宮廷魔術師の家系に生まれて占いが得意になったので宮廷占い師になったら、何故かイケメンに囲まれてます!(旧、僕らの可愛いお姫様)

下菊みこと

文字の大きさ
12 / 21

ウィスタリア王子の目標

しおりを挟む
「ウィスタリア殿下は、教皇になったら何をなさりたいのですか?」

「え?」

教皇になったら何をしたいか。考えたこともなかった。

「好きで教皇になるわけじゃないから…今のところは特になにもないかな」

そもそも教皇になると自由に動くことは難しいだろう。色々制限ばかりが掛かる。

「え?でも、教皇って誰でもなれるわけじゃないですよね?せっかく教皇になれるんですから何か目標がある方がいいですよ!」

…。まあ、確かにそれも一理ある。自分は『ウィスタリア』という名前も、何れ教皇になるという立場も、煩わしく思う。神祖という亡霊が自分に引っ付いて離れない感覚が、堪らなく嫌だった。しかも、自分は所謂先祖返り。藍色の髪も、赤い瞳も、神祖ウィスタリアの生まれ変わりではないかと言われる。そんなことを言われて喜ぶはずがないのに。…でも、一方で一つ上の兄は教皇になる自分を羨む。人から嫉妬されるほど恵まれているのも確か。ならば、教皇になる以上なにか目標はあった方が楽しいかもしれない。

「目標かぁ…うーん…プリュネちゃんはなにがいいと思う?」

「もし思いつかないなら、言霊タロットで占ってみますか?」

「言霊タロット?」

「はい。普通のタロットとは違って、言葉が書いてあって、それで占うんです」

「なるほど。いいね、面白そう!」

ウィスタリアはあくまでもエンターテイメントとして占いを楽しむつもりだが、プリュネは真剣そのものなのでちょっとだけ他の人に占ってもらう時よりわくわくする。

「…では、ここから一枚選んでください」

「じゃあ、これ」

「自己実現のカードが出ました」

「自己実現?…へー」

神祖ウィスタリアにぴったりと張り付かれた自分の、今後の目標には確かに良いかもしれない。教皇という立場がそれを許してくれるとは思えないが。

「あはは。ありがとう、プリュネちゃん。それなりに頑張ってみるよ」

「はい!ウィスタリア様らしい教皇像を是非打ち立ててくださいませ!」

「?俺らしい教皇像?」

「はい。教皇になったら自己実現されるのでしょう?」

「へー、なるほど。プライベートではなく教皇として自己実現。あはは、なんだそれ!…でも、面白そう」

今後の自分の人生は教皇の枠に押し込められるモノだと思っていたけど、怒られない範囲で好き勝手するくらいは出来るかも知れない。例えば、今の趣味は孤児院の子供達の遊び相手だが、それを教皇になった後も続けるのはどうだろう。そのくらいならいいんじゃないだろうか?他にも前例はなくとも、許されることはいくつもあるかもしれない。まだ、人生を諦めなくてもいいかもしれない。

「…ありがとう、プリュネちゃん。俺、本当に頑張るよ」

「はい!応援してます!」

ああ、なるほど。アンディーが気に入るわけだ。素直で純粋で、こんなに可愛らしい。アンディーのお気に入りじゃなければちょっかいをかけているところだ。

「それにしてもお菓子美味しいですね」

「本当だね」

二人きりで会話する機会なんてこれから先そうそうないわけだし、今のうちに楽しんでおこう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

ストーカーから逃げ切ったつもりが、今度はヤンデレ騎士団に追われています。

由汰のらん
恋愛
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。 さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった! しかしハルの血が特殊だと知った騎士はハルを連れ帰って? いっそ美味しい血と癒しを与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

理想の男性(ヒト)は、お祖父さま

たつみ
恋愛
月代結奈は、ある日突然、見知らぬ場所に立っていた。 そこで行われていたのは「正妃選びの儀」正妃に側室? 王太子はまったく好みじゃない。 彼女は「これは夢だ」と思い、とっとと「正妃」を辞退してその場から去る。 彼女が思いこんだ「夢設定」の流れの中、帰った屋敷は超アウェイ。 そんな中、現れたまさしく「理想の男性」なんと、それは彼女のお祖父さまだった! 彼女を正妃にするのを諦めない王太子と側近魔術師サイラスの企み。 そんな2人から彼女守ろうとする理想の男性、お祖父さま。 恋愛よりも家族愛を優先する彼女の日常に否応なく訪れる試練。 この世界で彼女がくだす決断と、肝心な恋愛の結末は?  ◇◇◇◇◇設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。 本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。 R-Kingdom_1 他サイトでも掲載しています。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

(本編完結)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?

水無月あん
恋愛
本編は完結してます。8/6より、番外編はじめました。よろしくお願いいたします。 私は、公爵令嬢のアリス。ピンク頭の女性を腕にぶら下げたルイス殿下に、婚約解消を告げられました。美形だけれど、無表情の婚約者が苦手だったので、婚約解消はありがたい! はれて自由の身になれて、うれしい! なのに、なぜ、近づいてくるんですか? 私に興味なかったですよね? 無表情すぎる、美形王子の本心は? こじらせ、ヤンデレ、執着っぽいものをつめた、ゆるゆるっとした設定です。お気軽に楽しんでいただければ、嬉しいです。

処理中です...