8 / 11
魔女リーナの素晴らしい日常
しおりを挟む
リーナはお屋敷の仕事用のお部屋に移ります。その時、からん、からんとお屋敷のドアがベルを鳴らして開きます。
レンがお客様を案内してきます。今日のお客様は村人数人でした。
「こんにちは。今日はお薬かしら?」
「は、はい!いつものをよろしくお願いします、魔女様!」
村人数人のうち、若い男はみんなリーナの美しさに頬を染めます。そしてレンに睨まれてしゅんとします。
「しかし、魔女様が来てくれて本当に助かりました」
「あら、そう?」
「ええ、先代にこんな美しい…いやいや、こんなに素晴らしいお孫さんがいたとは知りませんでしたが、私達は先代に頼りきりでしたから」
「この村には医師もいませんからね」
レンはうんうんと頷いています。
「ああ、それは…たしかに、魔女がいないと不便ね」
「ええ。だからありがとうございます、魔女」
「どういたしまして。それを言うなら、私に魔女の知識を与えてくれたレンにも言ってあげて」
「ああ、本当に君には世話になってばかりだなぁ。ありがとう、レン君」
「俺は俺の仕事をするだけだ」
「ははは、相変わらずだな」
そうして、薬を渡すと村人数人は帰って行きました。レンは見送りに行った後、すぐにリーナの元に戻ってきます。
「またツケにしてやるのか」
「だって、あの人達お金がないのでしょう?仕方がないわ。それに、レンのおかげで必要なものはほとんど全て自分で作れるもの。お肉やお魚だって、あのおばあちゃんお手製の魔法の冷蔵庫があれば買わなくても済むし」
「本当にお人好しだな、お前たちは」
「ふふ。ええ、おばあちゃんの孫だもの」
「はぁ…まったく」
レンはリーナの頭を雑に撫でます。リーナは嫌がるそぶりは見せません。
「少しは自分のことを考えろ」
「考えているわよ、ただ優先していないだけ」
「リーナ」
「うふふ。だから、私の代わりにレンが私を優先してね?」
「…はぁ」
こうして今日のお仕事は終わりました。二人は夕食をとって、お風呂に入って、それぞれの部屋に戻って眠ります。
リーナはようやく、魔女としての日常に慣れてきました。元々才能があったのか、錬金術や魔法も得意です。国でもっとも優れた魔女になりました。あとはたまに来る不可思議な事件の依頼と、その突飛な解決方法にさえなれれば、本当の意味で完璧な魔女となることでしょう。レンにはそれが楽しみで、レンにはそれが生き甲斐になりつつあります。
さて、そんなこんなで今日も魔女リーナの素晴らしい日常は過ぎていきました。
レンがお客様を案内してきます。今日のお客様は村人数人でした。
「こんにちは。今日はお薬かしら?」
「は、はい!いつものをよろしくお願いします、魔女様!」
村人数人のうち、若い男はみんなリーナの美しさに頬を染めます。そしてレンに睨まれてしゅんとします。
「しかし、魔女様が来てくれて本当に助かりました」
「あら、そう?」
「ええ、先代にこんな美しい…いやいや、こんなに素晴らしいお孫さんがいたとは知りませんでしたが、私達は先代に頼りきりでしたから」
「この村には医師もいませんからね」
レンはうんうんと頷いています。
「ああ、それは…たしかに、魔女がいないと不便ね」
「ええ。だからありがとうございます、魔女」
「どういたしまして。それを言うなら、私に魔女の知識を与えてくれたレンにも言ってあげて」
「ああ、本当に君には世話になってばかりだなぁ。ありがとう、レン君」
「俺は俺の仕事をするだけだ」
「ははは、相変わらずだな」
そうして、薬を渡すと村人数人は帰って行きました。レンは見送りに行った後、すぐにリーナの元に戻ってきます。
「またツケにしてやるのか」
「だって、あの人達お金がないのでしょう?仕方がないわ。それに、レンのおかげで必要なものはほとんど全て自分で作れるもの。お肉やお魚だって、あのおばあちゃんお手製の魔法の冷蔵庫があれば買わなくても済むし」
「本当にお人好しだな、お前たちは」
「ふふ。ええ、おばあちゃんの孫だもの」
「はぁ…まったく」
レンはリーナの頭を雑に撫でます。リーナは嫌がるそぶりは見せません。
「少しは自分のことを考えろ」
「考えているわよ、ただ優先していないだけ」
「リーナ」
「うふふ。だから、私の代わりにレンが私を優先してね?」
「…はぁ」
こうして今日のお仕事は終わりました。二人は夕食をとって、お風呂に入って、それぞれの部屋に戻って眠ります。
リーナはようやく、魔女としての日常に慣れてきました。元々才能があったのか、錬金術や魔法も得意です。国でもっとも優れた魔女になりました。あとはたまに来る不可思議な事件の依頼と、その突飛な解決方法にさえなれれば、本当の意味で完璧な魔女となることでしょう。レンにはそれが楽しみで、レンにはそれが生き甲斐になりつつあります。
さて、そんなこんなで今日も魔女リーナの素晴らしい日常は過ぎていきました。
26
あなたにおすすめの小説
裏の顔ありな推しとの婚約って!?
