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第1部
武田さんとの待ち合わせ
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学校も特に何事もなく、ついに土曜日を迎える。
俺は現在待ち合わせ場所として有名な駅前の噴水の所で一人寂しく立っていた。
人を待たせるのは悪いと思って早く出たら想定より早くついちまった。約束より二十分ぐらい早い……
そう言えば昨夜、母ちゃんが「明日出かけるらしいね?誰と」と聞いてきたから、「クラスメートの女の子」と言ったら、最初「エミリアちゃん……じゃないのよね、やっぱり」と呆れた様子で言ってくるので、「そうだね」と頷いたら頭を叩かれて「女の子の気持ちを蔑ろにしては駄目よ」と五分ぐらい説教され、最後は俺からエミリアにデートに誘えと言われた。
まるで、エミリアが俺に恋しているみたいな感じじゃないか……母ちゃん、エミリアは俺の事を仲の良い幼馴染としか見ていないよと返そうと一瞬思ったが、さらに火に油を注ぐ事になりかねないので、口には出さなかった。
俺は空気を読める男だからね。
それにしても、今回武田さんの場合デートになるのかな?
武田さんは俺に告白してきたのだから好意がある訳だし、やはりデートになるのか?……それともただの買い物?
デートだとしても俺の服装問題ないよね?
俺は今更自分着てきた服を確認し始める。
今日の服装は黒のジーパンにデザインの入った白のパーカー。
今まで女の子と一緒に遊びにいくのって大抵エミリアかエミリアとその友人とだったから、おかしい点があれば家を出る前にエミリアが教えて直してくれていた。
女の子と出かけるので、幼馴染が関わっていないのは初めてだから、不安だ。
やはり、エミリアに今日、服のコーディネート頼めば良かったかな?
まあ、今更遅いけど。
考え事をしているうちに
「お待たせしました、八神君」
と声がかかる。
声がした方を向くと、そこには武田薫が立っていた。
「どうです?似合ってますか」
武田さんは白の長袖シャツに薄い青のジャケットを羽織り青いジーパンをはいた地味な格好だけどとても様になっている。
「とても似合っているよ」
と俺が言うと武田さんは満面の笑みを浮かべて「ありがとうございました」と答えてきた。
その微笑みに一瞬俺は見蕩れていた。
☆☆☆☆
エミリア視点
「やっぱり……」
あたし達は誠達からやや離れた地点で彼らの行動を見ていた。
当初は家族でお出かけぐらいかなと思っていたが、おばさまに聞いてみると違うみたいだったし、あたしとそこそこ仲の良い誠の友人に聞いてみても違うようだった。
彼らも他の誠の友人に聞いてみてくれたが、その日一緒に出かける人はいなかった。
考えられる可能性は武田さんぐらいだったので、もしかしたらと思い監視していたら見事ビンゴだった。
相手が他の男の子だったら何の問題もなかったのだけど
「どうするの?」
一緒に来てくれた親友である有坂・香が聞いてくる。
「とりあえず様子見。」
まあ、余程の事がない限り手を出す事はないけどね……あたしは嫉妬に身を任せて下手に手を出して好きな人に不愉快な思いをさせて嫌われるなんて愚行を犯すバカな女になる気など微塵もないのだから。
俺は現在待ち合わせ場所として有名な駅前の噴水の所で一人寂しく立っていた。
人を待たせるのは悪いと思って早く出たら想定より早くついちまった。約束より二十分ぐらい早い……
そう言えば昨夜、母ちゃんが「明日出かけるらしいね?誰と」と聞いてきたから、「クラスメートの女の子」と言ったら、最初「エミリアちゃん……じゃないのよね、やっぱり」と呆れた様子で言ってくるので、「そうだね」と頷いたら頭を叩かれて「女の子の気持ちを蔑ろにしては駄目よ」と五分ぐらい説教され、最後は俺からエミリアにデートに誘えと言われた。
まるで、エミリアが俺に恋しているみたいな感じじゃないか……母ちゃん、エミリアは俺の事を仲の良い幼馴染としか見ていないよと返そうと一瞬思ったが、さらに火に油を注ぐ事になりかねないので、口には出さなかった。
俺は空気を読める男だからね。
それにしても、今回武田さんの場合デートになるのかな?
武田さんは俺に告白してきたのだから好意がある訳だし、やはりデートになるのか?……それともただの買い物?
デートだとしても俺の服装問題ないよね?
俺は今更自分着てきた服を確認し始める。
今日の服装は黒のジーパンにデザインの入った白のパーカー。
今まで女の子と一緒に遊びにいくのって大抵エミリアかエミリアとその友人とだったから、おかしい点があれば家を出る前にエミリアが教えて直してくれていた。
女の子と出かけるので、幼馴染が関わっていないのは初めてだから、不安だ。
やはり、エミリアに今日、服のコーディネート頼めば良かったかな?
まあ、今更遅いけど。
考え事をしているうちに
「お待たせしました、八神君」
と声がかかる。
声がした方を向くと、そこには武田薫が立っていた。
「どうです?似合ってますか」
武田さんは白の長袖シャツに薄い青のジャケットを羽織り青いジーパンをはいた地味な格好だけどとても様になっている。
「とても似合っているよ」
と俺が言うと武田さんは満面の笑みを浮かべて「ありがとうございました」と答えてきた。
その微笑みに一瞬俺は見蕩れていた。
☆☆☆☆
エミリア視点
「やっぱり……」
あたし達は誠達からやや離れた地点で彼らの行動を見ていた。
当初は家族でお出かけぐらいかなと思っていたが、おばさまに聞いてみると違うみたいだったし、あたしとそこそこ仲の良い誠の友人に聞いてみても違うようだった。
彼らも他の誠の友人に聞いてみてくれたが、その日一緒に出かける人はいなかった。
考えられる可能性は武田さんぐらいだったので、もしかしたらと思い監視していたら見事ビンゴだった。
相手が他の男の子だったら何の問題もなかったのだけど
「どうするの?」
一緒に来てくれた親友である有坂・香が聞いてくる。
「とりあえず様子見。」
まあ、余程の事がない限り手を出す事はないけどね……あたしは嫉妬に身を任せて下手に手を出して好きな人に不愉快な思いをさせて嫌われるなんて愚行を犯すバカな女になる気など微塵もないのだから。
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