」
「…そっか、パパの女嫌いは」
「そいつのせいだね。ジャックと別れないと、フラヴィの歳の離れた弟に酷いことをすると脅して別れさせたらしい。そして、別れてもフラヴィを想うジャックを見て我慢ならず…って経緯だってさ」
酷い話だ。
「こんな話をするのも申し訳ないけどね、アニエスが知っててくれた方が僕としてはありがたくて」
「うん、私も知りたかった。教えてくれてありがとう」
「こちらこそ」
でも、相手はどうなったんだろう。
「ちなみに相手の女は皇帝陛下の命で、窓一つ灯一つない暗い部屋に閉じ込めて水と食料のみを出す生活を続けたよ。最後は発狂してそのままね」
「あらぁ」
やったことがやったことなので同情はしないけど。
「ちなみに…フラヴィが殺されてフラヴィの両親がそのショックで使い物にならなくなって、フラヴィの歳の離れた弟だけが遺されたんだけど」
「え」
「その弟くんを保護して爵位の継承だとか領地経営だとか色々手伝って、今では立派な貴族にまで育て上げたのがマルソーね。弟くんは今じゃ立派に自立してるよ。保護してた間は壊れちゃったご両親の療養まで面倒を見てた」
「マルソーおじさんが…」
「まあ、弟くんは全てジャックのせいだって言ってウチとは関わろうとしないけど。復讐されないだけマシかな?正直本来ならジャックのせいとかお門違いだと思うけどねえ」
それはそう。でも、怒りの矛先を向ける相手が他にいないんじゃないかな。
そしてようやくマルソーおじさんがパパにも無下に出来ない理由がわかった。
「そんなこんなでジャックも抱えるものが多いからね。アニエスが居てよかったよ。ジャックの支えになってくれてありがとう」
「ううん、こちらこそパパの味方で居てくれてありがとう」
「味方というか、ただの始祖様ムーブだよ」
「それでも十分だよ」
「ふふ、そっか」
色々知ることが出来たし、帰ったらパパを甘やかそう。
そう思ったところで注文したメニューが届き、アリス先生と美味しくいただいた。
「え、なんで?」
「僕とデートしよう」
アリス先生はそう言って、私を馬車に乗せて街へ出た。
「あそこの喫茶店で良いかな」
「喫茶店!?」
「好きな物なんでも注文していいよ」
「わーい!」
アリス先生と喫茶店に入って、美味しいパンケーキとプリンを注文。飲み物はリンゴジュース。
アリス先生はブラックコーヒーとティラミスにしていた。
「それで、何で急にデート?」
「アニエスにそろそろあの子のことを話そうかなって」
「もしかして、フラヴィ様のこと?」
「うん」
パパの婚約者だった天使様…アリス先生に会ってからは夢に出ることもなくなったけど、あの凄惨な死は何回見ても慣れなかった。
アリス先生は防音のための魔法を周囲に張って続ける。
「元々、二人とも親の決めた政略結婚でね」
「そうなんだ」
「でも、二人とも優秀で見目も良いからお似合いだったんだ。ただ、フラヴィの虚弱体質がネックだったけど」
「ふむふむ」
「ずっと一緒にいたからかな。それとも単に相性が良かったのか…二人とも相思相愛でね」
でも、その後悲劇が起きると…。
「…結婚を目前に控えた頃だった。突然フラヴィはジャックに別れを告げた」
「え」
「そして数日行方不明になって…その後すぐにフラヴィは遺体となって発見された」
「…ああ」
フラヴィ様は、夢で鬼の形相をした女の人に滅多刺しにされてた。
つまりは。
「フラヴィは、公爵家の娘に滅多刺しにされて遺棄されたんだ。ジャックとの仲に嫉妬したのが理由だって」
「…そっか、パパの女嫌いは」
「そいつのせいだね。ジャックと別れないと、フラヴィの歳の離れた弟に酷いことをすると脅して別れさせたらしい。そして、別れてもフラヴィを想うジャックを見て我慢ならず…って経緯だってさ」
酷い話だ。
「こんな話をするのも申し訳ないけどね、アニエスが知っててくれた方が僕としてはありがたくて」
「うん、私も知りたかった。教えてくれてありがとう」
「こちらこそ」
でも、相手はどうなったんだろう。
「ちなみに相手の女は皇帝陛下の命で、窓一つ灯一つない暗い部屋に閉じ込めて水と食料のみを出す生活を続けたよ。最後は発狂してそのままね」
「あらぁ」
やったことがやったことなので同情はしないけど。
「ちなみに…フラヴィが殺されてフラヴィの両親がそのショックで使い物にならなくなって、フラヴィの歳の離れた弟だけが遺されたんだけど」
「え」
「その弟くんを保護して爵位の継承だとか領地経営だとか色々手伝って、今では立派な貴族にまで育て上げたのがマルソーね。弟くんは今じゃ立派に自立してるよ。保護してた間は壊れちゃったご両親の療養まで面倒を見てた」
「マルソーおじさんが…」
「まあ、弟くんは全てジャックのせいだって言ってウチとは関わろうとしないけど。復讐されないだけマシかな?正直本来ならジャックのせいとかお門違いだと思うけどねえ」
それはそう。でも、怒りの矛先を向ける相手が他にいないんじゃないかな。
そしてようやくマルソーおじさんがパパにも無下に出来ない理由がわかった。
「そんなこんなでジャックも抱えるものが多いからね。アニエスが居てよかったよ。ジャックの支えになってくれてありがとう」
「ううん、こちらこそパパの味方で居てくれてありがとう」
「味方というか、ただの始祖様ムーブだよ」
「それでも十分だよ」
「ふふ、そっか」
色々知ることが出来たし、帰ったらパパを甘やかそう。
そう思ったところで注文したメニューが届き、アリス先生と美味しくいただいた。
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