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お礼のアミュレット
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少年を無事に叔父の元へ送り届けてから数日後、少年の叔父であるランメルト伯爵と少年…マルクがお礼に公爵家までやってきた。
「お初にお目にかかります、伯爵位を賜っておりますマリユス・ルー・ランメルトと申します。この度は甥を助けてくださりありがとうございました」
「マルク・ナタン・ニコデモです。この間は本当にありがとうございました!」
「お初にお目にかかります、ニノン・ロール・ウジェーヌです!マルクくんがお元気そうで安心しました」
「オノレです。ご丁寧にどうも」
「ユベールです。こちらこそわざわざありがとうございます」
「もう甥御さんから聞いてると思うけど、三愚者のガエル。よろしくねぇ」
みんなで自己紹介をする中で、サラは身分を明かしてもいいのか迷っていた。…そして、口を開く。
「サラです。フルネームは、ちょっと事情があって名乗れません。ごめんなさい。マルクくんがご無事でなによりです」
優しく微笑むサラの顔を見て、マリユスは一瞬目を見開く。そしてすぐフルネームを名乗れない理由を察して、頷いた。
「そうですな、甥を助けてくださったサラ様。それだけで充分です」
「…ありがとうございます」
サラもマリユスが察しているのに気付くが、何も言わない。
「それで、今日はお礼の品を皆様にお待ちしました。どうぞ、お納めください」
全員にお礼の品を配るマリユス。
「ありがとうございます!大切にしますね」
「わあ、ありがとうございます!なんだろう?」
「え、俺ももらっていいの?ありがとうございます」
「俺の分まで、本当にありがとうございます」
「わー、ありがとう。見ていい?」
それぞれ渡されたプレゼントを掲げて下から見上げてみたり、ラッピングを剥がしたくてうずうずしたりと反応は様々だ。
「ええ、ガエル様。どうぞ」
その言葉を皮切りに、みんなラッピングを剥がして中を見る。そこには明らかに高価なアミュレットが入っていた。
「アミュレット?」
「うん、緊急回避用のアミュレット。何者かに怪我をしかねない攻撃をされたら、一回だけダメージを代わりに受けてくれるマジックアイテム。皆さんには危ない目に遭って欲しくないけど、もしもの時には頼りになります」
「マルクくん、ありがとう。大切にするね。でも、マルクくんはこれからどうするの?」
ニノンは一番気になっていたことを聞く。
「叔父さんの養子になることにしたんだ。」
「うちは子供に恵まれなかったので、甥を後継者にしようと思うのです」
「手続きが終わったら、マルク・ナタン・ランメルトだね。ニコデモ家の爵位と領地は、まだ子供の僕にはどうしようもないから母方の伯父さんが継いでくれるって」
「そっかぁ。色々大変だと思うけど、頑張ってね」
「うん!」
こうして一人の少年はニノン達によって救われた。マリユスは本当にマルクを後継者として、甥として大切にしているのも見て取れる。ニノンはホッと胸を撫で下ろした。
「お初にお目にかかります、伯爵位を賜っておりますマリユス・ルー・ランメルトと申します。この度は甥を助けてくださりありがとうございました」
「マルク・ナタン・ニコデモです。この間は本当にありがとうございました!」
「お初にお目にかかります、ニノン・ロール・ウジェーヌです!マルクくんがお元気そうで安心しました」
「オノレです。ご丁寧にどうも」
「ユベールです。こちらこそわざわざありがとうございます」
「もう甥御さんから聞いてると思うけど、三愚者のガエル。よろしくねぇ」
みんなで自己紹介をする中で、サラは身分を明かしてもいいのか迷っていた。…そして、口を開く。
「サラです。フルネームは、ちょっと事情があって名乗れません。ごめんなさい。マルクくんがご無事でなによりです」
優しく微笑むサラの顔を見て、マリユスは一瞬目を見開く。そしてすぐフルネームを名乗れない理由を察して、頷いた。
「そうですな、甥を助けてくださったサラ様。それだけで充分です」
「…ありがとうございます」
サラもマリユスが察しているのに気付くが、何も言わない。
「それで、今日はお礼の品を皆様にお待ちしました。どうぞ、お納めください」
全員にお礼の品を配るマリユス。
「ありがとうございます!大切にしますね」
「わあ、ありがとうございます!なんだろう?」
「え、俺ももらっていいの?ありがとうございます」
「俺の分まで、本当にありがとうございます」
「わー、ありがとう。見ていい?」
それぞれ渡されたプレゼントを掲げて下から見上げてみたり、ラッピングを剥がしたくてうずうずしたりと反応は様々だ。
「ええ、ガエル様。どうぞ」
その言葉を皮切りに、みんなラッピングを剥がして中を見る。そこには明らかに高価なアミュレットが入っていた。
「アミュレット?」
「うん、緊急回避用のアミュレット。何者かに怪我をしかねない攻撃をされたら、一回だけダメージを代わりに受けてくれるマジックアイテム。皆さんには危ない目に遭って欲しくないけど、もしもの時には頼りになります」
「マルクくん、ありがとう。大切にするね。でも、マルクくんはこれからどうするの?」
ニノンは一番気になっていたことを聞く。
「叔父さんの養子になることにしたんだ。」
「うちは子供に恵まれなかったので、甥を後継者にしようと思うのです」
「手続きが終わったら、マルク・ナタン・ランメルトだね。ニコデモ家の爵位と領地は、まだ子供の僕にはどうしようもないから母方の伯父さんが継いでくれるって」
「そっかぁ。色々大変だと思うけど、頑張ってね」
「うん!」
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