妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ

下菊みこと

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妹は周りから愛されているらしい

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バルバラ嬢が犯罪奴隷に落とされ、アガット家は爵位と領地を没収され没落。バラバラ嬢の母君は精神を病み療養しているらしい。

それらは全て、エレナを大切に思う〝友人達〟の仕組んだことのようだ。まるで親衛隊のようだとすら思える。それだけ、エレナは人に好かれる天才なのだろう。元々純粋な可愛い子だ。そういうところが好かれるのだと思う。

結局私は抗議の手紙を送っただけで終わってしまったのが口惜しいが、まあ自滅してくれて良かったと思うことにする。この手を汚して、エレナを悲しませることはしたくないし。

そんな中で私達は、バルバラ嬢の起こした殺人未遂事件で賑やかになってしまった世間とは裏腹に穏やかな時間を過ごしている。

エレナは最近、何か良いことがあったのですか?と私に聞く。

流石に、エレナを傷付けた奴らが自業自得で破滅したからとか、それをしてくれるほどエレナを可愛がってくれる人がいることを知って嬉しくてとかは言えない。そもそもエレナはそんなことを知る必要がないし。もしかしたら風の噂でバルバラ嬢の行く末を知ってしまう可能性はあるけれど。

だから私は、可愛い妹と一緒にいられるから、つい笑顔になってしまったと言って誤魔化す。まあ、それも本当だから問題はないだろう。

学園に通うのは怖くないかと聞いてみる。トラウマになっているようなら無理はさせたくない。けれどエレナは、あんな目には遭いましたが、頼りになるお友達もいますからと気丈に振る舞う。私はエレナが痩せ我慢をしないか心配だ。私は、エレナのことになると心配性になってしまう。

心配性といえば、エレナは最近良く食べてくれるので肉付きが良くなってきた。これで私も少しは安心出来る。痩せ過ぎなエレナが心配だったからな。

肉付きが良くなると、さらにエレナは美しくなった。まだまだ華奢だが、健康的な美女になった。もっと肉付きが良くなったら最高だろう。

だがそれはそれで変な男が近寄って来ないか心配ではあるが。まあ、皇太子殿下がいれば大丈夫だとは思う。

こうしてエレナと共に過ごす幸せな時間が、これからもずっと続けばいいと思う。たとえ将来的には皇太子殿下に嫁いだとしても、私達は今はたった二人の家族なのだから。

だが…私も、エレナを安心させてやるためにも早く身をかためなくてはとも思う。二人きりでは色々と大変だからな。うん。
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