田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?

下菊みこと

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クロヴィス様を喜ばせたい!

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「じゃあクロヴィス様、いってらっしゃい」

「お兄様ばいばーい」

「ああ、行ってくる。土産は何がいい?」

「僕はクロヴィス様に早く会えればそれでいいかな」

「…そうか。君はなんというか、欲がないな」

なんだろう。クロヴィス様、嬉しそう?

「…でも、何か土産は買ってくる。甘い物でいいか?」

「じゃあ僕、あの…都会特有?のすごいクリームまみれのクレープを食べてみたいな」

「確かに最近はまるで白薔薇の花束のようなクリームクレープもあるが…それが良いのか?」

「食べてみたいです!」

「わかった。期待して待っていてくれ」

ということで、クロヴィス様は行ってしまった。寂しいなぁ。…さて!切り替えて、推し活しようか!

あ、そうだ、使用人のみんなとやったら楽しそうだな!あとシエル様!誘いたいなぁ。話しかけても良いかな。

「アリスティア様」

「ポールさん。どうしたの?なんか僕、失礼なことでもしたかな?」

「いえ、とんでもない!このようなこと、本来ならお願い出来る立場ではないのですが…使用人たちが、どうしてもアリスティア様とお話ししたいとのことで」

お、チャンス到来だね!

「もちろん良いよ!」

「お前たち、アリスティア様が許可をくださったぞ」

「アリスティア様、あの…」

みんなそわそわしながらも、なかなか話しかけてくれない。

「…みんな、推し活って知ってる?」

「え?は、はい!」

「僕、クロヴィス様を推しとして推し活頑張ることにしたんだけど、色々教えてくれない?みんなも一緒にやってくれる?」

い、言っちゃった。どうかな。

「…もちろん!」

「楽しそう!」

「やりましょうやりましょう!」

「ねえ、アリスティアお兄ちゃん。僕も混ぜてー!」

「もちろんいいよ!」

よかった、みんな乗り気だね!

「良いですよね、執事長!」

「アリスティア様のご要望ですしね!」

「仕事もきちんと頑張るのなら、アリスティア様とご一緒させていただきなさい」

「やったー!」

「アリスティア様。私も参加してもよろしいでしょうか?」

真面目そうなポールの言葉に思わずきょとんとしてしまう。シエル様や使用人たちもきょとんとしている。

「ポールもやるの?」

「ぜひ。私の推しは昔から坊ちゃん…ご当主様ですから」

「いいね!みんなでクロヴィス様を応援して喜ばせよう!」

「執事長やるー!」

「執事長もノリノリじゃーん!」

みんなわいわいしてて楽しいね。田舎のみんなとノリは違うけど、これはこれですごく素敵。

「マリスビリーだっけ?参加する?」

「もちろんです!坊ちゃんの推しは俺の推しです!」

「お、言うなぁ!」

マリスビリーもみんなと打ち解けられそうで良かった!
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