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妹の使い魔が凄すぎるんだが

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キャットタワーとリボンと魔力を測定する水晶が届き、エレナの部屋に届ける。

エレナもエルもキャットタワーを喜んだ。買ってよかった。リボンもエレナがエルにつけてやるとエルは嬉しそうに宙を舞う。

その姿が危なっかしいと思ったのか、エレナがエルにおいでと手を伸ばすとエルは勢いよくエレナに突っ込んだ。慌てて受け止めるエレナも充分危なっかしい。

お転婆さんなんだからと呆れつつも許すエレナに代わり、私がエルを叱る。エルは可愛らしくみゅうと鳴くが、本当にわかったんだよな?使い魔は人の言葉を理解する。言葉がわからないなんて言い訳は通用しないぞ。

エルの頭を撫でてやると気分を切り替えて、魔力を測定する水晶について説明する。もののついでにエレナのおでこにキスをすると、エレナが背伸びをして頬にキスをしてくれた。嬉しい。

再び気分を切り替えて、魔力を実際に測定する。エレナは強い光属性。私も光属性なので、お揃いだな。魔力の強さも私より少し少ないくらいか。

しかし、問題はエルの方だった。光属性だが、魔力が強すぎる。下手をすれば、聖属性の魔力が低い連中と同等の治癒力になるんじゃないか。なんで主人のエレナより魔力が多いんだ。あれか、幻獣をモチーフにした使い魔だからか。もしそうならこれから幻獣をモチーフに使い魔を作る人が増えるぞ。

とりあえず箝口令を敷いて、万が一エレナとエルの力が必要になった時のために結界と治癒魔法の特訓をさせる。

エレナは使い魔の作り方で魔力を使う方法はきちんと理解しているし、エルは使い魔なので生まれ持って必要最低限の知識はある。私としても最大限わかりやすい教え方を考えて、全員で努力した結果なんとか一日で覚えてくれた。

覚えてくれたのはいいが、エレナとエルがその力を使う必要がないようにしなければならない。

私の使い魔…狼をモチーフにしたルーヴという名前をつけた子で強い光属性を持つが、あの子と私でなんとかやっていければいい。普段は好戦的過ぎて散歩の時間と庭に連れて行く時以外、専用の広い部屋にお気に入りのおもちゃ達と一緒にいてもらっているが、やる時はやってくれる子なのだ。エレナと喧嘩になると嫌だからエレナにはまだ会わせていないが、エルが居れば大丈夫だろうしそのうち紹介するつもりでもいる。

だから、エレナとエルがその力を使うなら、その時はなにか本当に難しい状況に陥ってしまう時ということだ。私とルーヴで背負いきれないものを、エレナとエルに託すなんて考えたくもない。

どうか、そんなことにならないことを祈る。
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