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悪役令嬢に転生したのですが、腹違いの妹(ヒロイン)が可愛くて(可哀想は可愛い)仕方がないので断罪されるまでの間愛でます!!!
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悪役令嬢に転生した。
天涯孤独だった前世、孤児として育った私は成長して施設を出た後ブラック企業に捕まり体を壊すまで働いてそのまま御陀仏。
気がつけば母の腹の中。
ああ、今世は両親は揃っているのかと安心して腹の中ですくすく育ち、この異世界に生を受けた。
そして成長して五歳の誕生日を迎えた今日気付いた。
「同人乙女ゲームの悪役令嬢クロエに転生しとる…」
多分、間違いなくそう。
両親も私も、周りを見てもそうとしか思えない。
この同人乙女ゲームはヒロインが悪役令嬢である私の腹違いの妹で、そろそろ母を亡くし父に引き取られる頃。
ヒロインは可哀想な子だ。
腹違いの姉…私にいじめられて、義母である私の母に虐待を受けて、父にも無視されて育つ。
「原作と違うのは、今のところ私の立ち位置くらいか」
同人乙女ゲームの設定通りに今のところ進んでいそうな雰囲気だが、一つだけ違うところがある。
それは悪役令嬢クロエこと私が、前世の記憶を持つこと。
その前世の記憶のおかげで、妙に大人びた子供とは思えないほどの知識量の優秀な跡取り娘となった私は両親からそれはもう期待されて愛されている。
原作では、クロエはクロエで見限られていて政略結婚に使えればいいやみたいな立ち位置だったのだけど…それは変わった。
ヒロインは原作では素敵な貴公子たちと恋をして、虐げてくる義母と姉を断罪して貴公子たちを婿養子に迎えて幸せになるのだけど…このままだと私が跡取りとなって婿を取ることになりそうだから、ヒロインがどうなるかわからない。
「まあ、そもそも物語の強制力とかがあればどの道私は断罪されるんだけど」
さて、どう転ぶかなと思いつつヒロインが引き取られるのを待つ。
ヒロインが我が家に引き取られた。
名前はレイチェル。
可愛らしい女の子でまだ五歳だ。
そう、私と同い年。
誕生月が私の方が早いから、私の方がお姉ちゃんなのだけど。
「あなた!浮気して外に子供を作るなんて何を考えてるの!ちゃんと避妊してくださいな!」
「すまなかった!だがこの子を見捨てれば外野から何と言われるか…」
「わかっていますわ!育てます!育てますが厳しくしますからね!」
「すまなかった!もう二度としない!」
「当たり前ですわ!」
子供の前でこの喧嘩…世も末か。
まあいいやと五歳の妹を見れば、可哀想に萎縮している。
自分がこの家にとって邪魔者なのを自覚しているのだろう。
さすがヒロイン、聡明な子だ。
そして、可哀想な子だ。
なんと哀れなことだろう。
可哀想は可愛い。
いずれ物語の強制力で立場が逆転するとしても、今は…可哀想なこの子に、私が施すべきだろう。
「レイチェル」
「は、はいお姉様…」
「手を出して」
「え、はい」
「チョコレートよ。美味しいから食べてごらんなさい」
レイチェルは元々は貧しい生まれだ。
初めて食べるお菓子。
目を輝かせて一口食べてみる。
チョコレートをゆっくり味わった後、すごく嬉しそうに笑った。
「美味しい!」
「でしょう?まだまだいっぱいあるけど、もっといる?」
「いいんですか?!」
「もちろんよ。さあ、おいで。あちらでゆっくり食べましょう」
「お姉様、ありがとう!」
私は可哀想で可愛らしい妹を溺愛することにした。
妹を溺愛するにしてもどうするかなと悩んだが、とりあえず猫可愛がりすることにした。
美味しいお菓子をたらふく食べさせて、その美しさに磨きがかかるようにありとあらゆる美容器具や化粧水などで身体や顔をケアして、私のお小遣いからたくさんの可愛らしいドレスや宝飾品を買い与え、結局家庭教師すらつけられなかった妹に私が優しく丁寧にお勉強を教える。
