52 / 103
私の症状は、どうやら魔力が膨張した結果だそうです
しおりを挟む
目が覚めた時には、自分の寝室の上でした。
「お嬢様!目が覚めたのですね!?」
ナタリーがぼろぼろと涙を流す。
「な、ナタリー?大丈夫ですか?ごめんなさい、そんなに心配をおかけしましたか?」
「はい!心配しました!もうご無理をするのはやめてください!」
…心配をかけないようにと思っていたのですが、もっと早く頼るべきだったようです。
「ごめんなさい、ナタリー。もう無理はしない…ように、気をつけます。ナタリー、これからも私の側にいて、私が無理をしていたら注意してくれますか?お友達にも迷惑をかけてしまったので…」
「もちろん、ずっとお側にいます!私はもうお嬢様に無理はさせません!」
「ふふ、頼もしいです。ありがとうございます、ナタリー」
「はい、お嬢様!」
話が落ち着いたところで、部屋のドアがノックされます。
「はい」
「エレナ。もう大丈夫なのか?」
「お兄様!はい、今はすっかりと気分が良くて」
「さすがはリナリー女医だな」
「先生が見てくださったのですか?」
「ああ。すぐにエレナの病気を突き止めて適切な対応をしてくださった」
「有り難いです」
「そうだな。…エレナ」
お兄様は真剣な表情で私を見つめます。
「はい」
「お前は魔力膨張症で体調を崩していた。後天的に膨大な魔力を得たんだ」
「…え?」
「たまに後天的に膨大な魔力を得る人がいるのは知っているだろう?お前もそれだ」
「びっくり…です…」
何故そんなことに?
「後天的に膨大な魔力を得るのは、別に特別なきっかけがあるわけではないらしい。本当に偶々、そういう星の下に生まれたから、らしい」
「そう、なんです…ね?」
「ああ。とりあえず今回は応急処置で魔石を作ってもらったが、これからは自分で魔力をコントロール出来るようにならないといけない。しばらく家で特訓するぞ」
「…なんだか、せっかく学園に入学出来たのにこんなことばっかりです。ちょっとは登校したいです」
言ってしまってからハッとしました。思わずわがままを言ってしまいました。パッと顔を上げてお兄様を見ると、びっくりした顔をした後…破顔しました。なんででしょう?
「そうか。なら、下校してから夕食までを特訓の時間にしよう」
「い、いいのですか?」
「ああ。初めてエレナが自分からわがままを言ってくれたんだ。叶えたい」
…クリス様に保健室で甘えてから箍が外れてしまった気がします。でも、甘えてもこんな風に許されるならむしろ良かったのかな。
「エレナ」
お兄様は嬉しそうに私の頭を撫でます。…震えは来ません。全く怖くありません。
「…エレナ」
「…お兄様」
「「震えが止まった!」」
きゃあきゃあとはしゃぎ、お兄様に抱きつきます。びくりともしません。〝スキンシップ恐怖症〟克服です!
「お嬢様、おめでとうございます!」
「ありがとうございます、ナタリー!」
ナタリーとも抱きしめ合います。うん、大丈夫。もう全然震えません。
「でもどうして突然?」
「多分、クリス様が今日すごく甘やかしてくださって…なんだか、箍が外れたような…こう…なんか大丈夫になりました!」
ふっとお兄様が笑います。
「雑な説明だな?」
「ふふ、だって自分でもよくわからないんですもの。でも、クリス様のおかげなのは確かだと思います。素敵なお友達が出来て、幸せです」
「…友達かぁ」
「はい!」
何はともあれ、これでもっとお兄様に撫でてもらえます!嬉しいです!…なんだか私、すごくわがままになってきていますね?少しは自重しないと…でも、すごく良い気分です!
