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夏目きょん

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一章:22時10分更新

〈5話 リメイク作品〉青い髪の毛

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「俺は…」

 敬太が過去について語ろうとした時。

「痛っ…!」

 眼前勢いよく、敬太の肩にぶつかる影。

「ご、ごめんね!?へ、平気?!だ、大丈夫?!」

 肩の感触は、淡い青色の髪の毛のポニーテール、そして綺麗な瞳の女の子。

「あぁ、俺なら大丈夫だ。君こそ大丈夫か?」

 女の子は敬太の心配をしていたが、自分もぶつかった衝撃で転んでしまっていた。

「わ、私は平気に決まってるでしょ!?」

「いや、明らかに膝から血が出てるけど…」

「こ、これは!ケ、ケチャップ!ケチャップだよ!?」

 女の子は挙動不審だが、明らかに敬太らに心配させまいと、気をかけてくれていた。

「俺だけ話には入れてないんだけど…。話が読み込めないんだけど!」

「それは俺も同じだ」

「嘘つけ、楽しんでたくせに、、、それはそうと、君の名前はなんて言うのか教えてもらってもいい?」

「名前を聞く時は自分から名乗るのが礼儀だぞ。陽向」

「お前が名乗っちゃたら意味ねぇーだろ!」

 そんな敬太の天然ぶりに女の子を含め3人は高らかに笑う。

「わ、私の名前は…ミク!わ、私もあなた達と同じ現実リアルの人間よ!?」

「え?!君いや、ミクも現実リアルの人間!?」

 陽向は現実リアルの人が【クエスト】に混ざってると言うことに、驚きを隠せない。
    しかし
やはり、敬太は何故か冷静を保っていた。

「そ、そうよ!?私もうさぎとか犬に見える!?」

「いや、そうじゃないけど…」

「陽向すまないな。俺も言い忘れていたよ。この世界アンリアルにはたくさんの現実リアルの人が存在する事を。お前、ここに来る途中に誰かと会わなかったのか?」

「そう言われれば…」

 陽向には思い当たる節があった。
ーーチャンスタウンの近くで出会ったあのおじさん…!
 今考えれば、なんであの時に不信感を抱かなかったのか。そう考えていた。

しかし、その反面

陽向はなんとも言えぬ喜びに1人浸る。

「そっかぁー!現実民リアリティーピーポーか!嬉しいなぁ~!そうだ!一緒にクエストクリアしていこうよ!」

 陽向はこの提案に反対するものはいないとそう思っていた…

「俺は反対だ。この世界アンリアルでは裏切りは日常茶飯事だ。裏切られでもしたらクエスト失敗、つまり死にかねない」

 敬太は浮かない顔で説得に試みる。
 しかし
2人の勢いに押されている様子。

「わ、私は…この状況で言いにくいけど…い、一緒に行動したいな!?」

「ほら、敬太!怪我もしてる事だし、世話するついでにって事でさ!」

「いや、うん…う…まぁ、いやぁ…いいよ。陽向がそこまで言うのなら行動を共しよう。」

「やったー!!!」「やったーね!!!」

2人の喜ぶ声が敬太を浮かない顔から微笑みに変えた。

しかし

時間制限タイムリミットは刻一刻と迫っているのであった。

「とりあえず、早めに聞き込みしてアマトリス見つけるぞ。」

「そ、そうね!?あと2時間15分しかないしね!?」

 ミクは早速聞き込みをする。
それを見て陽向も聞き込みを開始。
 しかし、『聞き込みの時間』はすぐに終わりを迎える。

「どけどけどけ~!お前ら、どけろ~!俺は今追いかけられてるんだ!!」

 赤い髪の小さな女の子が物凄いスピードでこっちに寄ってくる。

「お前ら!あれがアマトリスだ。死ぬ気で追いかけろ!」

 突然の言葉に一同は戸惑いを隠せない。
『何故、この少女がアマトリスだと敬太が知っているのか』
『何故、ターゲットにされているのか』
そんな疑問ばかりが脳裏を掠めた。

「え?とてもじゃないけど悪そうには見えないけど…」

「確かに悪くはない。が、あれがアマトリスだ。殺さなければ、クエスト失敗して俺らが死んでしまう。」

「そ、それって!?わ、私たち。つ、罪のない人をこ、殺すってことですか!?」

「あぁ。だが安心しろ。俺がやる。」

 いつにない厳しい顔つきで敬太は言った。
 それはを決めた男の顔だった。

「お前…お前そんな事できるのか?お前に罪のない人を殺す事ができるのか!」

 少し気が立っている陽向。

 しかし、次の言葉で陽向は不覚にも納得してしまう。

「創りものだ。」

 何も言い返せない自分に心底失望した。

「あぁ。ごめん。俺が悪かった。俺のわがままでみんなを巻き込むわけにはいかないもんな…敬太に任せるよ」

 『自分が納得してしまったこと』
 『自分が無知なこと』
 『2人を巻き込んでしまったこと』
 陽向はそんな自分に腹を立てていた。

「そ、そんな!?」

「任せるって言ってんだろ!!お前は黙って言うこと聞けば良いんだよ!!」

 陽向はついミクに対して怒鳴ってしまった。

 「ご、ごめん…」

「いや、違うんだ。違うんだ…」

陽向はミクの言葉で正気に戻る。

「い、いや。わかってるつ、つもりだよ!?陽向のき、気持ちを」

「ごめんね」

「お前ら、ここでもめたらこのクエストの思う壺だぞ!気持ち入れ替えてアマトリスを追いかけるぞ!」

 敬太は陽向とミクを的確に指示した。
 その言葉は陽向とミクを動かす。

「あぁ、悪かった!俺らはもう大丈夫だ!全身全霊で追いかけるぞ!」
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