そうするとレイチェルはみるみるうちに完璧な令嬢へと変わり、私に次ぐくらいには優秀になった。
美しさはまあ、私も悪役令嬢なのでそれなりに美しいがレイチェルの可愛さには敵わない。
とまあ、そんな感じだったのだけど。
「クロエ、どうしてあんな娘を可愛がるのですか」
「お言葉ですがお母様、あれは私の妹ですもの。可愛がって当然です」
「ですが…あの娘、どうも貴女を慕ってはいない様子ですよ」
「ああ…」
私は一方的に愛情をレイチェルに押し付けて、レイチェルを私に次ぐ完璧な淑女にした。
だがレイチェルは、そんな私を慕うそぶりは見せない…が、そんなことはどうでもいい。
「慕われなくてはいけないというものでもありません。それよりお母様」
「…なんです」
「あの子をいじめないでくれて、ありがとう」
そう、ここで原作改変がさらに進んだ。
まずレイチェルが貴公子たちと触れ合う前から完璧な淑女になったこと。
そして母がレイチェルをいじめなかったこと。
無視は決め込んでいるが、虐待はしなかった。
「…我が家の優秀な跡取り娘が可愛がるのですから、私もそんなことはできません」
「さすがお母様!」
ぎゅっと母に抱きつく。
母は愛おしそうに私を抱きしめ返してくれた。
これだけで、転生した甲斐があるというもの。
せめて断罪されるかもしれないその日まで、私は父と母にたっぷり甘えよう…前世の分まで。
その後父とも同じようなやりとりをしたが、やはり最後は私を抱きしめてくれた。
―…それを嫉妬に濡れた目で見つめてくる妹には気づかなかった。
私はもちろん妹も完璧な淑女になって、私たちはそれぞれ十歳になった。
妹はヒロインなので勉強の吸収は早く、知識チートでカバーした私とは違って努力でこの歳で完璧な淑女になったのだから偉い。
そして私は婚約者が今日決まった。
これはこれで原作改変だ。
乙女ゲームの設定では、貴族学園に通うまでレイチェルにもクロエにも婚約者は決まっていなかった。
しかも驚いたのは、メイン攻略対象だった第三王子殿下が跡取り娘となる私の婿に来る婚約となったこと。
「お初にお目にかかります、クロエと申します」
「初めまして、今日から君の婚約者となるノアだ。よろしく頼む」
初対面ではお互い悪い印象は無く、楽しく過ごせた。
この王子も第三王子だからいずれ臣籍降下することは決まっていたが、それが惜しまれるほど優秀な人でもあった。
もちろん王太子殿下や第二王子殿下もすごく優秀だから臣籍降下して困ることはないけれど。
だからか話も合うし、本当に楽しい時間であった。
彼に早くも惹かれていく自分を自覚した。
そして彼も、勘違いでなければ同じように私を気に入ってくれている…気がした。
―…そんな私たちをみて、憎悪に濡れた瞳を向ける妹には気づかなかった。
順調にノア様と仲を深めていったある日のことだった。
「ノア様!お姉様なんかより私とお茶をしませんか?」
完璧な淑女に育てたはずの妹は、そんな恥知らずなことを言い出した。
慌てる私に、ノア様はにこりと笑いかけてくれる。
大丈夫だと、安心させてくれる笑みだった。
「お誘いは光栄だけど、僕は愛おしいクロエとの時間の方が大事なんだ。ごめんね」
その言葉にホッとしてしまう私は、悪い姉だろうか。
その時、妹が突然泣き出した。
振られたのがそんなにショックだったのかと駆け寄って背中を摩る。
「どうして…」
「え?」
「どうしてお姉様ばっかり、みんなに愛されるの!」
…ああ、私が原作改変したせいかとわかった。
原作ではレイチェルは、義母と姉に虐待されても耐え抜いていた。
そこで心を強く持てる子だった。
でもそれは、義母は父に浮気されるような女で姉は両親から愛されていなかったから「可哀想な人たち」と思うことで耐えられたのかもしれない。
