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5話 謎
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フード協会内部、研究室。
金左衛門が持ち帰った箱が住民によって届けられ研究室で今開けられようとしていた。
「開けます。紫外線の準備は良いですか?」
箱の周りには無数の厳つい装置。恐らくは箱の中身が暴走した時の為の最終手段だろう。そして箱の真上には半径1メートル程の大きなレンズが備わっている。
白衣を身に纏った彼らは、恐る恐る何重にも鍵のかかった箱を開けた。
「こ、これは…」
箱の中身は血に塗れた腕だった。腕には無数の毛がついておりそれは人の物ではない事は言うまでもない。
「急いで細胞を確認しろ!」
研究室内に声が反響する。その言葉を機に1人が巨大なレンズの元へと駆けて行く。
彼はそのレンズを覗いた瞬間青ざめた。
「さ、細胞分裂の速度が速過ぎます!急いで第一装置から第五装置全て稼働して下さい!!」
彼が声を掛けた時にはもう遅かった。
瞬間、箱の中身が膨れ上がる。腕から上半身、下半身、手足とすぐに出来上がり最後には顔までも原型を取り戻した。
その姿は獣そのものだった。
「うーん。誰だお前ら?」
「わ、私達はき、君を保護しようと…」
人型の獣、人獣は言葉を発すると自身の首を鳴らして研究員達に近づく。
研究員達は、恐怖に負け腰を抜かして出口に向かって這って行った。
その時だった。
「どこ行くのー?」
言葉と同時に、研究員達の頭は空間を舞う。
血の雨が降り注ぐ中、人獣は飛ばした無数の頭を手に取りジャグリングの要領で遊び出す。
「暇だねぇ。下界にでも降りてもう1人の自分と合流するか」
そう言うと人獣は、コンクリートや鉄で出来た研究室の下にパンチを入れると、いとも簡単に壊し、そのまま下界に降りて行った。
◇◆◇
眼前、空中に浮かぶ女の子。
少年達は戸惑いを隠しきれない様子。
「ど、どーゆー事じゃ?」
「エスパー?」
空に浮かぶ女の子は、それを聞き反応する。
「私はアリス。遠い昔に造られた改造人間だよ」
依然、戸惑いを隠せない2人だったが銀髪赤眼の女の子は笑みを浮かべ高笑い。
「ビックリした?するよね!私もビックリしたもん!だって起きたら空飛べるんだよ?」
思いの外テンションの高いアリスに苦笑いを浮かべる二人。
やっと状況を飲み込んだ二人は女の子から詳しい話を聞き出した。
それによると、女の子は95年前、遺族達によく分からない石を飲まされてそのまま気絶。
目がさめると自分を浮かせたり、物を浮かせたり出来るようになっていたと言う。しかし、その力に恐怖を抱いた当時の貴族は剣聖と呼ばれていた謎の男にアリスを封印する様に頼み、あのガラスケースに無理やり入れられて、例の大剣で封印されたのだと言う。
「なるほど…つまりは人体実験に成功したが、失敗を恐れて封印したという事だよな」
「そーだねー!」
「拙者、その剣聖とかいう者に興味があるでござる」
「どうして?」
「剣聖は、イズヤと同じでその剣を触れていたって事だからじゃ何者なんじゃ…」
「てことは、そいつの正体が分かれば俺の正体も分かるのか!」
意見がまとまって行く一方で謎が増す。
イズヤは剣聖と呼ばれた男の謎を探し自身の力を知りハヤミの仇を取る為に。サクラはイズヤについて行きながらもマスターが死んだ原因の少年を探しに。
「アリス、お前はどうする?」
「私も行くよ!やる事ないし!」
アリスもついて行く決心。3人の目的が一つにまとまった。
「謎の男、剣聖を探しに行くぞ!!」
金左衛門が持ち帰った箱が住民によって届けられ研究室で今開けられようとしていた。
「開けます。紫外線の準備は良いですか?」
箱の周りには無数の厳つい装置。恐らくは箱の中身が暴走した時の為の最終手段だろう。そして箱の真上には半径1メートル程の大きなレンズが備わっている。
白衣を身に纏った彼らは、恐る恐る何重にも鍵のかかった箱を開けた。
「こ、これは…」
箱の中身は血に塗れた腕だった。腕には無数の毛がついておりそれは人の物ではない事は言うまでもない。
「急いで細胞を確認しろ!」
研究室内に声が反響する。その言葉を機に1人が巨大なレンズの元へと駆けて行く。
彼はそのレンズを覗いた瞬間青ざめた。
「さ、細胞分裂の速度が速過ぎます!急いで第一装置から第五装置全て稼働して下さい!!」
彼が声を掛けた時にはもう遅かった。
瞬間、箱の中身が膨れ上がる。腕から上半身、下半身、手足とすぐに出来上がり最後には顔までも原型を取り戻した。
その姿は獣そのものだった。
「うーん。誰だお前ら?」
「わ、私達はき、君を保護しようと…」
人型の獣、人獣は言葉を発すると自身の首を鳴らして研究員達に近づく。
研究員達は、恐怖に負け腰を抜かして出口に向かって這って行った。
その時だった。
「どこ行くのー?」
言葉と同時に、研究員達の頭は空間を舞う。
血の雨が降り注ぐ中、人獣は飛ばした無数の頭を手に取りジャグリングの要領で遊び出す。
「暇だねぇ。下界にでも降りてもう1人の自分と合流するか」
そう言うと人獣は、コンクリートや鉄で出来た研究室の下にパンチを入れると、いとも簡単に壊し、そのまま下界に降りて行った。
◇◆◇
眼前、空中に浮かぶ女の子。
少年達は戸惑いを隠しきれない様子。
「ど、どーゆー事じゃ?」
「エスパー?」
空に浮かぶ女の子は、それを聞き反応する。
「私はアリス。遠い昔に造られた改造人間だよ」
依然、戸惑いを隠せない2人だったが銀髪赤眼の女の子は笑みを浮かべ高笑い。
「ビックリした?するよね!私もビックリしたもん!だって起きたら空飛べるんだよ?」
思いの外テンションの高いアリスに苦笑いを浮かべる二人。
やっと状況を飲み込んだ二人は女の子から詳しい話を聞き出した。
それによると、女の子は95年前、遺族達によく分からない石を飲まされてそのまま気絶。
目がさめると自分を浮かせたり、物を浮かせたり出来るようになっていたと言う。しかし、その力に恐怖を抱いた当時の貴族は剣聖と呼ばれていた謎の男にアリスを封印する様に頼み、あのガラスケースに無理やり入れられて、例の大剣で封印されたのだと言う。
「なるほど…つまりは人体実験に成功したが、失敗を恐れて封印したという事だよな」
「そーだねー!」
「拙者、その剣聖とかいう者に興味があるでござる」
「どうして?」
「剣聖は、イズヤと同じでその剣を触れていたって事だからじゃ何者なんじゃ…」
「てことは、そいつの正体が分かれば俺の正体も分かるのか!」
意見がまとまって行く一方で謎が増す。
イズヤは剣聖と呼ばれた男の謎を探し自身の力を知りハヤミの仇を取る為に。サクラはイズヤについて行きながらもマスターが死んだ原因の少年を探しに。
「アリス、お前はどうする?」
「私も行くよ!やる事ないし!」
アリスもついて行く決心。3人の目的が一つにまとまった。
「謎の男、剣聖を探しに行くぞ!!」
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