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皇帝陛下の愛娘はグレた少年を導く
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ナタナエルは、リリアージュが日に日に可愛くなるので(日に日に溺愛が深まるだけ)専属宮廷魔術師だけでは不安だと、専属護衛騎士を側に置くことにした。…というのもルイスのアドバイスもあった。
リリアージュはあまりにも同世代の子供たちと知り合う機会が少ない。護衛という口実で皇国騎士達の息子の一人を側に置き、情操教育の一環としてはどうか、という。また、専属護衛騎士として幼い頃から仕えていれば、ナタナエルとルイスの関係のように、将来的にもリリアージュの良き臣下となるだろう、というのもある。
専属護衛騎士は、リリアージュに選ばせることにした。専属護衛騎士といっても、所詮子供。余程の剣の天才でも混ざっていない限り、そんなに差はないだろうという判断だ。
「リリアージュ。この中から好きに選べ」
「んー?」
リリアージュのために、リリアージュと同じ歳の皇国騎士の息子達は全員呼ばれて集まった。皇国騎士団は各国の騎士団と比べてもかなり大きな規模なので、なんだかんだで結構な人数である。
「パパ、パパが一番信頼できる人の子供は?」
「ルイスに妻子はいない。いい加減作れとは思うが」
「…んー?」
リリアージュは真剣に考えて、考え過ぎてよくわからないらしい。適当に選んでもいいのだが。
「じゃあ、剣の練習自由にやって欲しいな!リリー、それを見て決めたい!」
「いいぞ。そういうことだ。やれ」
ナタナエルの一言でほぼ全員が剣を持ち、素振りをしたり打ち合いをしたりした。ほぼ、全員である。一人だけやらない子供がいる。
「ねえ、練習しないの?」
リリアージュが興味を持ち話しかける。
「俺はいい」
「んー?」
リリアージュは首をかしげる。近くにいた子供たちが言った。
「そいつ、魔法適性がないんですよー。父親はあの魔法剣術の達人、騎士団長様なのに!」
「才能がないって可哀想ー」
「おまけに根性もないから、ああやってすぐ逃げるんですよー」
けらけらと笑う子供たち。リリアージュは悲しそうな表情を浮かべたので、ナタナエルは子供たちの顔を覚えた。あとでルイス式スパルタ訓練行きにするためだ。
「…俺は、父さんのような騎士にはなれない。騎士なんか、目指しちゃいけない」
「なんで?」
「だから…」
「なんでお父さんみたいな騎士じゃないとだめなの?」
「…は?」
「リリーも、パパみたいな立派な皇帝になりたいけどね、多分なれないよ?だから、リリーはリリーなりの、女帝になるの!優しくて、困ってる人全員助けられる、素敵な国にするの!」
夢見がちな事を真剣に宣言するリリアージュ。だが、少年…シモン・セラフィンの心には、響くものがあった。
「だからね、貴方も、お父さんみたいな騎士じゃなくて、貴方らしい立派な騎士になるといいよ!魔法の適性がないなら、剣技を磨けばいいの!」
「俺らしい騎士…剣技を、磨く…」
リリアージュの言葉は、全部真剣だ。同情とかで言っているのではなく、本気でそう思っている。だから、シモンのささくれ立った心に治癒魔法のように染み渡る。
「だからね、リリーも立派な女帝になるために頑張るから、リリーと一緒に強くなって!」
リリーと一緒に強くなって。その一言で、シモンの心は決まった。
「リリアージュ第一皇女殿下に申し上げる。…俺を、どうか貴方の専属護衛騎士に」
「うん、いいよー」
「決まりだな」
ナタナエルの一言で、全てが決まった。皇国騎士の子供たちは、不満はあるが口にはできない。こうして、リリアージュの専属護衛騎士が決まったのである。
なお、シモンの父は侯爵でもある。そして、シモンは魔法の適性がないものの、剣技だけならば同世代の子供たちの中で群を抜く。身体強化の魔法剣術を使う同世代の子供たちに対して、魔法なしの剣技ひとつで勝ちを奪い取れるほどに。なので、リリアージュの皇配としてなにも問題はない。それにナタナエルは気づかない。そして今日も、リリアージュは無邪気に笑う。
