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師匠

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「ニノン、そろそろ魔法も勉強しよう。パパの魔法のお師匠様を呼んだから、ご挨拶して教えてもらおうな」

「うん!」

この日からニノンは、魔法をファルマンの師匠に教わることになった。

「師匠、娘のニノンです」

「へえ、君が噂の姫君かぁ!初めまして、僕はガエル。天才魔法使いさ!よろしくね」

「ニノン・ロール・ウジェーヌです、よろしくお願いします!」

元気よく挨拶するニノンに、ガエルは優しく頷いた。

「ファルマンの子だって言うからどんなじゃじゃ馬かと思えば、すごく良い子だねぇ」

「師匠、どういう意味ですか?」

「まあまあ。そうだニノン。これから僕はここに住み込みで君に魔法を教えるんだけど、君の兄弟子達も一緒に住まわせてもらうよ。紹介するから、仲良く出来る?」

「はい!」

「その子達は二人とも貴族の血は継いでいるけど妾の子で、家は継げないしそもそも家族だと認められていないから将来本格的に魔法使いになるべく修行しているんだ。その分仲良くなれば、色々教えてくれるからね。…お前たち!」

ガエルが呼べば、ニノンの兄弟子であるという二人の男の子達がやってきた。

「オノレです、よろしく」

「ユベール。よろしく」

「ニノン・ロール・ウジェーヌです!よろしくお願いします!」

「タメ語でいいよ」

「俺も」

「じゃあ、よろしくね!そっちも敬語じゃなくていいからね!」

ガエルはうんうん頷いた。

「兄弟子なんだから、妹弟子を大切にするんだよ」

「わかってるよ師匠」

「ニノン、早速だけど俺たちが簡単な初級魔法から教えてあげるね」

「じゃあまずは氷魔法から教えようか」

ニノンは兄弟子達からレクチャーを受ける。師匠はその様子を見守り、レクチャーしている内容に間違いがないか、危険がないかチェックする。

「そう。そうして魔力を集中させて、イメージして」

「…出来た!手の中で雪が降ってる!」

「やればできるじゃん」

ニノンは初級魔法を一つずつ覚えていく。覚えの良い妹弟子に、兄弟子達も教えるのが楽しくなってくる。

「ニノンって呼んで良いかな?」

「うん!」

「ニノンは物覚えがはやいね。偉い偉い」

頭を撫でてくれるオノレに、ニノンはにんまり笑った。

「初級の炎魔法はちょっと火だから危ないけど、やってみる?」

「うん!」

ユベールは淡々とニノンに魔法を叩き込む。オノレとユベールの教育方針の違いもガエルは楽しそうに見守っていた。

「このままいけばすぐに初級の魔法はマスターしそうだね」

オノレはそう褒めつつ初級の魔法の手本を見せてニノンにも真似させる。ニノンはその言葉通り、割と早い段階で初級の魔法は全属性マスターした。
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