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超級ダンジョンの探索を任せる

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蓮太郎とニノン達が談笑していると、応接間のドアがノックされた。

「ニノン、入るぞ」

現れたのはファルマン。

「パパ?どうしたの?」

「色々あってな。せっかく楽しそうなところに悪いんだが、少し冒険者殿と話をさせてくれ」

「うん」

ファルマンは蓮太郎に向き直る。

「お初にお目にかかる。ファルマン・ゴーチエ・ウジェーヌだ。この辺りの領主であり、ニノンの父だ。公爵位を賜っている」

「これはご丁寧に。東国 蓮太郎だ。この度は薬湯温泉の件で、ニノン殿に大変お世話になった」

「我が娘は良い子だろう?」

「ははは。とても良い方だと思う。しかし、公爵殿も娘には形無しか」

「まあな」

ファルマンと蓮太郎は固く握手をした。

「して、俺に何用だろうか。恩人であるニノン殿の父君の頼みであれば、出来る限りは叶えるが」

「そう言ってもらえるとありがたい。…今し方、部下から緊急の連絡が入った。難民の村は知っているだろうか」

「もちろん。薬湯温泉のある村だろう」

「そうだ。その村は、森の中にあるだろう?村の付近、森の奥にダンジョンが出現した」

「なんと」

蓮太郎は真剣な表情になる。

「付近の住民にはダンジョン内に入らないよう命令してある。自らダンジョンに入る者はそもそもいないだろうが、一応な」

「それが良いだろうな。初級のダンジョンでさえ、一般人には致命的だ」

「…それなんだがな」

ファルマンは一呼吸おいて、言った。

「どうも、超級ダンジョンらしい。命からがら戻ってきた冒険者複数人の証言だ、間違いない」

「…これは驚いた」

「おやまあ」

蓮太郎とガエルが驚きの声を上げる。ニノンがおずおずと手を挙げて質問する。

「パパ、超級ダンジョンって死者が続出する攻略が難しいダンジョンだよね?」

「そうだ。しかし、その中の秘宝は価値がものすごく高い。正直俺も手に入れて家宝にしたい。ただ、並みの冒険者では歯が立たないだろう。そこでだ」

「俺の出番、というわけだ」

蓮太郎が言えば、ファルマンが頷いた。

「ああ、SSSランクの冒険者である貴殿にダンジョンを攻略して欲しい」

「隠居生活を送っていたからブランクはあるが」

「貴殿ならば大丈夫だろうと信じている。引き受けては貰えないだろうか」

「…ふむ。喜んで引き受けよう」

蓮太郎の言葉に、ファルマンの表情が和らいだ。

「ありがとう、助かる。…超級ダンジョンを攻略しに行く無謀な奴らの死体が積み上がるのも、回避したいからな」

「本音はそちらか。秘宝より人命重視とは、貴族の中では珍しい」

「秘宝が欲しいのも本当だがな。秘宝を一つ所有するだけで、貴族の価値はぐんと上がる。ニノンの将来のためにも、今のうちに手に入れておきたい」

ファルマンの言葉にニノンは瞳を輝かせる。

「パパ…!ありがとう、大好き!」

「愛してるぞ、ニノン」

「うむうむ。仲が良くてなにより」

ファルマンとニノンの仲の良さに、蓮太郎はご機嫌になった。
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