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お従兄様がキレた。第二王子殿下の自業自得だけど。
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「アンジェル!貴様は第二王子たる俺の婚約者でありながら、平民の少女を虐めていたな!貴様との婚約は破棄だ!」
アンジェルは、公爵家の一人娘。歴史もお金も地位も権力もある両親に大切に育てられ、第二王子殿下と婚約を結んでいた。
そんなアンジェルは、身に覚えのない容疑で断罪されていた。
しかしその断罪をした第二王子はその瞬間、身体強化魔法を己に付与したアンジェルの従兄に助走をつけて思いっきり殴られた。数メートル先に吹っ飛ばされる第二王子。
「き、貴様、何をする!」
今度は思いっきり蹴りあげられる。アンジェルの従兄、ネルはアンジェルを溺愛している。公の場でアンジェルを貶めた以上、これはある意味当然の結果だった。
しかも、ネルの実家も地位、名誉、権力、金、なにもかもを持っている。兵力だって例外ではない。王家であっても、下手に手を出せない相手と言えた。
ネルの怒りは頂点である。これはもう誰も庇うことが出来ない。そして国王も、バカなことを仕出かした息子よりアンジェルとネルの味方につくだろう。敵に回してはいけない相手は、国王も心得ている。
第二王子の後ろに庇われるように立っていた平民の少女はこっそりと逃げようとしたが、アンジェルのお友達に無事捕まった。平民が貴族の娘を貶めることを仕出かしたのだから、最悪極刑も有り得るかもしれない。少し可哀想に思うアンジェル。
そこに国王が現れた。その場にいる皆が頭を下げる。さすがにネルの動きも止まった。ネルももちろん頭を下げた。
「うむ。此度は我が愚息がとんでもないことを仕出かしたようだな。アンジェル嬢には深く謝罪する。すまなかった」
アンジェルはもちろん謝罪を受け入れた。国王は続けて沙汰を下す。
「この愚息は離宮に幽閉する。そこの平民の小娘は愚息の世話係として同じく離宮に幽閉とする。生殖能力は二人から取り上げる。離宮での生活は清貧を心掛けさせよう。それで勘弁してくれ…頼む」
ネルは対応が甘いのではないかと不満そうだったが、アンジェルはそれでいいと押し切った。アンジェルのおかげで話はついた。
「アンジェル嬢、本当に愚息がすまなかった。慰謝料は必ず払う。本来それだけで許されることではないだろうが、どうか許してほしい」
アンジェルは再びの謝罪を受け入れた。これ以上パーティーを続行するのは不可能だと、パーティーはお開きになった。
その後しばらく経つとアンジェルの元にある噂が聞こえてきた。第二王子と平民の娘は生殖能力を奪われて離宮に幽閉され、辛い生活を送っているらしい。
まあそれは国王陛下が言っていた通りの処分なのだが、清貧を心掛けるどころかスラム街の子供達の方がマシな扱いを受けているとかなんとか。アンジェルはゾッとしたが出来ることはもうない。
あれから、新しい婚約者を探すまでもなく従兄のネルが新たな婚約者となった。ネルは今日も相変わらず優しい。溺愛されている。最高の婚約者だ。
「最初からネルお従兄様が婚約者だったらよかったのに」
「僕も心の底からそう思うよ」
「でもまあ、結果的に幸せだからいいですけれど」
「慰謝料もかなり貰えたしね」
「このお金をぱあっと使って、結婚後はハネムーンに行きましょうね!ネルお従兄様との旅行楽しみ!」
自分との結婚を期待して待つ可愛い人に、ネルは頬を緩めていた。
アンジェルは、公爵家の一人娘。歴史もお金も地位も権力もある両親に大切に育てられ、第二王子殿下と婚約を結んでいた。
そんなアンジェルは、身に覚えのない容疑で断罪されていた。
しかしその断罪をした第二王子はその瞬間、身体強化魔法を己に付与したアンジェルの従兄に助走をつけて思いっきり殴られた。数メートル先に吹っ飛ばされる第二王子。
「き、貴様、何をする!」
今度は思いっきり蹴りあげられる。アンジェルの従兄、ネルはアンジェルを溺愛している。公の場でアンジェルを貶めた以上、これはある意味当然の結果だった。
しかも、ネルの実家も地位、名誉、権力、金、なにもかもを持っている。兵力だって例外ではない。王家であっても、下手に手を出せない相手と言えた。
ネルの怒りは頂点である。これはもう誰も庇うことが出来ない。そして国王も、バカなことを仕出かした息子よりアンジェルとネルの味方につくだろう。敵に回してはいけない相手は、国王も心得ている。
第二王子の後ろに庇われるように立っていた平民の少女はこっそりと逃げようとしたが、アンジェルのお友達に無事捕まった。平民が貴族の娘を貶めることを仕出かしたのだから、最悪極刑も有り得るかもしれない。少し可哀想に思うアンジェル。
そこに国王が現れた。その場にいる皆が頭を下げる。さすがにネルの動きも止まった。ネルももちろん頭を下げた。
「うむ。此度は我が愚息がとんでもないことを仕出かしたようだな。アンジェル嬢には深く謝罪する。すまなかった」
アンジェルはもちろん謝罪を受け入れた。国王は続けて沙汰を下す。
「この愚息は離宮に幽閉する。そこの平民の小娘は愚息の世話係として同じく離宮に幽閉とする。生殖能力は二人から取り上げる。離宮での生活は清貧を心掛けさせよう。それで勘弁してくれ…頼む」
ネルは対応が甘いのではないかと不満そうだったが、アンジェルはそれでいいと押し切った。アンジェルのおかげで話はついた。
「アンジェル嬢、本当に愚息がすまなかった。慰謝料は必ず払う。本来それだけで許されることではないだろうが、どうか許してほしい」
アンジェルは再びの謝罪を受け入れた。これ以上パーティーを続行するのは不可能だと、パーティーはお開きになった。
その後しばらく経つとアンジェルの元にある噂が聞こえてきた。第二王子と平民の娘は生殖能力を奪われて離宮に幽閉され、辛い生活を送っているらしい。
まあそれは国王陛下が言っていた通りの処分なのだが、清貧を心掛けるどころかスラム街の子供達の方がマシな扱いを受けているとかなんとか。アンジェルはゾッとしたが出来ることはもうない。
あれから、新しい婚約者を探すまでもなく従兄のネルが新たな婚約者となった。ネルは今日も相変わらず優しい。溺愛されている。最高の婚約者だ。
「最初からネルお従兄様が婚約者だったらよかったのに」
「僕も心の底からそう思うよ」
「でもまあ、結果的に幸せだからいいですけれど」
「慰謝料もかなり貰えたしね」
「このお金をぱあっと使って、結婚後はハネムーンに行きましょうね!ネルお従兄様との旅行楽しみ!」
自分との結婚を期待して待つ可愛い人に、ネルは頬を緩めていた。
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