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私の症状は、どうやら魔力が膨張した結果だそうです

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目が覚めた時には、自分の寝室の上でした。

「お嬢様!目が覚めたのですね!?」

ナタリーがぼろぼろと涙を流す。

「な、ナタリー?大丈夫ですか?ごめんなさい、そんなに心配をおかけしましたか?」

「はい!心配しました!もうご無理をするのはやめてください!」

…心配をかけないようにと思っていたのですが、もっと早く頼るべきだったようです。

「ごめんなさい、ナタリー。もう無理はしない…ように、気をつけます。ナタリー、これからも私の側にいて、私が無理をしていたら注意してくれますか?お友達にも迷惑をかけてしまったので…」

「もちろん、ずっとお側にいます!私はもうお嬢様に無理はさせません!」

「ふふ、頼もしいです。ありがとうございます、ナタリー」

「はい、お嬢様!」

話が落ち着いたところで、部屋のドアがノックされます。

「はい」

「エレナ。もう大丈夫なのか?」

「お兄様!はい、今はすっかりと気分が良くて」

「さすがはリナリー女医だな」

「先生が見てくださったのですか?」

「ああ。すぐにエレナの病気を突き止めて適切な対応をしてくださった」

「有り難いです」

「そうだな。…エレナ」

お兄様は真剣な表情で私を見つめます。

「はい」

「お前は魔力膨張症で体調を崩していた。後天的に膨大な魔力を得たんだ」

「…え?」

「たまに後天的に膨大な魔力を得る人がいるのは知っているだろう?お前もそれだ」

「びっくり…です…」

何故そんなことに?

「後天的に膨大な魔力を得るのは、別に特別なきっかけがあるわけではないらしい。本当に偶々、そういう星の下に生まれたから、らしい」

「そう、なんです…ね?」

「ああ。とりあえず今回は応急処置で魔石を作ってもらったが、これからは自分で魔力をコントロール出来るようにならないといけない。しばらく家で特訓するぞ」

「…なんだか、せっかく学園に入学出来たのにこんなことばっかりです。ちょっとは登校したいです」

言ってしまってからハッとしました。思わずわがままを言ってしまいました。パッと顔を上げてお兄様を見ると、びっくりした顔をした後…破顔しました。なんででしょう?

「そうか。なら、下校してから夕食までを特訓の時間にしよう」

「い、いいのですか?」

「ああ。初めてエレナが自分からわがままを言ってくれたんだ。叶えたい」

…クリス様に保健室で甘えてから箍が外れてしまった気がします。でも、甘えてもこんな風に許されるならむしろ良かったのかな。

「エレナ」

お兄様は嬉しそうに私の頭を撫でます。…震えは来ません。全く怖くありません。

「…エレナ」

「…お兄様」

「「震えが止まった!」」

きゃあきゃあとはしゃぎ、お兄様に抱きつきます。びくりともしません。〝スキンシップ恐怖症〟克服です!

「お嬢様、おめでとうございます!」

「ありがとうございます、ナタリー!」

ナタリーとも抱きしめ合います。うん、大丈夫。もう全然震えません。

「でもどうして突然?」

「多分、クリス様が今日すごく甘やかしてくださって…なんだか、箍が外れたような…こう…なんか大丈夫になりました!」

ふっとお兄様が笑います。

「雑な説明だな?」

「ふふ、だって自分でもよくわからないんですもの。でも、クリス様のおかげなのは確かだと思います。素敵なお友達が出来て、幸せです」

「…友達かぁ」

「はい!」

何はともあれ、これでもっとお兄様に撫でてもらえます!嬉しいです!…なんだか私、すごくわがままになってきていますね?少しは自重しないと…でも、すごく良い気分です!
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