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乙女ゲームの世界で恋愛をする気が一切ないヒロインのお話(でも王太子は彼女を放っておかない)
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「リリアンヌ!貴女また新しい魔道具を作ったんですってね!」
「そうなんですよー王妃様!買ってくださいます?」
「もちろんよ!と言いたいところだけれど、まずは現物を見てからね」
「今回作ったのは緊急回避用のアミュレットですよー!自信作です!」
「あらまあ、早速魔法人形を使って試しましょう!」
リリアンヌ・コンラディン。しがない男爵家のご令嬢である彼女は、その実希代の天才として知られる。
彼女の発明は多岐に渡る。魔石と呼ばれる、魔力を込めた石を動力源とした様々な魔道具を作ってきた。
例えば全自動掃除機、全自動洗濯機、全自動乾燥機、全自動食器洗い機、様々な形の通信機器に娯楽のためのゲーム機…。
そう、彼女は何を隠そうファンタジーな乙女ゲームの世界に「異世界転生」した転生者なのである。しかもヒロインリリアンヌに転生した運の良いタイプである。前世の記憶を思い出したのは本当にたまたま、幼い頃に事故で頭を打った衝撃で思い出したのである。
「成功したでしょう?王妃様。買ってくださいますか?」
「もちろん!王太子である息子にも持たせたいから、複数個買わなきゃね!」
「さて、王妃様に買ってもらうお金で、次は何を作ろうかなー」
「次の発明もまた私に一番に売ってね?」
「もちろんです!」
しかし転生者とはいえ前世一般人だった彼女は、全自動掃除機等々の存在とその便利さはわかっても作り方など分からない。それらを魔道具として完成させたのは彼女の努力の成果である。
さらに、ひとしきり前世の記憶を思い出して作った便利道具を普及させると今度はアミュレットやら何やら本格的な魔道具の改良、生産にまで乗り出した。こうなるともう彼女を周りは放っておかない。
今やこうして、王妃様ともお茶を飲みつつ売買をするレベルである。こんなのいくら天才発明家とはいえ異例も異例だ。
「リリアンヌ!」
「王太子殿下、御機嫌よう」
「御機嫌よう。来ていたなら声をかけてくれても良いのに」
王太子フェルナン・サンティユモン。乙女ゲームでは一番人気の攻略対象だった。リリアンヌはそれを知っていて、あえてフェルナンから距離を置いている。
「王太子殿下、私は魔法省の官僚になってバンバン発明をするのが夢です。王太子殿下の婚約者にはなりません」
「つれないなぁ…王妃になっても、発明は続けていいんだよ?」
「予算と時間が足りません」
「まあ、ある程度制限はかかるけど…」
「官僚になった方がいっぱい発明出来ます」
リリアンヌはせっかく乙女ゲームの世界にヒロインとして転生したのに、恋愛にまったく興味がなかった。興味があるのは魔法や魔道具の発明のみ。乙女ゲームの攻略対象達とは何の因果か結局関わってはいるが、高位貴族の癖に何故か婚約者のいない彼らからのアピールを蹴り飛ばして好きに生きている。リリアンヌの親はリリアンヌに対して放任主義なので何も言わない。
「しかたないなぁ…リリアンヌ。これを見て」
「それは…!?」
「魔石の究極体。賢者の石だよ。無尽蔵の魔力を込めた魔石だ。実物を見るのは初めてだろう?」
「研究させてください!」
「もちろんいいとも。僕の婚約者になってくれるならね」
余裕の笑みを浮かべてそう言うフェルナン。リリアンヌは唇を噛み、悔しそうな表情でこう言った。
「末永くよろしくお願いします!」
賢者の石につられた彼女は悔しくてたまらないが、しかし無限に色々研究出来る賢者の石を手に入れられて実は結構ご満悦である。フェルナンとしては、懐は痛かったが愛する難攻不落の彼女を賢者の石一個で手に入れられたと思えばむしろ安いくらいだ。国にとっても、リリアンヌのような優秀な女性を国内に留めておけるのだからプラスだろう。
「ふふ、フェルナンったら大胆!」
