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実家の両親が手のひら返ししてきました
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「坊ちゃん!」
マリスビリーが走り寄ってくる。どうしたんだろう?
「マリスビリー?どうしたの?」
「坊ちゃん、クロヴィス様、旦那様と奥様がお嬢様を連れて坊ちゃんに会いに来たいとのことです!」
「え…」
お父様とお母様が?お姉様はわかるんだけど…なんで?
「…アリス、ご両親との仲が良いわけじゃないんだよな?」
「は、はい」
「アリスティアお兄ちゃんが最近人気者だから、仲直りしたいのかな」
「そう…なのかなぁ…」
仲直り…というか、ぶっちゃけ初対面…。
「…アリス、断るか?」
「えっと…いえ、もしかして何か大切な用があるかもしれませんしクロヴィス様がいいなら…」
「わかった。なら、出迎えの準備をしておく」
ということで、お父様とお母様とお姉様に会うことになった。
「お父様、お母様、お姉様…お久しぶりです?」
お久しぶりというか初めましてだろうか?
「アリスティア!よくやった!」
初めて会うお父様は、上機嫌で僕を抱きしめた。
「えっ…えっと…」
「どこぞの皇子を保護して恩を売ったそうじゃないか!我が息子ながらでかした!」
上機嫌でばしばし僕の背中を叩くお父様。
「この国を飢饉から救ったとも聞いたわ!私は親孝行な息子を持って幸せね!」
初めて会ったお母様から頭を撫でられる。なんでだろう、なんか嬉しくない。
「呪われた黒も、国によっては聖者の色とされるそうだな!本当に役に立つじゃないか!」
なんとなく鬱陶しく思う…けど、せっかく初めて会えた両親にそんな態度あんまりだから、苦笑いに留めた。ちらりとクロヴィス様を見れば、明らかに不愉快そうな表情。シエル様は…無表情になっていた。
「おじさん、おばさん」
シエル様がお父様とお母様に話しかける。
「おお、公爵様の弟君ですな。ご挨拶が遅くなりました。アリスティアの父です」
「あら、ご挨拶が遅くなりました。アリスティアの母です」
お父様とお母様はクロヴィス様とシエル様にご挨拶をする。
「あのさ、そんな汚い感情でアリスティアお兄ちゃんに近寄らないで」
シエル様のはっきりとした拒絶にお父様とお母様は笑顔のまま固まった。
「え…」
「アリスティアお兄ちゃん、こんな人達相手にすることないよ。帰って貰おう?」
「えっと…」
僕は困ってクロヴィス様を見る。クロヴィス様もシエル様に同意らしい。
「アリスも困っているようですし、シエルも嫌がっていますのでご用がなければお帰りいただけますか?アリスへの態度が目に余ります」
「な…公爵様方はなにか勘違いしていらっしゃいます!アリスティアは我々の大切な息子で…」
「嘘つき。アリスティアお兄ちゃんへの愛情なんてないくせに。醜い欲の色しか見えないよ」
「そのようなことは決して…」
うーん…やっぱりお父様とお母様は僕のこと愛してないんだね。シエル様が言うなら間違いない。ちょっとショックだけどまあ、わかってた。
「あ、アリスティアお兄ちゃん、ごめんね!」
シエル様が僕を見て、悲しんでるのが伝わったのかしまったという顔をする。シエル様に気にしないでと笑いかける。一連の流れを黙って見ていたお姉様が、そこで口を開いた。
「…ほら、やっぱりこうなった」
「お姉様?」
「だから言ったでしょ?お父様、お母様。もうやめなさいよ、恥ずかしい」
「な、アナイス!」
お姉様は魔法でお父様とお母様を拘束した。お父様とお母様は何か魔法を使ってもがこうとしていたけど、お姉様に封じ込められている。
「ごめんなさいね、アリスティア。お父様とお母様を一応止めはしたのだけど、貴方に会わないといけないって聞かなくて…責任を持って私が連れ帰るわ。どうせ大した用もないのだし。今まで顔を見たことすらないくせに、恩着せがましく今更親面するとか我が両親ながら本当に気持ち悪いわ」
キッとお姉様が両親に睨みつける。両親はお姉様に魔法でやり込められて小さくなっていた。
「まあ、私は本当にアリスティアに用があったのだけど…私の方も婚約が決まったから、ゆっくり報告したかったのだけど」
「え!?おめでとうございます、お姉様!」
「ふふ、ありがとう。アリスティアは相変わらず優しいわね。さすが私の自慢の弟だわ!この両親から生まれたとは思えないわ」
お姉様はチクチクお父様とお母様を蔑む。
「今度、婚約者を連れて改めて挨拶に来てもいいかしら?今日はとりあえずこのクズたちを連れて帰るわ。迷惑をかけて本当にごめんなさいね」
お姉様はそう言って僕ににっこり笑った。
「お姉様…いつでもお待ちしてます!いいですか?クロヴィス様、シエル様」
「うん、いいよ!このお姉さんアリスティアお兄ちゃんのこと本当に大大大好きだもん!」
「えっ」
「あら、バレてしまったわ。恥ずかしい」
お姉様がそんなに僕のことを気に入ってくれてたなんて知らなかったから、嬉しい!
