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学園の入学テストに挑みます
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私がリュシアン学園に編入生として通うため、お兄様は色々と手続きをしてくださり見事編入試験を受けられることになりました!
編入試験は普通の入学試験以上に厳しいと聞きますので頑張って今日まで何度も過去問を解いたのですが、変なのです。
過去問が簡単過ぎるのです。本当にリュシアン学園の入学試験の過去問なのかと頭を傾げますが、お兄様が手配してくださったので間違いはないのでしょう。
…どういうことなんでしょうか?
まあ、とりあえず明日の編入試験を頑張りたいと思います!今日は寝ます、おやすみなさい。
ー…
さて、やって参りました。編入試験です。広い教室を貸し切り状態で一人で編入試験を受けます。私と、試験官のみの空間で思わず息が詰まって緊張してしまいます。
しかしテストを見るとやはり簡単な問題ばかり。さらさらと解く私を、何故かぎょっとした顔で見つめる試験官。なんでしょうか?
テストの分野は多岐に渡り、帝国語、数学、王国語、生物学、物理学、薬学、化学、地学、歴史、世界史、地理学、経済学、経営学、法学、政治学、社会学、哲学などです。
三日に渡ってテストは続きました。三日間毎日通い詰めテストを解き、自己採点での結果は全て満点でしたがどうなるかなと心配です。
後日、予定にはなかった二次試験としての面接を受けることになりました。ちょっと緊張します。
ー…
今日は二次試験の面接の日です。すごく緊張してガチガチに固まってしまいましたが、どうにかマナーは守れました。
緊張の中何を喋ったか殆ど覚えていませんが、テストに出た問題についていくつか聞かれて、私の個人的見解やそれについての論文などを引き合いに出して色々と説明したのは覚えています。
その時の試験官の焦ったような驚いたような顔が忘れられません。私、なにか失礼をしてしまったでしょうか…。
ー…
二次試験で落ちてしまったかなぁと落ち込んでいると、お兄様から声を掛けられました。
「エレナ。良い知らせが届いたぞ」
「良い知らせ…ですか?お兄様」
「ああ。合格だそうだ」
「え?」
「リュシアン学園に合格したぞ」
「えー!?」
思わずはしたない声を上げてしまいました。だって驚いたんです。絶対落ちたと思ったのに!
「学園内では早くも〝編入試験を全問正解で通った天才が現れた〟と話題だそうだ。友達が出来るのも早いかもな?」
ウィンクを投げるお兄様。そんな、天才なんかじゃないのに…!
「お、お兄様どうしましょう…期待が重いです…」
「大丈夫。何かあれば最悪退学でもすればいいさ。気楽に楽しんでおいで」
「お兄様…」
優しいお兄様。大好きなお兄様。私は、勇気を振り絞ってお兄様に〝自ら〟抱き着きます。お兄様は一瞬驚いたものの、力強く抱きしめ返してくれます。私はプルプル震えつつも、自分からお兄様に甘えられて満足です。
「…エレナ。無理することないぞ。ゆっくりでいいんだ」
「はい、お兄様。でも、本当に大好きです」
「わかってる。…私も、エレナが大好きだ」
そのまましばらく抱きしめ合って、離れる頃には私の震えも治まっていました。
編入試験は普通の入学試験以上に厳しいと聞きますので頑張って今日まで何度も過去問を解いたのですが、変なのです。
過去問が簡単過ぎるのです。本当にリュシアン学園の入学試験の過去問なのかと頭を傾げますが、お兄様が手配してくださったので間違いはないのでしょう。
…どういうことなんでしょうか?
まあ、とりあえず明日の編入試験を頑張りたいと思います!今日は寝ます、おやすみなさい。
ー…
さて、やって参りました。編入試験です。広い教室を貸し切り状態で一人で編入試験を受けます。私と、試験官のみの空間で思わず息が詰まって緊張してしまいます。
しかしテストを見るとやはり簡単な問題ばかり。さらさらと解く私を、何故かぎょっとした顔で見つめる試験官。なんでしょうか?
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三日に渡ってテストは続きました。三日間毎日通い詰めテストを解き、自己採点での結果は全て満点でしたがどうなるかなと心配です。
後日、予定にはなかった二次試験としての面接を受けることになりました。ちょっと緊張します。
ー…
今日は二次試験の面接の日です。すごく緊張してガチガチに固まってしまいましたが、どうにかマナーは守れました。
緊張の中何を喋ったか殆ど覚えていませんが、テストに出た問題についていくつか聞かれて、私の個人的見解やそれについての論文などを引き合いに出して色々と説明したのは覚えています。
その時の試験官の焦ったような驚いたような顔が忘れられません。私、なにか失礼をしてしまったでしょうか…。
ー…
二次試験で落ちてしまったかなぁと落ち込んでいると、お兄様から声を掛けられました。
「エレナ。良い知らせが届いたぞ」
「良い知らせ…ですか?お兄様」
「ああ。合格だそうだ」
「え?」
「リュシアン学園に合格したぞ」
「えー!?」
思わずはしたない声を上げてしまいました。だって驚いたんです。絶対落ちたと思ったのに!
「学園内では早くも〝編入試験を全問正解で通った天才が現れた〟と話題だそうだ。友達が出来るのも早いかもな?」
ウィンクを投げるお兄様。そんな、天才なんかじゃないのに…!
「お、お兄様どうしましょう…期待が重いです…」
「大丈夫。何かあれば最悪退学でもすればいいさ。気楽に楽しんでおいで」
「お兄様…」
優しいお兄様。大好きなお兄様。私は、勇気を振り絞ってお兄様に〝自ら〟抱き着きます。お兄様は一瞬驚いたものの、力強く抱きしめ返してくれます。私はプルプル震えつつも、自分からお兄様に甘えられて満足です。
「…エレナ。無理することないぞ。ゆっくりでいいんだ」
「はい、お兄様。でも、本当に大好きです」
「わかってる。…私も、エレナが大好きだ」
そのまましばらく抱きしめ合って、離れる頃には私の震えも治まっていました。
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