今の私は両親からも婚約者からも愛されていて、母も父と再構築し始めているようだから…心を強く持つことができなくなったのかも。
でもね。
「レイチェルは、誰にも愛されていないと考えているの?」
「だって実際そうじゃない!」
「でも、お姉様はレイチェルが可愛くて仕方がないわ」
「え?」
だって、可哀想なものは可愛い。
レイチェルはいつだって可愛い。
完璧な淑女に育てた今、可哀想ではない境遇になった彼女すら今は愛おしい。
「レイチェルには私の愛が伝わらなかった?」
「それは…」
「可愛くて可愛くて仕方がない妹なのよ。愛しているのよ」
「…お姉様」
レイチェルをギュッと抱きしめると、レイチェルは声をわんわん上げてさらに泣く。
そんな妹をよしよしと慰める私に、レイチェルは泣き止んだ後懐き出した。
「お姉様」
「うん?」
「本当に私のこと好き?」
「好きよ」
「お姉様、ごめんなさい。大好き」
そんな妹が、ますます可愛くなった。
「ノア様!あんまりお姉様を独占しないでください!」
「なんでさ。僕の婚約者だよ」
「私のお姉様でもあります!」
さらに歳を重ねて十六歳。
貴族学園一年生になった私たちは、三人でわちゃわちゃして過ごしている。
ノア様とレイチェルが私のことを取り合うのは最早いつもの光景だ。
ノア様は元々私に好意的だったけど、レイチェルが泣き出したのを慰めていたあの日私に惚れ直したと言って私をさらに大切にしてくれるようになった。
レイチェルはレイチェルであの日以降私への懐き度が半端じゃないので、まあ仕方がない。
「お姉様、私と一緒にお茶会にしましょう?」
「いや、僕とデートに行こう」
「ふふ、じゃあ間をとって三人でお茶会にしましょうか」
こうして三人でわちゃわちゃするのも悪くない。
結局物語の強制力とかはなく、三人で仲良く出来ているし。
妹を可愛がって本当によかった。
「レイチェル、ノア様、大好きです」
「私もお姉様が大好きです!」
「僕もクロエが大好きだよ」
出来ればレイチェルにもはやくいい人が見つかるといいのですが…それはまた先のお話になりそうです。
天涯孤独だった前世、孤児として育った私は成長して施設を出た後ブラック企業に捕まり体を壊すまで働いてそのまま御陀仏。
気がつけば母の腹の中。
ああ、今世は両親は揃っているのかと安心して腹の中ですくすく育ち、この異世界に生を受けた。
そして成長して五歳の誕生日を迎えた今日気付いた。
「同人乙女ゲームの悪役令嬢クロエに転生しとる…」
多分、間違いなくそう。
両親も私も、周りを見てもそうとしか思えない。
この同人乙女ゲームはヒロインが悪役令嬢である私の腹違いの妹で、そろそろ母を亡くし父に引き取られる頃。
ヒロインは可哀想な子だ。
腹違いの姉…私にいじめられて、義母である私の母に虐待を受けて、父にも無視されて育つ。
「原作と違うのは、今のところ私の立ち位置くらいか」
同人乙女ゲームの設定通りに今のところ進んでいそうな雰囲気だが、一つだけ違うところがある。
それは悪役令嬢クロエこと私が、前世の記憶を持つこと。
その前世の記憶のおかげで、妙に大人びた子供とは思えないほどの知識量の優秀な跡取り娘となった私は両親からそれはもう期待されて愛されている。
原作では、クロエはクロエで見限られていて政略結婚に使えればいいやみたいな立ち位置だったのだけど…それは変わった。
ヒロインは原作では素敵な貴公子たちと恋をして、虐げてくる義母と姉を断罪して貴公子たちを婿養子に迎えて幸せになるのだけど…このままだと私が跡取りとなって婿を取ることになりそうだから、ヒロインがどうなるかわからない。
「まあ、そもそも物語の強制力とかがあればどの道私は断罪されるんだけど」
さて、どう転ぶかなと思いつつヒロインが引き取られるのを待つ。
ヒロインが我が家に引き取られた。
名前はレイチェル。
可愛らしい女の子でまだ五歳だ。
そう、私と同い年。