「お嬢様!目が覚めたのですね!?」
ナタリーがぼろぼろと涙を流す。
「な、ナタリー?大丈夫ですか?ごめんなさい、そんなに心配をおかけしましたか?」
「はい!心配しました!もうご無理をするのはやめてください!」
…心配をかけないようにと思っていたのですが、もっと早く頼るべきだったようです。
「ごめんなさい、ナタリー。もう無理はしない…ように、気をつけます。ナタリー、これからも私の側にいて、私が無理をしていたら注意してくれますか?お友達にも迷惑をかけてしまったので…」
「もちろん、ずっとお側にいます!私はもうお嬢様に無理はさせません!」
「ふふ、頼もしいです。ありがとうございます、ナタリー」
「はい、お嬢様!」
話が落ち着いたところで、部屋のドアがノックされます。
「はい」
「エレナ。もう大丈夫なのか?」
「お兄様!はい、今はすっかりと気分が良くて」
「さすがはリナリー女医だな」
「先生が見てくださったのですか?」
「ああ。すぐにエレナの病気を突き止めて適切な対応をしてくださった」
「有り難いです」
「そうだな。…エレナ」
お兄様は真剣な表情で私を見つめます。
「はい」
「お前は魔力膨張症で体調を崩していた。後天的に膨大な魔力を得たんだ」
「…え?」
「たまに後天的に膨大な魔力を得る人がいるのは知っているだろう?お前もそれだ」
「びっくり…です…」
何故そんなことに?
「後天的に膨大な魔力を得るのは、別に特別なきっかけがあるわけではないらしい。本当に偶々、そういう星の下に生まれたから、らしい」
「そう、なんです…ね?」
「ああ。とりあえず今回は応急処置で魔石を作ってもらったが、これからは自分で魔力をコントロール出来るようにならないといけない。しばらく家で特訓するぞ」
「…なんだか、せっかく学園に入学出来たのにこんなことばっかりです。ちょっとは登校したいです」
言ってしまってからハッとしました。思わずわがままを言ってしまいました。パッと顔を上げてお兄様を見ると、びっくりした顔をした後…破顔しました。なんででしょう?
「そうか。なら、下校してから夕食までを特訓の時間にしよう」
「い、いいのですか?」
「ああ。初めてエレナが自分からわがままを言ってくれたんだ。叶えたい」
…クリス様に保健室で甘えてから箍が外れてしまった気がします。でも、甘えてもこんな風に許されるならむしろ良かったのかな。
「エレナ」
お兄様は嬉しそうに私の頭を撫でます。…震えは来ません。全く怖くありません。
「…エレナ」
「…お兄様」
「「震えが止まった!」」
きゃあきゃあとはしゃぎ、お兄様に抱きつきます。びくりともしません。〝スキンシップ恐怖症〟克服です!
「お嬢様、おめでとうございます!」
「ありがとうございます、ナタリー!」
ナタリーとも抱きしめ合います。うん、大丈夫。もう全然震えません。
「でもどうして突然?」
「多分、クリス様が今日すごく甘やかしてくださって…なんだか、箍が外れたような…こう…なんか大丈夫になりました!」
ふっとお兄様が笑います。
「雑な説明だな?」
「ふふ、だって自分でもよくわからないんですもの。でも、クリス様のおかげなのは確かだと思います。素敵なお友達が出来て、幸せです」
「…友達かぁ」
「はい!」
何はともあれ、これでもっとお兄様に撫でてもらえます!嬉しいです!…なんだか私、すごくわがままになってきていますね?少しは自重しないと…でも、すごく良い気分です!
11
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない
春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。
願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。
そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。
※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
婚約破棄、国外追放しておいて、今さら戻ってきてほしいとはなんですか? 〜今さら戻るつもりなどない私は、逃げた先の隣国で溺愛される〜
木嶋隆太
恋愛
すべての女性は15歳を迎えたその日、精霊と契約を結ぶことになっていた。公爵家の長女として、第一王子と婚約関係にあった私も、その日同じように契約を結ぶため、契約の儀に参加していた。精霊学校でも優秀な成績を収めていた私は――しかし、その日、契約を結ぶことはできなかった。なぜか精霊が召喚されず、周りからは、清らかな女ではないと否定され、第一王子には婚約を破棄されてしまう。国外追放が決まり、途方に暮れていた私だったが……他国についたところで、一匹の精霊と出会う。それは、世界最高ともいわれるSランクの精霊であり、私の大逆転劇が始まる。
病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで
あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。
怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。
……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。
***
『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる