至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます

下菊みこと

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魔力回復薬大量生産

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ご機嫌よう。マルゲリット・アルカンシエルです。今日はソルシエールで魔力回復薬大量生産のお手伝いをしようと思います。

「パパ!ソルシエールに魔力回復薬を大量にお願いしてる件なんだけど」

「ああ、どうした?」

「資材が揃ったから、次は作るののお手伝いしてくるね!」

「ああ、わかった」

「じゃあ行ってきます!」

「いってらっしゃい、気をつけてな」

私は転移魔法でソルシエールに行きます。すると今日もソルシエールは地獄絵図でした。

「そこ!レインボーボアーの肉持ってきて!」

「はやく長寿の薬草持ってきなさいよ!」

「ちょっと!レインボーフォックスの皮寄越しなさいよ!」

「老化の薬草はこっち!」

「ああもう!レインボーベアーの皮はまだなの!?」

「無駄口叩かないで働く!こっちで薬草の調合よ!」

見てるこっちが疲れてしまいます。とりあえず忙しそうなソルシエールさんを捕まえます。

「あの…」

「メグ様!ようこそいらして下さいました。また採取を手伝っていただけるのでしょうか?」

「クエー」

「あら、今回は別件で?」

「クエー、クエー」

「そうでしたか、すみません。どうしました?」

「あの、よかったら魔力回復薬の大量生産をお手伝い出来ないかなって」

「ありがとうございます。猫の手も借りたいところでしたので助かります」

「それじゃあ何かお手伝い出来ますか?」

「ええ…魔力回復薬はソルセルリーに任せているので、ソルセルリーについて行ってください」

「わかりました」

わいわいがやがやしている集落の中でソルセルリーの姿を探します。…いた。背が高いからすぐにわかりました。

「ソルセルリー!」

「…また来たのか。今度はどうした」

「魔力回復薬生産のお手伝い!」

「お前本当に姫さまか?」

「姫さまですー!」

「ふっ…はは、悪かった悪かった。そら、最初は作り方を聞いてろ。聞き終わったら隣の鍋で作れ」

「はーい」

「いいか?まずはショコラサンプルを一時間煮詰める」

「うん」

「終わったらラフレーズサンプル、フィグサンプル、イフサンプルの順にそれぞれ入れてまた二時間煮詰める。これだけだ」

「じゃあ私でも出来るね!」

「…ああ、よろしく頼んだ」

「お任せあれ!」

早速ソルセルリーの隣でショコラサンプルを煮ます。

「…煮詰める時間がなんか勿体ないね」

「火災が起きたら元も子もないだろう」

「そうだけどさぁ」

「まあ、俺もそう思うからここら辺の鍋99個使って一気に作ってるけど」

それはそれで危ないな!

「ええ…大丈夫なの?」

「お前も来たし大丈夫だろ。とりあえず今日でお前の国に売る分は作り終える」

「資材は?」

「余らないな。ちょうどいいくらいか」

「じゃあ失敗出来ないね」

「そうだな」

ソルセルリーが私の頭をなでなでと撫でてくれます。

「お前なら大丈夫だ」

「うん、ありがとう!」

「そうそう、ここの忙しさも今日までなんだ」

「…え?こんなに忙しそうなのに?」

「だからだよ。みんな頑張ってるから、今日の夜には装備品や薬の生産は終わる」

「…?でも、原作では…」

「…ん?原作?」

「ううん!なんでもない!」

原作では、この後が一番地獄で、かなり忙しくなるはずなんだけどな。まだトラモントからフェニーチェセンプリチの依頼を受けてないのかな?だとしたらすごい横暴だな。急に頼んで明日の夜までに作れだなんて。

「…ガキ共には会ったか?」

「まだ会ってないよ」

「もうすっかり魔法使い気取りだぞ」

「ふふ、相変わらず可愛いね」

「まあ、まだまだガキだしな」

「いっつも私やソルセルリーのお話してるんだって?」

「ん。村長から聞いたのか」

「うん!」

「いい人だろう?」

「そうだね」

「たまに思うんだ。あんな人が家族だったらってな」

「…うん。優しい人だもんね」

「ん…まあ、こうして今でもお世話になってるし、これ以上を望むのもなんだけどな」

「そんなことないよ!」

「…」

「ソルセルリーはもっといっぱい望んでいいんだよ!」

「…っ!ん。ありがとうな」

「思い切って、村長さんに言ってみなよ!」

「…じゃあ、魔力回復薬の大量生産が終わったら…言ってみるか」

「うん、それがいいよ!」
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