ねえ、君は生きたいですか?死にたいですか?

下菊みこと

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罰が下る

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「岩瀬さん、許せない許せない!私を差し置いて辰巳くんと付き合うなんて!辰巳くんも見る目がなさすぎる!なんであんな女!」

ストレスで髪の毛を掻き毟る。

ムカつくムカつく!

なんであんな女!

クレーム入れても結局嘘がバレてこっちが注意されちゃうし!

「あんな女、居なくなればいいのに!」

『それはこちらのセリフですよ』

「え?」

辰巳くんの声が聞こえた気がして振り向くが誰もいない。

「…?」

けれどその日以降、私は悪夢を見るようになった。

根も葉もない悪口を言いふらされて、孤立する夢。

現実では幸いそんなことはなかったんだけど、夢の中ではいつもひとりぼっち。

そしてたまに行きたくもないホラースポットに連行されて、一人で肝試しさせられたりした。

そして髪を引っ張られて無理矢理切られたり、頭を思いっきり叩かれたりとかもした。

これ全部、私が岩瀬さんにしたことだ。

「ご、ごめんなさい、謝るから。もう反省したから」

そう誰にともなく呟くが、返事は返ってこない。

そのうち無気力になってしまって、現実の生活も上手くいかなくなってしまった。

今は夏休み中だからまだマシだが、学校が始まったら行く気力もない。

バイトにも行けなくて、生活が苦しい。

どうしようもなくなって、私は大学に休学申請を出して親元に戻った。

「どうしてこんなことに…」

一応カウンセリングやら漢方やらを試すが効果なし。

勝ち組人生だったはずなのに、何もかもが足元から崩れ去ってしまった。















「ということで、しっかり高校時代の君の仇はとっておきましたよ」

「わぁ」

辰巳さんに事後報告されてドン引きする。

なにもそこまでせんでも。

「まあまあ、いいじゃないですか。君を傷つけた彼女の自業自得です」

「まあ、私はいいですけど」

「ならいいでしょう?」

うんまあ、別に辰巳さんを咎める気もない。

「…私のために、ありがとうございます」

「いえ、可愛い百合を傷つけられて我慢できなかっただけですから」

辰巳さんが甘い。

「他にも困りごとがあったら、解決してあげるので頼ってくださいね」

「ふふ、はい」

やりすぎなところはあるけれど頼もしい。
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