誕生月が私の方が早いから、私の方がお姉ちゃんなのだけど。
「あなた!浮気して外に子供を作るなんて何を考えてるの!ちゃんと避妊してくださいな!」
「すまなかった!だがこの子を見捨てれば外野から何と言われるか…」
「わかっていますわ!育てます!育てますが厳しくしますからね!」
「すまなかった!もう二度としない!」
「当たり前ですわ!」
子供の前でこの喧嘩…世も末か。
まあいいやと五歳の妹を見れば、可哀想に萎縮している。
自分がこの家にとって邪魔者なのを自覚しているのだろう。
さすがヒロイン、聡明な子だ。
そして、可哀想な子だ。
なんと哀れなことだろう。
可哀想は可愛い。
いずれ物語の強制力で立場が逆転するとしても、今は…可哀想なこの子に、私が施すべきだろう。
「レイチェル」
「は、はいお姉様…」
「手を出して」
「え、はい」
「チョコレートよ。美味しいから食べてごらんなさい」
レイチェルは元々は貧しい生まれだ。
初めて食べるお菓子。
目を輝かせて一口食べてみる。
チョコレートをゆっくり味わった後、すごく嬉しそうに笑った。
「美味しい!」
「でしょう?まだまだいっぱいあるけど、もっといる?」
「いいんですか?!」
「もちろんよ。さあ、おいで。あちらでゆっくり食べましょう」
「お姉様、ありがとう!」
私は可哀想で可愛らしい妹を溺愛することにした。
妹を溺愛するにしてもどうするかなと悩んだが、とりあえず猫可愛がりすることにした。
美味しいお菓子をたらふく食べさせて、その美しさに磨きがかかるようにありとあらゆる美容器具や化粧水などで身体や顔をケアして、私のお小遣いからたくさんの可愛らしいドレスや宝飾品を買い与え、結局家庭教師すらつけられなかった妹に私が優しく丁寧にお勉強を教える。
そうするとレイチェルはみるみるうちに完璧な令嬢へと変わり、私に次ぐくらいには優秀になった。
美しさはまあ、私も悪役令嬢なのでそれなりに美しいがレイチェルの可愛さには敵わない。
とまあ、そんな感じだったのだけど。
「クロエ、どうしてあんな娘を可愛がるのですか」
「お言葉ですがお母様、あれは私の妹ですもの。可愛がって当然です」
「ですが…あの娘、どうも貴女を慕ってはいない様子ですよ」
「ああ…」
私は一方的に愛情をレイチェルに押し付けて、レイチェルを私に次ぐ完璧な淑女にした。
だがレイチェルは、そんな私を慕うそぶりは見せない…が、そんなことはどうでもいい。
「慕われなくてはいけないというものでもありません。それよりお母様」
「…なんです」
「あの子をいじめないでくれて、ありがとう」
そう、ここで原作改変がさらに進んだ。
まずレイチェルが貴公子たちと触れ合う前から完璧な淑女になったこと。
そして母がレイチェルをいじめなかったこと。
無視は決め込んでいるが、虐待はしなかった。
「…我が家の優秀な跡取り娘が可愛がるのですから、私もそんなことはできません」
「さすがお母様!」
ぎゅっと母に抱きつく。
母は愛おしそうに私を抱きしめ返してくれた。
これだけで、転生した甲斐があるというもの。
せめて断罪されるかもしれないその日まで、私は父と母にたっぷり甘えよう…前世の分まで。
その後父とも同じようなやりとりをしたが、やはり最後は私を抱きしめてくれた。
―…それを嫉妬に濡れた目で見つめてくる妹には気づかなかった。
私はもちろん妹も完璧な淑女になって、私たちはそれぞれ十歳になった。
妹はヒロインなので勉強の吸収は早く、知識チートでカバーした私とは違って努力でこの歳で完璧な淑女になったのだから偉い。
そして私は婚約者が今日決まった。
これはこれで原作改変だ。
乙女ゲームの設定では、貴族学園に通うまでレイチェルにもクロエにも婚約者は決まっていなかった。
しかも驚いたのは、メイン攻略対象だった第三王子殿下が跡取り娘となる私の婿に来る婚約となったこと。
