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小さな集落での出会い
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ご機嫌よう。マルゲリット・アルカンシエルです。毎日のように歩いて、ついにソルセルリーの知人のいるという集落にまでたどり着きました。
「うーん、やっと野宿卒業だよー!」
「ん、よかったな。お姫さんにはきつかっただろ」
よく耐えた方だな、とソルセルリーは満足げ。
「けど、ここも明日の朝には出るからな」
「はあい」
でも今日だけでもゆっくり休めるなんて嬉しい。
「さて、あいつの家は…」
ソルセルリーはきょろきょろと辺りを見回します。
「あー、あのおんぼろ小屋だっけか?」
「ソルセルリー失礼…あと言うほどおんぼろじゃないよ」
「いや、魔法使いが住むにはおんぼろ過ぎるだろ。まあ、あいつ地下にちゃんと箱庭作ってるみたいだけど」
あ、やっぱり知り合いも魔法使いなんだ。
「その人もソルセルリーと同い年くらいなの?」
ふと疑問に思うので聞いてみる。
「ん。てか昔孤児院で一緒に育った」
「それ知り合いじゃなくて家族…」
ソルセルリーは本当に素っ気ないなぁ。
「どっちでも同じだろ。ただ、あいつは長寿の薬草は使ってるけど不老の薬草は要らないって投げ返してくるから見た目じじいだぞ」
まあ性格はむしろガキのまんまだけど、とソルセルリーは言う。仲良しなんだね。
「おーい、じじい。来てやったぞ」
ソルセルリーが失礼な言葉をかけながら家のドアをノックする。
「誰がじじいだてめーも同い年だろうが!」
怒りながら出てきたのは髭を蓄えたお爺さん。ソルセルリーと同い年なんだ。知ってたけどソルセルリーってやっぱりすごい。色々と。
「…と、おや、お嬢さん。すまないねぇ、大きな声を出して。儂はコントラ・アリュシナシオン。見ての通り無害なじじいじゃよ。よろしくのう」
「うん、知ってる」
「ソルには言ってねーよばーか」
「初めまして、メグって言います。よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げて挨拶をする。こういう普通の挨拶、久しぶりだなあ。今までは挨拶一つマナーがどうこうだったからな。…と、コントラお爺さんがソルセルリーをまじまじと見つめます。
「…なんだよ」
「いや、まさかあのソルがとうとう弟子を取るとはと感心してな」
ソルセルリーは心底嫌そうな顔をします。
「…やっぱり野宿にするか」
「冗談だよ冗談!お嬢さんも1日くらい家でゆっくり休みたいじゃろう?」
「うん!」
ソルセルリーは面倒くさそうな顔をした後、んじゃ世話になるわと言ってコントラお爺さんの家に上がります。私もその後ろからついて行きます。
「じゃあ、俺たちは積もる話もあるしこっちで話でもしようぜ。お嬢さん、悪いが箱庭で魔法のシミュレーション訓練でもしててくれるかのう」
「…」
ソルセルリーが無言で頷く。はーい。
「地下ですよね?行ってきます!」
「箱庭の一月を、こっちでの一時間にするからの。儂らの話が終わったら迎えに行くからの」
「はい、わかりました!」
「…なんでお前、俺にはタメ口でコントラには敬語なんだよ。コントラもこいつにその胡散臭い喋り方はやめろ」
「え?だって見た目的に一応さあ」
「無理矢理若返りの薬草口にねじ込んでやろうか?」
「わかったわかった!ごめんな、お嬢さん。そういうわけだから、こいつ借りるな。その分ちゃんとしたシミュレーション訓練に設定しとくから。対魔獣戦がいい?それとも対四天王戦がいい?そ・れ・と・も、対魔王戦?」
「こいつを殺す気か。聖剣も手に入れてないんだ、対魔獣戦で十分だ。あと人の記憶を勝手に読むなって言ってんだろ」
あ、コントラお爺さん人の記憶読めるんだ。てか読んだんだ。すごい。でも説明の手間が省けてよかった。
「ほら、行ってこい」
「はーい」
対魔獣戦のシミュレーション訓練、行ってきます!