「お姉様、ありがとうございます!」
「…あ、私こそ失礼してしまったわ。公爵様、私はアナイス・セレスト・カサンドルと申します。アリスティアの姉です。可愛い弟を、これからもどうぞよろしくお願いします」
「これはご丁寧に。クロヴィス・シリル・ドナシアンです。アリスのことはお任せください」
「シエル・マチュー・ドナシアンです!アリスティアお兄ちゃんのお姉さんなんだよね!仲良くしてね!」
「もちろんです。こちらこそ仲良くしてくださいね」
お姉様はクロヴィス様とシエル様に微笑む。
「ということで、とりあえずまた今度婚約者を連れて来るので今日はこの辺で。ごきげんよう。ほら、お父様、お母様、帰るわよ!」
お姉様はお父様とお母様を縛り上げたまま転移魔法で帰っていった。
「アリスティアお兄ちゃん、アナイスお姉さんの婚約者の人紹介してもらうの楽しみだね!アナイスお姉さん、アリスティアお兄ちゃんにはいい感情しかなかったもん!」
「そうだね、とっても楽しみ!まさかお姉様からそんなに愛されてたなんて、びっくりだけど嬉しいなぁ」
「坊ちゃん、よかったですね」
マリスビリーも微笑んでくれる。
「アリス。義姉上を迎える準備をしておくから楽しみに待っていよう」
「はい、クロヴィス様!」
楽しみです!
マリスビリーが走り寄ってくる。どうしたんだろう?
「マリスビリー?どうしたの?」
「坊ちゃん、クロヴィス様、旦那様と奥様がお嬢様を連れて坊ちゃんに会いに来たいとのことです!」
「え…」
お父様とお母様が?お姉様はわかるんだけど…なんで?
「…アリス、ご両親との仲が良いわけじゃないんだよな?」
「は、はい」
「アリスティアお兄ちゃんが最近人気者だから、仲直りしたいのかな」
「そう…なのかなぁ…」
仲直り…というか、ぶっちゃけ初対面…。
「…アリス、断るか?」
「えっと…いえ、もしかして何か大切な用があるかもしれませんしクロヴィス様がいいなら…」
「わかった。なら、出迎えの準備をしておく」
ということで、お父様とお母様とお姉様に会うことになった。
「お父様、お母様、お姉様…お久しぶりです?」
お久しぶりというか初めましてだろうか?
「アリスティア!よくやった!」
初めて会うお父様は、上機嫌で僕を抱きしめた。
「えっ…えっと…」
「どこぞの皇子を保護して恩を売ったそうじゃないか!我が息子ながらでかした!」
上機嫌でばしばし僕の背中を叩くお父様。
「この国を飢饉から救ったとも聞いたわ!私は親孝行な息子を持って幸せね!」
初めて会ったお母様から頭を撫でられる。なんでだろう、なんか嬉しくない。
「呪われた黒も、国によっては聖者の色とされるそうだな!本当に役に立つじゃないか!」
なんとなく鬱陶しく思う…けど、せっかく初めて会えた両親にそんな態度あんまりだから、苦笑いに留めた。ちらりとクロヴィス様を見れば、明らかに不愉快そうな表情。シエル様は…無表情になっていた。
「おじさん、おばさん」
シエル様がお父様とお母様に話しかける。
「おお、公爵様の弟君ですな。ご挨拶が遅くなりました。アリスティアの父です」
「あら、ご挨拶が遅くなりました。アリスティアの母です」
お父様とお母様はクロヴィス様とシエル様にご挨拶をする。
「あのさ、そんな汚い感情でアリスティアお兄ちゃんに近寄らないで」
シエル様のはっきりとした拒絶にお父様とお母様は笑顔のまま固まった。
「え…」
「アリスティアお兄ちゃん、こんな人達相手にすることないよ。帰って貰おう?」
「えっと…」
僕は困ってクロヴィス様を見る。クロヴィス様もシエル様に同意らしい。
「アリスも困っているようですし、シエルも嫌がっていますのでご用がなければお帰りいただけますか?アリスへの態度が目に余ります」
「な…公爵様方はなにか勘違いしていらっしゃいます!アリスティアは我々の大切な息子で…」
「嘘つき。アリスティアお兄ちゃんへの愛情なんてないくせに。醜い欲の色しか見えないよ」
「そのようなことは決して…」
うーん…やっぱりお父様とお母様は僕のこと愛してないんだね。シエル様が言うなら間違いない。ちょっとショックだけどまあ、わかってた。
「あ、アリスティアお兄ちゃん、ごめんね!」
シエル様が僕を見て、悲しんでるのが伝わったのかしまったという顔をする。シエル様に気にしないでと笑いかける。一連の流れを黙って見ていたお姉様が、そこで口を開いた。
「…ほら、やっぱりこうなった」
「お姉様?」
「だから言ったでしょ?お父様、お母様。もうやめなさいよ、恥ずかしい」
「な、アナイス!」
お姉様は魔法でお父様とお母様を拘束した。お父様とお母様は何か魔法を使ってもがこうとしていたけど、お姉様に封じ込められている。
「ごめんなさいね、アリスティア。お父様とお母様を一応止めはしたのだけど、貴方に会わないといけないって聞かなくて…責任を持って私が連れ帰るわ。どうせ大した用もないのだし。今まで顔を見たことすらないくせに、恩着せがましく今更親面するとか我が両親ながら本当に気持ち悪いわ」
キッとお姉様が両親に睨みつける。両親はお姉様に魔法でやり込められて小さくなっていた。
「まあ、私は本当にアリスティアに用があったのだけど…私の方も婚約が決まったから、ゆっくり報告したかったのだけど」
「え!?おめでとうございます、お姉様!」
「ふふ、ありがとう。アリスティアは相変わらず優しいわね。さすが私の自慢の弟だわ!この両親から生まれたとは思えないわ」
お姉様はチクチクお父様とお母様を蔑む。
「今度、婚約者を連れて改めて挨拶に来てもいいかしら?今日はとりあえずこのクズたちを連れて帰るわ。迷惑をかけて本当にごめんなさいね」
お姉様はそう言って僕ににっこり笑った。
「お姉様…いつでもお待ちしてます!いいですか?クロヴィス様、シエル様」
「うん、いいよ!このお姉さんアリスティアお兄ちゃんのこと本当に大大大好きだもん!」
「えっ」
「あら、バレてしまったわ。恥ずかしい」
お姉様がそんなに僕のことを気に入ってくれてたなんて知らなかったから、嬉しい!
「お姉様、ありがとうございます!」
「…あ、私こそ失礼してしまったわ。公爵様、私はアナイス・セレスト・カサンドルと申します。アリスティアの姉です。可愛い弟を、これからもどうぞよろしくお願いします」
「これはご丁寧に。クロヴィス・シリル・ドナシアンです。アリスのことはお任せください」
「シエル・マチュー・ドナシアンです!アリスティアお兄ちゃんのお姉さんなんだよね!仲良くしてね!」
「もちろんです。こちらこそ仲良くしてくださいね」
お姉様はクロヴィス様とシエル様に微笑む。
「ということで、とりあえずまた今度婚約者を連れて来るので今日はこの辺で。ごきげんよう。ほら、お父様、お母様、帰るわよ!」
お姉様はお父様とお母様を縛り上げたまま転移魔法で帰っていった。
「アリスティアお兄ちゃん、アナイスお姉さんの婚約者の人紹介してもらうの楽しみだね!アナイスお姉さん、アリスティアお兄ちゃんにはいい感情しかなかったもん!」
「そうだね、とっても楽しみ!まさかお姉様からそんなに愛されてたなんて、びっくりだけど嬉しいなぁ」
「坊ちゃん、よかったですね」
マリスビリーも微笑んでくれる。
「アリス。義姉上を迎える準備をしておくから楽しみに待っていよう」
「はい、クロヴィス様!」
楽しみです!
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