妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ

下菊みこと

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寂しがりやな君がとても愛おしい

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ここ一週間、他国の王族を招いての集まりがあり中々エレナに会えなかった。やっと公務から解放されエレナに会えることになり、僕は急いで馬車を出した。

「エレナ!」

「…クリス様!来てくださったのですね!」

エレナが僕に駆け寄ってくる。そんなエレナを優しく抱きしめた。

「僕が居なくて寂しくなかった?」

「すごく寂しかったです…死んでしまうかと思いました…」

「そんなに?」

「はい。はやくクリス様にお会いしたくて、指折り数えて今日を待っていました」

なんだそれ。可愛すぎる。

「エレナ。寂しくさせてごめんね。その分今日はいっぱい甘やかしてあげる」

おでこにキスをして、瞼に、頬に、鼻先にキスをして、唇の端ギリギリ…唇に当たらない部分にキスをする。きゅっと目を閉じて頬を染めているエレナはとても可愛らしい。

「ほら、エレナ。いつまでも立っていると疲れるから、おいで」

ソファーに座って、膝の上に対面でエレナを乗せる。

「エレナ、もっとたくさんキスしていいかい?」

「は、はい。クリス様からのキスなら…」

…可愛すぎる。困ったな。

「あまりそんな可愛らしいことを言うと、狼に食べられてしまうかもね?」

言いながら、エレナの髪を一房とってキスを落とす。

「クリス様…!」

真っ赤な頬を更に染め、僕の名前を呼ぶエレナ。でも、なんと言っていいかわからないらしく口をパクパクとさせている。そんな表情も可愛いね。

「エレナ…愛してる」

「ひぅ…」

わざと息を吹きかけるように耳元で囁く。刺激が強すぎたのかびくりと震えるエレナ。可愛い。

可愛いのでつい意地悪をしてしまう。わざとリップノイズを立てて、耳に何度も口付けをする。耳へのキスの反応が落ち着いてきたら、今度は首筋。もちろん痕は付けないで普通に口付けをするだけだけど。舐めあげたらどんな表情が見られるだろうと、意地悪をしたくなるがさすがにナタリアとかいう侍女に怒られるだろうからやめておく。

「く、クリス様…」

「どうしたの?エレナ」

「なんだか、は、恥ずかしいです…それに、すごくドキドキして…苦しい…」

「…少し意地悪し過ぎたかな。ごめんね?愛してるよ」

「私もクリス様を愛しています。…なんだか、寂しかったのが嘘のように満たされた気分です。クリス様、大好きです」

真っ赤になって涙目のまま、蕩けるような笑みを浮かべるエレナはちょっとだけ刺激が強いけど。

「僕も大好きだよ。誰よりも大切にする」

ああ、だから早く結婚してしまいたい…。
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