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護衛を決める
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さて。私はマルセル公爵家の長女なわけで、そろそろ専属の護衛をつけることになります。
しかし、我がマルセル公爵家の騎士団の中から選ぶとなると、それは我がマルセル公爵家に忠誠を誓う者であって私に忠誠を誓う騎士ではないわけです。もし何かあった時、私の絶対の味方になってくれると信頼できる護衛が欲しいですよね。
なので、どこか別のところから、私に対して忠誠を誓う護衛を見つけたいと思います。
「うーん。そうは言っても、どこで見つけましょうか」
私は中庭の薔薇を眺めながら考えます。すると突然、大声が聞こえてきました。
「待て!お前は我が商会の大事な商品なんだぞ!」
「知らないよ!あっかんべーだ!」
「まずい!マルセル公爵家の敷地に逃げ込んだぞ!」
「…もしかして、奴隷商かな?マルセル公爵領では奴隷売買は禁止のはずだけど」
「お嬢様、ここにいたら危ないかも知れません。室内に戻りましょう」
「そうですね」
室内に入ろうとしたところで、ボロボロの服を着た見目麗しい少年が私の目の前に現れた。
「ねえ、君!助けて!」
「…とりあえず中にどうぞ」
「お嬢様!?」
「ありがとう!」
少年を中に入れると、奴隷商がやってきた。
「すみません、この辺でみすぼらしい男を見ませんでしたか?」
「貴方方は一体誰の許可を得て我が家の敷地内に?」
「…す、すみません!私度は奴隷商をやっていまして、商品が逃げ出したので止む終えず…」
「このマルセル公爵領では奴隷売買は禁止です。彼はうちで保護します。お引き取り願います」
「…っ!くそぅ…高く売れそうだったのに…失礼します」
奴隷商達は大人しく引き下がってくれました。
「…ふぅ。引き下がってくれてよかった」
「お嬢様、あまり危ないことは…」
「はい、ごめんなさい」
「それで、彼はどうするんです?」
「とりあえずお風呂に入れてあげて、綺麗な服を用意してあげてください。その後のことはまあ、食事をとってもらいながら話を聞いて決めようかなと思います」
「わかりました」
ー…
「ありがとう、助かったよ!こんなに良くしてくれて本当にありがとう!」
「それで、何故奴隷商に?見たところ、高位貴族の立ち振る舞いのように見えますが」
「…わかる?俺、前にローズ帝国に攻め滅ぼされたプラム公国の、とある公爵家の長男だったんだ。生き残った貴族の血筋の者は全員奴隷商に売り渡されたみたいで、俺もそうされたんだけど、隙があったから逃げてきちゃった」
「それは災難でしたね…大丈夫ですか?」
「うん…ねえ、一つ厚かましいお願いしてもいい?」
「なんでしょうか?」
「俺、こんな状況でも生き残れる程度には強いしさ。…なんでもいいから、雇ってくれない?」
「…私に忠誠を誓ってくれますか?」
「もちろんだよ!恩義もあるし」
「なら、今から一緒にお父様のところに行きましょう。説得して雇ってもらいます。貴方は今日から、私の護衛です」
「ありがとう、これから頑張るよ!」
お父様のところに行き、お父様を説得。私の専属護衛として、彼を雇い入れることを了承されます。
「俺、エドモン・アヴェリーノ・バスチアンは、我が剣にかけて、ミレイユ・モニク・マルセル姫君に生涯の忠誠を誓います」
剣を捧げられ、その剣でエドモンの肩を叩く。これで専属の護衛に正式に決定されました。
「これからよろしくお願いしますね、エドモンさん」
「うん、ミレイユ様こそよろしくね!俺のことはエドでいいよ」
「なら私もミレイで構いませんよ」
「ミレイ様、ミレイ様のことは俺が守るからね!」
