上 下
53 / 103

クリス様にお礼を伝えます

しおりを挟む
結局学園に今日からまた通えることになったので、登校します。

「エレナ様、大丈夫ですの?」

「エレナ様ぁ、心配しましたぁ」

教室に入るとティナ様とジェシー様が駆け寄ってきてくれます。

「ご心配をおかけしました。もう大丈夫です。お二人が心配してくださったのに、意地を張ってごめんなさい」

「いいんですのよ。元気になってよかったですわ」

「それで、原因はなんだったんですかぁ?」

「魔力膨張症でした。後天的に膨大な魔力を授かったらしくて…」

ティナ様とジェシー様は顔を見合わせて頷きます。なんでしょう?

「やっぱりこうなりましたわね」

「ティナ様の予測さすがですぅ。でもこれでますます外堀が埋まりましたねぇ」

「早いところ両思いになると良いのですけれど」

「ですねぇ」

なんの話でしょうか?

「ご機嫌よう、可愛らしいお嬢さん」

「クリス様!ご機嫌よう」

「ご機嫌よう、皇太子殿下」

「ご機嫌よう、皇太子殿下ぁ」

「もう体調は良いのかい?」

「はい。魔力膨張症でしたので、魔石を作ってもらいました」

「そうか…それは良いことを聞いた」

「広めるつもりですわね」

「外堀埋める気満々ですぅ」

「本当にうるさいな君達は!」

よくわからないですが、皆様本当に仲良しで嬉しいです。

「あ、そうだ。クリス様、ちょっとお耳を貸していただけますか?」

「いいよ、どうしたの?」

背伸びをしてクリス様の耳元で、ティナ様とジェシー様にも聞こえないような音量で告げる。

「スキンシップ恐怖症克服しました」

「…え!?」

「うふふ。多分昨日、クリス様がたくさん甘やかしてくださったおかげです。なんだか心の中のつっかえが取れた感じで。ありがとうございます、クリス様」

「ふふ、エレナの役に立てたなら嬉しいな。それに、これからは僕からも触れられるね」

クリス様は私の頭をなでなでと撫でます。嬉しいです。

「あらあら」

「まあ、このくらいのスキンシップなら何も言いませんけどぉ…限度は守ってくださいねぇ?皇太子殿下ぁ」

「はいはい」

「…エレナ様も満更ではなさそうですわね」

「脈ありですかねぇ?」

「それは有り難いね」

なんのお話でしょうか?

「ところでエレナ様。皇太子殿下に頭を撫でられるのは嫌ではございませんわよね?」

「はい、嬉しいです」

「じゃあ、どんな感じですかぁ?」

「うーんと、心がぽかぽかして、満たされるような気持ちです!」

「ですって、皇太子殿下」

「すごく嬉しい」

「デレデレですねぇ」

「好きな子から嬉しいことを言われたんだから当然だろ」

なんだかわかりませんが、クリス様に頭を撫でられるのは本当に幸せです!
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【完】眼鏡の中の秘密

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:42

大好きなあなたを忘れる方法

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7,804pt お気に入り:1,011

公爵様と行き遅れ~婚期を逃した令嬢が幸せになるまで~

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:426pt お気に入り:30

You're the one

BL / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:61

獣人の恋人とイチャついた翌朝の話

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:29

私が王女です

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:10,189pt お気に入り:126

処理中です...