君が僕に心をくれるなら僕は君に全てをあげよう

下菊みこと

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両親のその後

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さて。

コトハの両親がどうなっているのか、そろそろ探ってみるかな。

「どんなことになっているかな」

僕は念を送ってコトハの両親の様子を覗き見る。

『お腹…空いた…』

『ひもじい…苦しい、苦しい…』

『あの子を放置して逃げた罰なの…?』

『…あの親不孝者めぇ!!!』

『あんな疫病神、産まなければよかった!!!』

コトハの母親は、あれだけ悪夢を見せても相変わらずらしい。

コトハの義父はどうかな。

『腹減ったよぉ…なんか恵んでくれよぉ~…』

『俺が何したっていうんだよぉ~…』

『そういえばあのガキ…俺とあいつが逃げてる間、大丈夫だったのか…?』

『こんなひもじい思い、あのガキはしてないよな…?』

『あのガキ、今頃良いもの食ってるかなぁ…だといいなぁ…』

こちらは相変わらず無責任な奴だけど、一応コトハのことを思い出して心配はしてるらしい。

うーん。

ちょっと甘いかもしれないけれど、母親の方はこのままにして義父の方は悪夢は見せないようにしてやろうか。

悪夢が覚めても、刑務所に行く運命だけれど。

指を鳴らす。これで義父の方は夢から覚めただろう。

母親の方は今の時点で衰弱しているが、このまま目覚めることもほぼなく少しずつもっと衰弱していくだろう。

義父の方は今もう大分衰弱しているが、目覚めるから少しずつ回復はするだろう。

回復しても良いことはないだろうけど。

「まあ、悪夢から覚められるだけマシだよね」

コトハは…どう思うかな。

コトハの仇討ちのつもりでやっているこの復讐だけれど、コトハは優しいからな。

知ったら可哀想に思うかもしれない。

とはいえやめるつもりはないけれど。

「あの二人がどうなろうがコトハの監護権は僕にあるし、今更怖くはないけれどね」

でも、捕まってくれていた方がマシ。

今更変にでしゃばって来られても面倒だからね。

捕まっていても、夢の中でも、なんでもいいから大人しくしてくれる方が都合がいい。

「場合によっては、あの母親ならコトハとの手切れ金とか…僕と出会う前までの養育費分のお金とか請求して来そうだし」

あの母親ならやりかねない。

まあ今の僕は超売れっ子占い師でお金には困っていないので、要求されても困ることはないしむしろ喜んで払ってやるけれど。

「まあ、あの母親ならコトハに必要とも思えないしこのままでいいよね」

そもそも断捨離のつもりで切り捨てたのだし。

今更助けてやる義理もない。

「コトハを苦しめた分、苦しみなよ」

それが君たちに相応しい罰だろう。
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