王妃様が茶々を入れるとリリアンヌは頬を染めて俯く。そんな初々しいリリアンヌの様子にフェルナンはまた心底惚れ込むのだが、リリアンヌがそれに気付くことはなかった。
「そうなんですよー王妃様!買ってくださいます?」
「もちろんよ!と言いたいところだけれど、まずは現物を見てからね」
「今回作ったのは緊急回避用のアミュレットですよー!自信作です!」
「あらまあ、早速魔法人形を使って試しましょう!」
リリアンヌ・コンラディン。しがない男爵家のご令嬢である彼女は、その実希代の天才として知られる。
彼女の発明は多岐に渡る。魔石と呼ばれる、魔力を込めた石を動力源とした様々な魔道具を作ってきた。
例えば全自動掃除機、全自動洗濯機、全自動乾燥機、全自動食器洗い機、様々な形の通信機器に娯楽のためのゲーム機…。
そう、彼女は何を隠そうファンタジーな乙女ゲームの世界に「異世界転生」した転生者なのである。しかもヒロインリリアンヌに転生した運の良いタイプである。前世の記憶を思い出したのは本当にたまたま、幼い頃に事故で頭を打った衝撃で思い出したのである。
「成功したでしょう?王妃様。買ってくださいますか?」
「もちろん!王太子である息子にも持たせたいから、複数個買わなきゃね!」
「さて、王妃様に買ってもらうお金で、次は何を作ろうかなー」
「次の発明もまた私に一番に売ってね?」
「もちろんです!」
しかし転生者とはいえ前世一般人だった彼女は、全自動掃除機等々の存在とその便利さはわかっても作り方など分からない。それらを魔道具として完成させたのは彼女の努力の成果である。
さらに、ひとしきり前世の記憶を思い出して作った便利道具を普及させると今度はアミュレットやら何やら本格的な魔道具の改良、生産にまで乗り出した。こうなるともう彼女を周りは放っておかない。
今やこうして、王妃様ともお茶を飲みつつ売買をするレベルである。こんなのいくら天才発明家とはいえ異例も異例だ。
「リリアンヌ!」
「王太子殿下、御機嫌よう」
「御機嫌よう。来ていたなら声をかけてくれても良いのに」
王太子フェルナン・サンティユモン。乙女ゲームでは一番人気の攻略対象だった。リリアンヌはそれを知っていて、あえてフェルナンから距離を置いている。
「王太子殿下、私は魔法省の官僚になってバンバン発明をするのが夢です。王太子殿下の婚約者にはなりません」
「つれないなぁ…王妃になっても、発明は続けていいんだよ?」
「予算と時間が足りません」
「まあ、ある程度制限はかかるけど…」
「官僚になった方がいっぱい発明出来ます」
リリアンヌはせっかく乙女ゲームの世界にヒロインとして転生したのに、恋愛にまったく興味がなかった。興味があるのは魔法や魔道具の発明のみ。乙女ゲームの攻略対象達とは何の因果か結局関わってはいるが、高位貴族の癖に何故か婚約者のいない彼らからのアピールを蹴り飛ばして好きに生きている。リリアンヌの親はリリアンヌに対して放任主義なので何も言わない。
「しかたないなぁ…リリアンヌ。これを見て」
「それは…!?」
「魔石の究極体。賢者の石だよ。無尽蔵の魔力を込めた魔石だ。実物を見るのは初めてだろう?」
「研究させてください!」
「もちろんいいとも。僕の婚約者になってくれるならね」
余裕の笑みを浮かべてそう言うフェルナン。リリアンヌは唇を噛み、悔しそうな表情でこう言った。
「末永くよろしくお願いします!」
賢者の石につられた彼女は悔しくてたまらないが、しかし無限に色々研究出来る賢者の石を手に入れられて実は結構ご満悦である。フェルナンとしては、懐は痛かったが愛する難攻不落の彼女を賢者の石一個で手に入れられたと思えばむしろ安いくらいだ。国にとっても、リリアンヌのような優秀な女性を国内に留めておけるのだからプラスだろう。
「ふふ、フェルナンったら大胆!」
王妃様が茶々を入れるとリリアンヌは頬を染めて俯く。そんな初々しいリリアンヌの様子にフェルナンはまた心底惚れ込むのだが、リリアンヌがそれに気付くことはなかった。
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