花車莉咲
恋愛
鉱業が盛んなペレス王国、ここはその国で貴族令嬢令息が通う学園であるジュエルート学園。
その学園に通うシエンナ・カーネリアラ伯爵令嬢は前世の記憶を持っている。
この世界は乙女ゲーム【恋の宝石箱~キラキラブラブ学園生活~】の世界であり自分はその世界のモブになっていると気付くが特に何もする気はなかった。
自分はゲームで名前も出てこないモブだし推しはいるが積極的に関わりたいとは思わない。
私の前世の推し、ルイス・パライバトラ侯爵令息は王国騎士団団長を父に持つ騎士候補生かつ第二王子の側近である。
彼は、脳筋だった。
頭で考える前に体が動くタイプで正義感が強くどんな物事にも真っ直ぐな性格。
というのは表向きの話。
実は彼は‥‥。
「グレース・エメラディア!!貴女との婚約を今ここで破棄させてもらう!」
この国の第二王子、ローガン・ペレス・ダイヤモルト様がそう叫んだ。
乙女ゲームの最終局面、断罪の時間。
しかし‥‥。
「これ以上は見過ごせません、ローガン殿下」
何故かゲームと違う展開に。
そして。
「シエンナ嬢、俺と婚約しませんか?」
乙女ゲームのストーリーにほぼ関与してないはずなのにどんどんストーリーから離れていく現実、特に何も目立った事はしてないはずなのに推しに婚約を申し込まれる。
(そこは断罪されなかった悪役令嬢とくっつく所では?何故、私?)
※前作【悪役令息(冤罪)が婿に来た】にて名前が出てきたペレス王国で何が起きていたのかを書いたスピンオフ作品です。
※不定期更新です。
結婚して5年、初めて口を利きました
宮野 楓
恋愛
―――出会って、結婚して5年。一度も口を聞いたことがない。
ミリエルと旦那様であるロイスの政略結婚が他と違う点を挙げよ、と言えばこれに尽きるだろう。
その二人が5年の月日を経て邂逅するとき
あざとさを捨てた令嬢は、若き公爵に溺愛される
古紫汐桜
恋愛
婚約者の裏切りを目撃し、命を落とした“私”が目を覚ましたのは、
見知らぬ貴族令嬢の身体の中だった。
そこは、誰かの悪意によって評判を地に落とした世界。
かつて“あざとさ”で生きていた彼女の代わりに、
私はその人生を引き受けることになる。
もう、首を揺らして媚びる生き方はしない。
そう決めた瞬間から、運命は静かに歪み始めた。
冷酷と噂される若公爵ユリエル。
彼もまた、自らの運命に抗い続けてきた男だった。
そんな彼が、私にだけ見せた執着と溺愛。
選び直した生き方の先で待っていたのは、
溺れるほどの愛だった。
あざとさを捨てた令嬢と、運命に翻弄される若公爵。
これは、“やり直し”では終わらない、致命的な恋の物語。
王子様とずっと一緒にいる方法
秋月真鳥
恋愛
五歳のわたくし、フィーネは姉と共に王宮へ。
そこで出会ったのは、襲われていた六歳の王太子殿下。
「フィーネ・エルネスト、助太刀します! お覚悟ー!」
身長を超える大剣で暗殺者を一掃したら、王子様の学友になっちゃった!
「フィーネ嬢、わたしと過ごしませんか?」
「王子様と一緒にいられるの!?」
毎日お茶して、一緒にお勉強して。
姉の恋の応援もして。
王子様は優しくて賢くて、まるで絵本の王子様みたい。
でも、王子様はいつか誰かと結婚してしまう。
そうしたら、わたくしは王子様のそばにいられなくなっちゃうの……?
「ずっとわたしと一緒にいる方法があると言ったら、フィーネ嬢はどうしますか?」
え? ずっと一緒にいられる方法があるの!?
――これは、五歳で出会った二人が、時間をかけて育む初恋の物語。
彼女はまだ「恋」を知らない。けれど、彼はもう決めている――。
※貧乏子爵家の天真爛漫少女×策略王子の、ほのぼのラブコメです。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
手折れ花
アヒル
恋愛
王族から見捨てられ、とある村で暮らしていた第四王女だったが……。
侵略した王子×亡国の平凡王女のお話。
※注意※
自サイトでボーイズラブとして書いたお話を主人公を女の子にして加筆したものです。
(2020.12.31)
閲覧、お気に入りなど、ありがとうございます。完結していますが、続きを書こうか迷っています。
【完結】離縁など、とんでもない?じゃあこれ食べてみて。
BBやっこ
恋愛
サリー・シュチュワートは良縁にめぐまれ、結婚した。婚家でも温かく迎えられ、幸せな生活を送ると思えたが。
何のこれ?「旦那様からの指示です」「奥様からこのメニューをこなすように、と。」「大旦那様が苦言を」
何なの?文句が多すぎる!けど慣れ様としたのよ…。でも。
イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在
唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話
中山加恋(20歳)
二十歳でトオルの妻になる
何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛
中山トオル(32歳)
17歳の加恋に一目ぼれ
加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する
加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる
会社では群を抜くほどの超エリートが、
愛してやまない加恋ちゃんに
振り回されたり落ち込まされたり…
そんなイケメンエリートの
ちょっと切なくて笑えるお話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる