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黒の少年に告白した
「あの、クロヴィス様」
「なんだ?」
むすっとしてしまう。大人気ない。
「その…ヤキモチを妬いてくれたんですか?」
「…ああ、そうだ」
かっこ悪いが、確かにこれはヤキモチだ。
「えっと…嬉しいです」
「え?」
「クロヴィス様にヤキモチ妬いて貰えて、僕すごく嬉しいです」
ニヤニヤしながらそう言うアリス。私は顔が真っ赤になる。
「…私にヤキモチを妬かれて嬉しい、のか?」
「はい!」
「…ああもう!」
私は頭を強く振る。思わずこの場で抱きしめたい衝動に駆られたからだ。告白して、想いが通じあってからでなければ。…そう。告白して。
「…アリス、いい加減私も覚悟を決める」
「クロヴィス様?」
「アリス、君が好きだ」
アリスが固まった。
「…えっと?」
「恋愛感情、という意味で」
「え、え?」
「君の気持ちを聞かせて欲しい」
アリスは顔が真っ赤になる。アリスはパニックになった様子で、その場から逃げ出した。
「く、クロヴィス様、僕ちょっと頭を冷やして来ます!」
「…アリスっ!」
追いかけたかったが、足が動かなかった。
「あーあ。お兄様、やっちゃった」
「何もこんなところで公開告白なさらなくてもよろしいですのに」
「悪手でしたね」
口々に責められてぐうの音も出ない。
「やってしまった…」
「アリスティアお兄ちゃん大丈夫かな」
「おそらくマリスビリーがいれば大丈夫ですよ」
義姉上は平然と言い放つ。
「とはいえ。アリスティアはあれで繊細な子ですから、混乱させるようなことはしないで欲しかったですけど」
「感情の色に喜びも混じってたからまあ百パーセントギルティとは言わないけどさぁ。お兄様もう少し冷静になれなかった?」
「は、初めて恋を自覚して…冷静でいられなかった」
義姉上達はぎょっとする。
「…まさかクロヴィス様、その見た目で初恋とか言いませんわよね?さぞモテモテでしょう?」
「…初恋です」
義姉上は頭を抱えた。
「焚きつけた私も悪かったですわ…申し訳ございません。てっきり百戦錬磨のつわものかと…」
「ハニー、その言い方はさすがにクロヴィス様もプライドとか色々傷つくから。ね?」
「あら。重ね重ね申し訳ございません」
「いえ…おかげさまでアリスへの気持ちを認めざるをえなくなりましたし。進展させるにはいい機会をもらいました。ただ、私が暴走してアリスを混乱させてしまったのは本当に申し訳ないのですが…」
アリスを好きだと認識したせいか、冷静になれなかった。恋とはこうもままならないものなのか。
「恋は、難しいですね」
「それはそうだよ、お兄様。お兄様ちょっと怖いくらいアリスティアお兄ちゃんのこと好きだもん。それをいきなりぶつけたら誰だって逃げるよ」
「え」
「お兄様って執着心強いんだね」
シエルに言われてなんとも情けなくて頭を抱える。
「つくづく申し訳ない…」
「ま、まあ、その方が却って弟を幸せにできそうですわ!」
「そ、そうですね。貴殿がそこまで執着心の塊だとはちょっと驚きましたが良いことではありませんか!浮気の心配もありませんし!」
シエルの言葉で義姉上達は若干引き気味だ。
「あ、でも。あの子を過度に束縛したりはしないでくださいね。あの子を幸せにできないなら返してもらいますから」
「…承知した。肝に命じます」
「とはいえ、ここからどう挽回しましょうか。マリスビリーという彼がある程度フォローしてくれているといいのですが」
「ダーリン。マリスビリーはアリスティアの幼馴染のようなものだし、あれで気は効くから心配いらないわ。あとはこっちのフォロー次第よ」
義姉上のどストレートな言葉に落ち込む。私は幼馴染以下か。
「…クロヴィス様」
「はい」
「こうなったらもう、逆に押せ押せで行っちゃいましょう!」
「え」
思わぬ言葉に固まる。
「だって、あの子の心のケアはマリスビリーに任せておけば大丈夫だし。あんな大胆な告白をしていきなりまた前までの態度に戻ったらあの子が余計に不安になるし。もう、こうなると押していくしか選択肢がないわ!」
「あー、アリスティアお兄ちゃんもコロコロ態度変わられたら不安に思うよね。お兄様、頑張ってアタックし続けてみよう!」
「もうそれしかありませんね。そうだ、女性の間で今流行っているラブロマンス小説を参考にしてみるとか。…いや、時間もないしアリスティア様は男性だしな」
「いやでもそれもアリかも」
そのままの流れでわちゃわちゃと、アリスに押せ押せで迫るという作戦の会議が開かれる。
「今流行りといえばアレだよね!壁ドン!」
シエルが無邪気な笑顔でものすごく勇気のいる作戦を提案してくる。
「そうね!壁ドンはいいかも。アリスティアもきっとときめくわ!」
「か、壁ドン…」
私に出来るだろうか。むしろその後、抑えが効くだろうか。
「あとは…優しいキスとかでしょうか。もちろん、唇は想いが通じあってからとして…頬とか手とか髪とか」
「まあそれもアリよね。どうせなら壁ドンした上でそれとか良くない?」
「わあ!かっこいいね!お兄様、やってみてよ!絶対アリスティアお兄ちゃん喜ぶよ!」
シエルは無邪気にはしゃぐが、そんなに上手く行くだろうか?さっきの告白も失敗したのに…とはいえ自分では妙案はない。アドバイスに従うべきだろうか?
「あとは…色っぽく耳元で囁くとか?」
「大人っぽーい!かっこいい!」
「壁ドン状態でそれなら逃げようもないし、いいかもしれませんね」
「アリスティアもおそらくはクロヴィス様とちゃんと向き合うつもりで戻って来るでしょうから、あの子にとってもクロヴィス様の本気が伝わっていいんじゃないかしら」
ということで、結局は作戦全部決行出来るならやってしまえという結論に至った。そこまでやって、俺の理性は保つだろうか。頑張って保たせよう。
「…マリスビリー、遅いわね。そろそろアリスティアを連れてくる頃だと思うのだけど」
「そろそろ帰ってくると思うよ!」
「クロヴィス様、頑張ってくださいね。上手くいけばラブラブカップルの成立ですよ」
「煽らないでください…!」
緊張する。けれど、ここまで来たら頑張って振り向かせる他ない。そしてマリスビリーがアリスを連れて戻ってきた。アリスは、すごく真剣な緊張した表情でこちらに向かって歩いてくる。目を合わせると一瞬真っ赤になって俯いたが、もう一度目を合わせて微笑んでくれた。
「なんだ?」
むすっとしてしまう。大人気ない。
「その…ヤキモチを妬いてくれたんですか?」
「…ああ、そうだ」
かっこ悪いが、確かにこれはヤキモチだ。
「えっと…嬉しいです」
「え?」
「クロヴィス様にヤキモチ妬いて貰えて、僕すごく嬉しいです」
ニヤニヤしながらそう言うアリス。私は顔が真っ赤になる。
「…私にヤキモチを妬かれて嬉しい、のか?」
「はい!」
「…ああもう!」
私は頭を強く振る。思わずこの場で抱きしめたい衝動に駆られたからだ。告白して、想いが通じあってからでなければ。…そう。告白して。
「…アリス、いい加減私も覚悟を決める」
「クロヴィス様?」
「アリス、君が好きだ」
アリスが固まった。
「…えっと?」
「恋愛感情、という意味で」
「え、え?」
「君の気持ちを聞かせて欲しい」
アリスは顔が真っ赤になる。アリスはパニックになった様子で、その場から逃げ出した。
「く、クロヴィス様、僕ちょっと頭を冷やして来ます!」
「…アリスっ!」
追いかけたかったが、足が動かなかった。
「あーあ。お兄様、やっちゃった」
「何もこんなところで公開告白なさらなくてもよろしいですのに」
「悪手でしたね」
口々に責められてぐうの音も出ない。
「やってしまった…」
「アリスティアお兄ちゃん大丈夫かな」
「おそらくマリスビリーがいれば大丈夫ですよ」
義姉上は平然と言い放つ。
「とはいえ。アリスティアはあれで繊細な子ですから、混乱させるようなことはしないで欲しかったですけど」
「感情の色に喜びも混じってたからまあ百パーセントギルティとは言わないけどさぁ。お兄様もう少し冷静になれなかった?」
「は、初めて恋を自覚して…冷静でいられなかった」
義姉上達はぎょっとする。
「…まさかクロヴィス様、その見た目で初恋とか言いませんわよね?さぞモテモテでしょう?」
「…初恋です」
義姉上は頭を抱えた。
「焚きつけた私も悪かったですわ…申し訳ございません。てっきり百戦錬磨のつわものかと…」
「ハニー、その言い方はさすがにクロヴィス様もプライドとか色々傷つくから。ね?」
「あら。重ね重ね申し訳ございません」
「いえ…おかげさまでアリスへの気持ちを認めざるをえなくなりましたし。進展させるにはいい機会をもらいました。ただ、私が暴走してアリスを混乱させてしまったのは本当に申し訳ないのですが…」
アリスを好きだと認識したせいか、冷静になれなかった。恋とはこうもままならないものなのか。
「恋は、難しいですね」
「それはそうだよ、お兄様。お兄様ちょっと怖いくらいアリスティアお兄ちゃんのこと好きだもん。それをいきなりぶつけたら誰だって逃げるよ」
「え」
「お兄様って執着心強いんだね」
シエルに言われてなんとも情けなくて頭を抱える。
「つくづく申し訳ない…」
「ま、まあ、その方が却って弟を幸せにできそうですわ!」
「そ、そうですね。貴殿がそこまで執着心の塊だとはちょっと驚きましたが良いことではありませんか!浮気の心配もありませんし!」
シエルの言葉で義姉上達は若干引き気味だ。
「あ、でも。あの子を過度に束縛したりはしないでくださいね。あの子を幸せにできないなら返してもらいますから」
「…承知した。肝に命じます」
「とはいえ、ここからどう挽回しましょうか。マリスビリーという彼がある程度フォローしてくれているといいのですが」
「ダーリン。マリスビリーはアリスティアの幼馴染のようなものだし、あれで気は効くから心配いらないわ。あとはこっちのフォロー次第よ」
義姉上のどストレートな言葉に落ち込む。私は幼馴染以下か。
「…クロヴィス様」
「はい」
「こうなったらもう、逆に押せ押せで行っちゃいましょう!」
「え」
思わぬ言葉に固まる。
「だって、あの子の心のケアはマリスビリーに任せておけば大丈夫だし。あんな大胆な告白をしていきなりまた前までの態度に戻ったらあの子が余計に不安になるし。もう、こうなると押していくしか選択肢がないわ!」
「あー、アリスティアお兄ちゃんもコロコロ態度変わられたら不安に思うよね。お兄様、頑張ってアタックし続けてみよう!」
「もうそれしかありませんね。そうだ、女性の間で今流行っているラブロマンス小説を参考にしてみるとか。…いや、時間もないしアリスティア様は男性だしな」
「いやでもそれもアリかも」
そのままの流れでわちゃわちゃと、アリスに押せ押せで迫るという作戦の会議が開かれる。
「今流行りといえばアレだよね!壁ドン!」
シエルが無邪気な笑顔でものすごく勇気のいる作戦を提案してくる。
「そうね!壁ドンはいいかも。アリスティアもきっとときめくわ!」
「か、壁ドン…」
私に出来るだろうか。むしろその後、抑えが効くだろうか。
「あとは…優しいキスとかでしょうか。もちろん、唇は想いが通じあってからとして…頬とか手とか髪とか」
「まあそれもアリよね。どうせなら壁ドンした上でそれとか良くない?」
「わあ!かっこいいね!お兄様、やってみてよ!絶対アリスティアお兄ちゃん喜ぶよ!」
シエルは無邪気にはしゃぐが、そんなに上手く行くだろうか?さっきの告白も失敗したのに…とはいえ自分では妙案はない。アドバイスに従うべきだろうか?
「あとは…色っぽく耳元で囁くとか?」
「大人っぽーい!かっこいい!」
「壁ドン状態でそれなら逃げようもないし、いいかもしれませんね」
「アリスティアもおそらくはクロヴィス様とちゃんと向き合うつもりで戻って来るでしょうから、あの子にとってもクロヴィス様の本気が伝わっていいんじゃないかしら」
ということで、結局は作戦全部決行出来るならやってしまえという結論に至った。そこまでやって、俺の理性は保つだろうか。頑張って保たせよう。
「…マリスビリー、遅いわね。そろそろアリスティアを連れてくる頃だと思うのだけど」
「そろそろ帰ってくると思うよ!」
「クロヴィス様、頑張ってくださいね。上手くいけばラブラブカップルの成立ですよ」
「煽らないでください…!」
緊張する。けれど、ここまで来たら頑張って振り向かせる他ない。そしてマリスビリーがアリスを連れて戻ってきた。アリスは、すごく真剣な緊張した表情でこちらに向かって歩いてくる。目を合わせると一瞬真っ赤になって俯いたが、もう一度目を合わせて微笑んでくれた。
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