リリアージュはあまりにも同世代の子供たちと知り合う機会が少ない。護衛という口実で皇国騎士達の息子の一人を側に置き、情操教育の一環としてはどうか、という。また、専属護衛騎士として幼い頃から仕えていれば、ナタナエルとルイスの関係のように、将来的にもリリアージュの良き臣下となるだろう、というのもある。
専属護衛騎士は、リリアージュに選ばせることにした。専属護衛騎士といっても、所詮子供。余程の剣の天才でも混ざっていない限り、そんなに差はないだろうという判断だ。
「リリアージュ。この中から好きに選べ」
「んー?」
リリアージュのために、リリアージュと同じ歳の皇国騎士の息子達は全員呼ばれて集まった。皇国騎士団は各国の騎士団と比べてもかなり大きな規模なので、なんだかんだで結構な人数である。
「パパ、パパが一番信頼できる人の子供は?」
「ルイスに妻子はいない。いい加減作れとは思うが」
「…んー?」
リリアージュは真剣に考えて、考え過ぎてよくわからないらしい。適当に選んでもいいのだが。
「じゃあ、剣の練習自由にやって欲しいな!リリー、それを見て決めたい!」
「いいぞ。そういうことだ。やれ」
ナタナエルの一言でほぼ全員が剣を持ち、素振りをしたり打ち合いをしたりした。ほぼ、全員である。一人だけやらない子供がいる。
「ねえ、練習しないの?」
リリアージュが興味を持ち話しかける。
「俺はいい」
「んー?」
リリアージュは首をかしげる。近くにいた子供たちが言った。
「そいつ、魔法適性がないんですよー。父親はあの魔法剣術の達人、騎士団長様なのに!」
「才能がないって可哀想ー」
「おまけに根性もないから、ああやってすぐ逃げるんですよー」
けらけらと笑う子供たち。リリアージュは悲しそうな表情を浮かべたので、ナタナエルは子供たちの顔を覚えた。あとでルイス式スパルタ訓練行きにするためだ。
「…俺は、父さんのような騎士にはなれない。騎士なんか、目指しちゃいけない」
「なんで?」
「だから…」
「なんでお父さんみたいな騎士じゃないとだめなの?」
「…は?」
「リリーも、パパみたいな立派な皇帝になりたいけどね、多分なれないよ?だから、リリーはリリーなりの、女帝になるの!優しくて、困ってる人全員助けられる、素敵な国にするの!」
夢見がちな事を真剣に宣言するリリアージュ。だが、少年…シモン・セラフィンの心には、響くものがあった。
「だからね、貴方も、お父さんみたいな騎士じゃなくて、貴方らしい立派な騎士になるといいよ!魔法の適性がないなら、剣技を磨けばいいの!」
「俺らしい騎士…剣技を、磨く…」
リリアージュの言葉は、全部真剣だ。同情とかで言っているのではなく、本気でそう思っている。だから、シモンのささくれ立った心に治癒魔法のように染み渡る。
「だからね、リリーも立派な女帝になるために頑張るから、リリーと一緒に強くなって!」
リリーと一緒に強くなって。その一言で、シモンの心は決まった。
「リリアージュ第一皇女殿下に申し上げる。…俺を、どうか貴方の専属護衛騎士に」
「うん、いいよー」
「決まりだな」
ナタナエルの一言で、全てが決まった。皇国騎士の子供たちは、不満はあるが口にはできない。こうして、リリアージュの専属護衛騎士が決まったのである。
なお、シモンの父は侯爵でもある。そして、シモンは魔法の適性がないものの、剣技だけならば同世代の子供たちの中で群を抜く。身体強化の魔法剣術を使う同世代の子供たちに対して、魔法なしの剣技ひとつで勝ちを奪い取れるほどに。なので、リリアージュの皇配としてなにも問題はない。それにナタナエルは気づかない。そして今日も、リリアージュは無邪気に笑う。
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