妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ

下菊みこと

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使い魔は思ったより高性能のようです

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今日も休日。エルと一緒にお部屋でのんびり過ごしていると、お兄様がお部屋に来ました。

「エレナ。キャットタワーとリボン、それからもう一つ届いたぞ」

「ありがとうございます、お兄様!…もう一つ?」

「とりあえず、キャットタワーから設置しよう」

部屋にお兄様の侍従がキャットタワーを置いてくださいました。

「それからリボンだな」

お兄様が差し出してくれた箱を開けると綺麗なリボン。それを取り出してエルの首に巻いてあげると、エルは嬉しそうに宙を飛び回ります。

「エル様大喜びですね!」

「可愛らしいですなぁ」

「エル、怪我をしないように気をつけろ」

「エル、危ないから飛び回らないでこっちにおいで」

私が手を伸ばすとエルは勢いよく腕の中に飛び込んできました。慌てて受け止めます。

「もう。お転婆さんなんだから」

「エル。もう少し落ち着きを持て」

「みゅう!」

「…本当にわかったんだよな?」

「みゅう!」

お兄様は困ったように笑ってエルの頭を撫でます。

「さて。あとはこれだけだな」

「これ?」

お兄様が差し出してくれたのは水晶。

「これはな、魔力や属性を測定する水晶だ。エレナもエルもどんな魔力を持つかわかってないだろう。魔法を勉強する気はないにしても、自分で自分の属性を把握しておくだけでも違うぞ」

「お兄様…ありがとうございます!」

「可愛い妹のためだ。このくらい当然だ」

お兄様が私のおでこにキスをしてくれます。私も背伸びをしてお兄様の頬にキスをします。

「…エレナからキスしてくれた。嬉しい」

「旦那様、語彙力が溶けておりますぞ」

ということで早速魔法の属性を調べます。

「では、水晶に魔力を流してみろ」

「はい、お兄様」

水晶に魔力を流してみると、水晶の中に光が溢れました。

「ふむ、光属性か。聖属性じゃなくて本当に良かった。下手に目立つと面倒だからな。まあ光でも充分凄いらしいが、私も光属性だしセヴランの血だろうな」

「そうなのですね…?」

光でも充分凄いらしいってどういうことなんでしょうか?

「光属性を持つなら、結界と治癒魔法くらいは覚えても損ではないな。聖属性程じゃないが、それなりに身は守れる。多数の人を助けられる程のものではないがな」

「なるほど…?」

「光の加減を見ても、かなりの魔力を持つし。うん、あとで結界と治癒魔法の特訓をしような」

「わかりました、お兄様!」

よくわからないですが、きっと役に立つのでしょう。うん。

「次はエルだな。エル、水晶に魔力を流してみろ」

「みゅう!」

エルが水晶に魔力を流すと、水晶から眩いばかりの光が溢れてきました。

「…魔力が強すぎる」

お兄様が唖然としています。

「お兄様?どうされました?」

「…他言無用だ。いいな」

「もちろんですぞ、旦那様」

「わ、わかりました!」

「エレナ。エルの魔力は光属性だが、一介の使い魔のレベルを超える。秘密にできるか?」

「…は、はい」

エルがそんなに凄い子だなんて。

「みゅう!」

「…だが、何かあればエルに頼るしかないかもしれない。その場合に備えて、エルにも結界と治癒魔法の特訓を受けてもらう。初級の魔法だし、お前達ならすぐに覚えられるだろう」

ということでその後は一日中結界と治癒魔法の特訓を受けました。お兄様の教え方が良く、私もエルも一日で結界と治癒魔法を覚えられました。
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