「…いい子だなあ、メグちゃん」
「まあな」
「なんだかんだでお前も気に入ってるみたいだし?」
「…、うるさい」
「あはは!お前もだいぶ丸くなったよなぁ!昔じゃ考えられないな!」
「いつの話だよ」
「孤児院時代だよ」
「それを言うならお前の方が変わっただろ。孤児の頃はツンケンしてた癖に、魔法使いになった途端に子供っぽくなりやがって」
「だって天職なんだよ、これ。人の役にも立つし、食っていけるし、まあ普通は魔法使いを毛嫌いする奴の方が多いけど、ここは魔法使いを置いてくれるし」
「…よかったな」
「そう。よかった。お前も、やっと俺たち以外で信用できる人間が見つかってよかったな」
「…だから、人の記憶を読むなって」
「ん」
「うーん、やっと野宿卒業だよー!」
「ん、よかったな。お姫さんにはきつかっただろ」
よく耐えた方だな、とソルセルリーは満足げ。
「けど、ここも明日の朝には出るからな」
「はあい」
でも今日だけでもゆっくり休めるなんて嬉しい。
「さて、あいつの家は…」
ソルセルリーはきょろきょろと辺りを見回します。
「あー、あのおんぼろ小屋だっけか?」
「ソルセルリー失礼…あと言うほどおんぼろじゃないよ」
「いや、魔法使いが住むにはおんぼろ過ぎるだろ。まあ、あいつ地下にちゃんと箱庭作ってるみたいだけど」
あ、やっぱり知り合いも魔法使いなんだ。
「その人もソルセルリーと同い年くらいなの?」
ふと疑問に思うので聞いてみる。
「ん。てか昔孤児院で一緒に育った」
「それ知り合いじゃなくて家族…」
ソルセルリーは本当に素っ気ないなぁ。
「どっちでも同じだろ。ただ、あいつは長寿の薬草は使ってるけど不老の薬草は要らないって投げ返してくるから見た目じじいだぞ」
まあ性格はむしろガキのまんまだけど、とソルセルリーは言う。仲良しなんだね。
「おーい、じじい。来てやったぞ」
ソルセルリーが失礼な言葉をかけながら家のドアをノックする。
「誰がじじいだてめーも同い年だろうが!」
怒りながら出てきたのは髭を蓄えたお爺さん。ソルセルリーと同い年なんだ。知ってたけどソルセルリーってやっぱりすごい。色々と。
「…と、おや、お嬢さん。すまないねぇ、大きな声を出して。儂はコントラ・アリュシナシオン。見ての通り無害なじじいじゃよ。よろしくのう」
「うん、知ってる」
「ソルには言ってねーよばーか」
「初めまして、メグって言います。よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げて挨拶をする。こういう普通の挨拶、久しぶりだなあ。今までは挨拶一つマナーがどうこうだったからな。…と、コントラお爺さんがソルセルリーをまじまじと見つめます。
「…なんだよ」
「いや、まさかあのソルがとうとう弟子を取るとはと感心してな」
ソルセルリーは心底嫌そうな顔をします。
「…やっぱり野宿にするか」
「冗談だよ冗談!お嬢さんも1日くらい家でゆっくり休みたいじゃろう?」
「うん!」
ソルセルリーは面倒くさそうな顔をした後、んじゃ世話になるわと言ってコントラお爺さんの家に上がります。私もその後ろからついて行きます。
「じゃあ、俺たちは積もる話もあるしこっちで話でもしようぜ。お嬢さん、悪いが箱庭で魔法のシミュレーション訓練でもしててくれるかのう」
「…」
ソルセルリーが無言で頷く。はーい。
「地下ですよね?行ってきます!」
「箱庭の一月を、こっちでの一時間にするからの。儂らの話が終わったら迎えに行くからの」
「はい、わかりました!」
「…なんでお前、俺にはタメ口でコントラには敬語なんだよ。コントラもこいつにその胡散臭い喋り方はやめろ」
「え?だって見た目的に一応さあ」
「無理矢理若返りの薬草口にねじ込んでやろうか?」
「わかったわかった!ごめんな、お嬢さん。そういうわけだから、こいつ借りるな。その分ちゃんとしたシミュレーション訓練に設定しとくから。対魔獣戦がいい?それとも対四天王戦がいい?そ・れ・と・も、対魔王戦?」
「こいつを殺す気か。聖剣も手に入れてないんだ、対魔獣戦で十分だ。あと人の記憶を勝手に読むなって言ってんだろ」
あ、コントラお爺さん人の記憶読めるんだ。てか読んだんだ。すごい。でも説明の手間が省けてよかった。
「ほら、行ってこい」
「はーい」
対魔獣戦のシミュレーション訓練、行ってきます!
「…いい子だなあ、メグちゃん」
「まあな」
「なんだかんだでお前も気に入ってるみたいだし?」
「…、うるさい」
「あはは!お前もだいぶ丸くなったよなぁ!昔じゃ考えられないな!」
「いつの話だよ」
「孤児院時代だよ」
「それを言うならお前の方が変わっただろ。孤児の頃はツンケンしてた癖に、魔法使いになった途端に子供っぽくなりやがって」
「だって天職なんだよ、これ。人の役にも立つし、食っていけるし、まあ普通は魔法使いを毛嫌いする奴の方が多いけど、ここは魔法使いを置いてくれるし」
「…よかったな」
「そう。よかった。お前も、やっと俺たち以外で信用できる人間が見つかってよかったな」
「…だから、人の記憶を読むなって」
「ん」
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