侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと

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魔族が出てもエンキドゥさんとパパと先生がいるから怖くないもん!

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次々とたくさんの国の観光を終え、次の国に向かうため国境付近を進んでいた時のこと。

突然私達を乗せてくれていた馬車が止まった。

「なにっ!?」

「アリスティド、アニエスを守れ!」

「言われなくても!」

「…ふっ!」

アリス先生は全力で私に結界を限界まで張りまくり、さらに誰が来ても叩き潰すため臨戦態勢。

パパとエンキドゥさんは馬車から飛び出して行った。

…待って、なんでパパまで行った!?

「パパ!」

「アニエスはここで待機!大丈夫だから!」

「パパ!」

アリス先生が馬車の出入りをできないよう結界を馬車にも張ってしまった。

これじゃ私にはどうしようもない。

馬車の窓から外を見る。

魔族と思われる集団がいた。きっと彼らは、邪気払いをして回る私達をなんとか殺してしまいたいのだろう。

パパが初手で大規模な火炎魔法で魔族の注意を引いて、その隙にエンキドゥさんが刀で片っ端から首を刎ねた。

「やっぱり普通の魔法では魔族の注意を引くぐらいしかできないか…」

「そんな…エンキドゥさん、お願い!パパを守って!」

エンキドゥさんに気付いた魔族がエンキドゥさんにも襲いかかる。しかしエンキドゥさんはそれを躱して首をどんどん刎ねていく。強い。

パパも極大魔法という超即死級の魔法を次々と魔族にぶつけてなんとか敵戦力を削っていく。

結界も張っているようでパパには今のところ怪我はない。

もしかしたら大丈夫かもって少し安心したのもつかの間、エンキドゥさんが魔族にお腹を刺された。貫通してる。

「ひっ…」

「アニエス、もう見なくて良い。ここからエンキドゥくんに治癒魔法をかけるから心配しなくて良い」

「アリス先生…」

「絶対大丈夫」

アリス先生に抱きしめられて、何も見ず聞かずただパパとエンキドゥさんを待った。

「…待たせたな、人間」

「ただいま、アニエス」

「パパ!エンキドゥさん!」

安心して、抱きついて泣いてしまう。

「人間、心配をかけたな」

「エンキドゥさん、お腹は!?」

「大賢人殿の援護のおかげで助かった」

「治癒が効きやすくてよかったよ」

「人間、ありがとう。人間のおかげで頑張れた」

よかった、よかった。

パパもエンキドゥさんも無事でよかった…無事だよね!?

「パパも無事!?」

「無事に決まってるだろう。アリスティド、魔族にも極大魔法なら効くらしい。あとあっちの攻撃には結界も通用する」

「なるほどね。今度があれば極大魔法で応戦するよ」

「ないのが一番だがな」

「人間のおかげで、世界の邪気払いはだいぶ進んでいる。魔族もピンチだろうから、もう魔王復活どころではないんじゃないか」

エンキドゥさんの言葉に、そうだといいなぁとお祈りする。

ともかくこれで一度、危機は去った。

馬車に乗せてくれたおじさんには迷惑料として、お金をたんまり払った。おじさんも無事でよかったです。
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