「頼りにしてますね、エド」
エドもこんな醜女の護衛なんて嫌だろうし、早く痩せなきゃなぁ。
しかし、我がマルセル公爵家の騎士団の中から選ぶとなると、それは我がマルセル公爵家に忠誠を誓う者であって私に忠誠を誓う騎士ではないわけです。もし何かあった時、私の絶対の味方になってくれると信頼できる護衛が欲しいですよね。
なので、どこか別のところから、私に対して忠誠を誓う護衛を見つけたいと思います。
「うーん。そうは言っても、どこで見つけましょうか」
私は中庭の薔薇を眺めながら考えます。すると突然、大声が聞こえてきました。
「待て!お前は我が商会の大事な商品なんだぞ!」
「知らないよ!あっかんべーだ!」
「まずい!マルセル公爵家の敷地に逃げ込んだぞ!」
「…もしかして、奴隷商かな?マルセル公爵領では奴隷売買は禁止のはずだけど」
「お嬢様、ここにいたら危ないかも知れません。室内に戻りましょう」
「そうですね」
室内に入ろうとしたところで、ボロボロの服を着た見目麗しい少年が私の目の前に現れた。
「ねえ、君!助けて!」
「…とりあえず中にどうぞ」
「お嬢様!?」
「ありがとう!」
少年を中に入れると、奴隷商がやってきた。
「すみません、この辺でみすぼらしい男を見ませんでしたか?」
「貴方方は一体誰の許可を得て我が家の敷地内に?」
「…す、すみません!私度は奴隷商をやっていまして、商品が逃げ出したので止む終えず…」
「このマルセル公爵領では奴隷売買は禁止です。彼はうちで保護します。お引き取り願います」
「…っ!くそぅ…高く売れそうだったのに…失礼します」
奴隷商達は大人しく引き下がってくれました。
「…ふぅ。引き下がってくれてよかった」
「お嬢様、あまり危ないことは…」
「はい、ごめんなさい」
「それで、彼はどうするんです?」
「とりあえずお風呂に入れてあげて、綺麗な服を用意してあげてください。その後のことはまあ、食事をとってもらいながら話を聞いて決めようかなと思います」
「わかりました」
ー…
「ありがとう、助かったよ!こんなに良くしてくれて本当にありがとう!」
「それで、何故奴隷商に?見たところ、高位貴族の立ち振る舞いのように見えますが」
「…わかる?俺、前にローズ帝国に攻め滅ぼされたプラム公国の、とある公爵家の長男だったんだ。生き残った貴族の血筋の者は全員奴隷商に売り渡されたみたいで、俺もそうされたんだけど、隙があったから逃げてきちゃった」
「それは災難でしたね…大丈夫ですか?」
「うん…ねえ、一つ厚かましいお願いしてもいい?」
「なんでしょうか?」
「俺、こんな状況でも生き残れる程度には強いしさ。…なんでもいいから、雇ってくれない?」
「…私に忠誠を誓ってくれますか?」
「もちろんだよ!恩義もあるし」
「なら、今から一緒にお父様のところに行きましょう。説得して雇ってもらいます。貴方は今日から、私の護衛です」
「ありがとう、これから頑張るよ!」
お父様のところに行き、お父様を説得。私の専属護衛として、彼を雇い入れることを了承されます。
「俺、エドモン・アヴェリーノ・バスチアンは、我が剣にかけて、ミレイユ・モニク・マルセル姫君に生涯の忠誠を誓います」
剣を捧げられ、その剣でエドモンの肩を叩く。これで専属の護衛に正式に決定されました。
「これからよろしくお願いしますね、エドモンさん」
「うん、ミレイユ様こそよろしくね!俺のことはエドでいいよ」
「なら私もミレイで構いませんよ」
「ミレイ様、ミレイ様のことは俺が守るからね!」
「頼りにしてますね、エド」
エドもこんな醜女の護衛なんて嫌だろうし、早く痩せなきゃなぁ。
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