「お初にお目にかかります、クロエと申します」
「初めまして、今日から君の婚約者となるノアだ。よろしく頼む」
初対面ではお互い悪い印象は無く、楽しく過ごせた。
この王子も第三王子だからいずれ臣籍降下することは決まっていたが、それが惜しまれるほど優秀な人でもあった。
もちろん王太子殿下や第二王子殿下もすごく優秀だから臣籍降下して困ることはないけれど。
だからか話も合うし、本当に楽しい時間であった。
彼に早くも惹かれていく自分を自覚した。
そして彼も、勘違いでなければ同じように私を気に入ってくれている…気がした。
―…そんな私たちをみて、憎悪に濡れた瞳を向ける妹には気づかなかった。
順調にノア様と仲を深めていったある日のことだった。
「ノア様!お姉様なんかより私とお茶をしませんか?」
完璧な淑女に育てたはずの妹は、そんな恥知らずなことを言い出した。
慌てる私に、ノア様はにこりと笑いかけてくれる。
大丈夫だと、安心させてくれる笑みだった。
「お誘いは光栄だけど、僕は愛おしいクロエとの時間の方が大事なんだ。ごめんね」
その言葉にホッとしてしまう私は、悪い姉だろうか。
その時、妹が突然泣き出した。
振られたのがそんなにショックだったのかと駆け寄って背中を摩る。
「どうして…」
「え?」
「どうしてお姉様ばっかり、みんなに愛されるの!」
…ああ、私が原作改変したせいかとわかった。
原作ではレイチェルは、義母と姉に虐待されても耐え抜いていた。
そこで心を強く持てる子だった。
でもそれは、義母は父に浮気されるような女で姉は両親から愛されていなかったから「可哀想な人たち」と思うことで耐えられたのかもしれない。
今の私は両親からも婚約者からも愛されていて、母も父と再構築し始めているようだから…心を強く持つことができなくなったのかも。
でもね。
「レイチェルは、誰にも愛されていないと考えているの?」
「だって実際そうじゃない!」
「でも、お姉様はレイチェルが可愛くて仕方がないわ」
「え?」
だって、可哀想なものは可愛い。
レイチェルはいつだって可愛い。
完璧な淑女に育てた今、可哀想ではない境遇になった彼女すら今は愛おしい。
「レイチェルには私の愛が伝わらなかった?」
「それは…」
「可愛くて可愛くて仕方がない妹なのよ。愛しているのよ」
「…お姉様」
レイチェルをギュッと抱きしめると、レイチェルは声をわんわん上げてさらに泣く。
そんな妹をよしよしと慰める私に、レイチェルは泣き止んだ後懐き出した。
「お姉様」
「うん?」
「本当に私のこと好き?」
「好きよ」
「お姉様、ごめんなさい。大好き」
そんな妹が、ますます可愛くなった。
「ノア様!あんまりお姉様を独占しないでください!」
「なんでさ。僕の婚約者だよ」
「私のお姉様でもあります!」
さらに歳を重ねて十六歳。
貴族学園一年生になった私たちは、三人でわちゃわちゃして過ごしている。
ノア様とレイチェルが私のことを取り合うのは最早いつもの光景だ。
ノア様は元々私に好意的だったけど、レイチェルが泣き出したのを慰めていたあの日私に惚れ直したと言って私をさらに大切にしてくれるようになった。
レイチェルはレイチェルであの日以降私への懐き度が半端じゃないので、まあ仕方がない。
「お姉様、私と一緒にお茶会にしましょう?」
「いや、僕とデートに行こう」
「ふふ、じゃあ間をとって三人でお茶会にしましょうか」
こうして三人でわちゃわちゃするのも悪くない。
結局物語の強制力とかはなく、三人で仲良く出来ているし。
妹を可愛がって本当によかった。
「レイチェル、ノア様、大好きです」
「私もお姉様が大好きです!」
「僕もクロエが大好きだよ」
出来ればレイチェルにもはやくいい人が見つかるといいのですが…それはまた先のお話になりそうです。
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