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怪しいクッキー
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「…」
聖魔力を使って、こっそりクッキーを調べた。
結果、とんでもないことがわかった。
魅了の呪いを掛けるには聖魔力が必要だ。
だが、薬草を使って魅了の呪いに似た効果を得ることはできる。
いわゆる、媚薬。
このクッキーは魅了の呪いほど強力ではないが、惚れ薬としてかなりの威力を持つ。
「…国王陛下、王妃殿下!ヴァレール様も、決して召し上がらないでください!」
「え?」
「シャル?」
「このクッキーには、惚れ薬が含まれています!ルシア様は、聖女ではなく魔女です!」
「な!?」
この場にいる全員がわたくしの発言に凍りつく。
その隙に、わたくしは聖魔力を使い隣国の国王陛下と王妃殿下、王太子殿下の魅了を解いた。
強力な惚れ薬ではあったが、それでも魅了の呪いほど強力な効果はないため、なんとか持っていた魔力石全部と今ある聖魔力で魅了を解けた。
「私たちは一体…」
「なぜこのような娘に魅了されていたのだ…!?」
「僕は…僕はミーシャになんてことを!君は、君は一体なんなんだ!」
魅了が解けた隣国の国王陛下と王妃殿下、王太子殿下は青ざめてルシア様を見る。
「あーあ、失敗しちゃった。やっぱり本物の聖女には通用しないか。また二百年後に再チャレンジだなぁ」
「貴女は…魔女、ですか?」
「ふふ、ご名答!よくわかるよね、本当に。これだから聖女は嫌よね」
魔女。
聖魔力とは違う、普通の魔力とも違う、特別な魔力と知識を持つもの。
特に薬学の知識は凄まじいらしい。
惚れ薬を作れるのも納得だ。
「なぜ、このようなことを?」
「私たち魔女ってさ、影に潜んで薬を製造してばかりでしょ?たまには歴史の表舞台に立つのも楽しそうだなって思って、ちょっとちょっかい出してみたの」
「…ミーシャ様のいじめの件は」
「私の自作自演だよ。クッキーを食べてすっかり魅了されてくれてた王太子は信じてくれたけどねー」
「そんなっ…」
魔女は独特の価値観や感性を持つ。
寿命も長い彼らは、もはや人間より妖精たちに近い存在とも言える。
彼らに人間の価値観で説得やお説教をしたところで無駄でしかない。
でも…。
「酷い…」
「ふふ、ごめんね。でも、どうしても興味が湧くとちょっかいをかけないと気が済まなくなっちゃって」
「…」
「でも、今回はもう諦めるよ。また二百年後に会おうね。あ、でもその時には君たちは世代交代しているか。じゃ、さようなら!」
「ま、待て!」
王太子殿下は手を伸ばすが、それより早く魔女はどこかに消えてしまった。
聖魔力を使って、こっそりクッキーを調べた。
結果、とんでもないことがわかった。
魅了の呪いを掛けるには聖魔力が必要だ。
だが、薬草を使って魅了の呪いに似た効果を得ることはできる。
いわゆる、媚薬。
このクッキーは魅了の呪いほど強力ではないが、惚れ薬としてかなりの威力を持つ。
「…国王陛下、王妃殿下!ヴァレール様も、決して召し上がらないでください!」
「え?」
「シャル?」
「このクッキーには、惚れ薬が含まれています!ルシア様は、聖女ではなく魔女です!」
「な!?」
この場にいる全員がわたくしの発言に凍りつく。
その隙に、わたくしは聖魔力を使い隣国の国王陛下と王妃殿下、王太子殿下の魅了を解いた。
強力な惚れ薬ではあったが、それでも魅了の呪いほど強力な効果はないため、なんとか持っていた魔力石全部と今ある聖魔力で魅了を解けた。
「私たちは一体…」
「なぜこのような娘に魅了されていたのだ…!?」
「僕は…僕はミーシャになんてことを!君は、君は一体なんなんだ!」
魅了が解けた隣国の国王陛下と王妃殿下、王太子殿下は青ざめてルシア様を見る。
「あーあ、失敗しちゃった。やっぱり本物の聖女には通用しないか。また二百年後に再チャレンジだなぁ」
「貴女は…魔女、ですか?」
「ふふ、ご名答!よくわかるよね、本当に。これだから聖女は嫌よね」
魔女。
聖魔力とは違う、普通の魔力とも違う、特別な魔力と知識を持つもの。
特に薬学の知識は凄まじいらしい。
惚れ薬を作れるのも納得だ。
「なぜ、このようなことを?」
「私たち魔女ってさ、影に潜んで薬を製造してばかりでしょ?たまには歴史の表舞台に立つのも楽しそうだなって思って、ちょっとちょっかい出してみたの」
「…ミーシャ様のいじめの件は」
「私の自作自演だよ。クッキーを食べてすっかり魅了されてくれてた王太子は信じてくれたけどねー」
「そんなっ…」
魔女は独特の価値観や感性を持つ。
寿命も長い彼らは、もはや人間より妖精たちに近い存在とも言える。
彼らに人間の価値観で説得やお説教をしたところで無駄でしかない。
でも…。
「酷い…」
「ふふ、ごめんね。でも、どうしても興味が湧くとちょっかいをかけないと気が済まなくなっちゃって」
「…」
「でも、今回はもう諦めるよ。また二百年後に会おうね。あ、でもその時には君たちは世代交代しているか。じゃ、さようなら!」
「ま、待て!」
王太子殿下は手を伸ばすが、それより早く魔女はどこかに消えてしまった。
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