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豚の角煮
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今日は魔物の群れに襲われた村の復興作業を手伝うことになった。もちろん依頼料は出る。こういうのは魔法師団の役割なのだが、どうも魔法師団は大量に発生した魔物の対処に追われてそれどころではないらしい。他の冒険者達もそっちに行っているので、私しか復興作業には参加しない。進行方向なら討伐も手伝いを買って出ることになるかもしれないなと思いつつ、村の様子を見る。
復興作業と言っても、怪我人や元々身体の弱い病人の回復、見つかっていない人の捜索、建物などの再建など色々ある。
私はとりあえずこういう時のためのドラゴンだろうとリオルに頼む。
「リオル、復興作業協力してくれる?」
「リリアに魔力を回すだけならええぞい。わしは今とってもお腹が空いて、あんまり上手く立ち回れそうにないのじゃー」
ということなので、お腹が空いたリオルに美味しいものを食べさせるためにもまずは見つかっていない人の捜索から。光魔法で探知する。見つかっていない人はたくさんいるけれど、リオルが魔力を回してくれるので魔力の消費は心配せずにどんどん使う。どんどん見つける。
魔物の群れに襲われた村だから、行方不明者の発見はほとんど身体の一部だけ。それも骨ばかりが多い。それでも、家族が帰ってきたと泣き崩れる人達に私がかける言葉はなかった。リオルはそんな家族に近づいていって背中をさすってあげたりしているけれど。
探すだけ探して全員を見つけて、中には生きている人も少しだけだけどいて、よかったよかったと喜びつつ怪我人と病人に光魔法で治療を施す。リオルが魔力を回してくれるのでこちらも何の心配もせずにどんどん治す。調子に乗ってついでとばかりに村の人の連れているペットの怪我や病気も治す。
そして次は家畜達の怪我と病気を治す。こちらもリオルの魔力ですぐに終わる。
全員治したら建物の再建。こちらも光魔法を広域展開して建て直す。魔力の心配もないので全力でいく。みるみるうちに全ての建物が新築同様の姿になった。荒れていた部屋の中の様子も元に戻る。
私の魔法で出来ることはこれでおしまい。多額の依頼料をもらい、次の村へ向かおうとしたら引き止められた。ここまで私とリオルに世話になったので、依頼料だけでなくご馳走を用意してくれるとのこと。お腹が空いて仕方がないリオルの目が輝く。
「果実水とライス、豚の角煮と具沢山汁だけですが、今この村で出来る最高のおもてなしです」
「ありがとうございますなのじゃー!」
「助かるわ。ありがとう」
ということで豚の角煮と具沢山汁、ライスをもらう。美味しそう。
「いただきます」
「いただきますなのじゃー!」
まずは豚の角煮を一口。美味しい。
「お肉が柔らかいのじゃー!なんじゃこれ、最高なのじゃー!」
「味もしみじみね。甘く味付けされているところに、添えられたからしとの相性が抜群。完璧だわ」
「ライスが進むのじゃー!」
「ライスのお供として素晴らしい味だわ。具沢山汁も野菜マシマシで健康に良さそうね。たくさん具が入ってるから食べ応えもあるわ」
「美味しいのじゃー!」
美味しい美味しいと食べている私達をみんな笑顔で見守ってくれた。その後村を出て乗り合い馬車に乗る際も、最後まで見送ってくれた。…出来れば、魔物の群れの大量発生の時に間に合えばよかったのに。
復興作業と言っても、怪我人や元々身体の弱い病人の回復、見つかっていない人の捜索、建物などの再建など色々ある。
私はとりあえずこういう時のためのドラゴンだろうとリオルに頼む。
「リオル、復興作業協力してくれる?」
「リリアに魔力を回すだけならええぞい。わしは今とってもお腹が空いて、あんまり上手く立ち回れそうにないのじゃー」
ということなので、お腹が空いたリオルに美味しいものを食べさせるためにもまずは見つかっていない人の捜索から。光魔法で探知する。見つかっていない人はたくさんいるけれど、リオルが魔力を回してくれるので魔力の消費は心配せずにどんどん使う。どんどん見つける。
魔物の群れに襲われた村だから、行方不明者の発見はほとんど身体の一部だけ。それも骨ばかりが多い。それでも、家族が帰ってきたと泣き崩れる人達に私がかける言葉はなかった。リオルはそんな家族に近づいていって背中をさすってあげたりしているけれど。
探すだけ探して全員を見つけて、中には生きている人も少しだけだけどいて、よかったよかったと喜びつつ怪我人と病人に光魔法で治療を施す。リオルが魔力を回してくれるのでこちらも何の心配もせずにどんどん治す。調子に乗ってついでとばかりに村の人の連れているペットの怪我や病気も治す。
そして次は家畜達の怪我と病気を治す。こちらもリオルの魔力ですぐに終わる。
全員治したら建物の再建。こちらも光魔法を広域展開して建て直す。魔力の心配もないので全力でいく。みるみるうちに全ての建物が新築同様の姿になった。荒れていた部屋の中の様子も元に戻る。
私の魔法で出来ることはこれでおしまい。多額の依頼料をもらい、次の村へ向かおうとしたら引き止められた。ここまで私とリオルに世話になったので、依頼料だけでなくご馳走を用意してくれるとのこと。お腹が空いて仕方がないリオルの目が輝く。
「果実水とライス、豚の角煮と具沢山汁だけですが、今この村で出来る最高のおもてなしです」
「ありがとうございますなのじゃー!」
「助かるわ。ありがとう」
ということで豚の角煮と具沢山汁、ライスをもらう。美味しそう。
「いただきます」
「いただきますなのじゃー!」
まずは豚の角煮を一口。美味しい。
「お肉が柔らかいのじゃー!なんじゃこれ、最高なのじゃー!」
「味もしみじみね。甘く味付けされているところに、添えられたからしとの相性が抜群。完璧だわ」
「ライスが進むのじゃー!」
「ライスのお供として素晴らしい味だわ。具沢山汁も野菜マシマシで健康に良さそうね。たくさん具が入ってるから食べ応えもあるわ」
「美味しいのじゃー!」
美味しい美味しいと食べている私達をみんな笑顔で見守ってくれた。その後村を出て乗り合い馬車に乗る際も、最後まで見送ってくれた。…出来れば、魔物の群れの大量発生の時に間に合えばよかったのに。
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