平凡な王太子、チート令嬢を妻に迎えて乱世も楽勝です

モモ

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第1部 第2章

三務卿会議(上)1056年11月14日

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 ナーロッパ歴1056年11月14日18時


 アルベルトは三務卿、つまり軍務卿、内務卿、外務卿の3人とアルベルト自身の4人で夕食兼会議をとっていた。他に陪食者はおらず、それどころか最初に全品を配膳させると、給仕や護衛まで下がらせた。異例ではあるが、話の内容が国家機密そのものなので仕方ない。

「皆、もう一度集まってもらってすまない。」

 アルベルトが軽く頭を下げると軍務卿であるレーベン伯が
「いえ。デーン王国やオレンボー辺境拍方面を無力化は重要な問題です。」
 と答える。
 内務卿アメルン伯、外務卿ラーセン侯も頷いた。

「早速であるが本題に入ろう。デーン王国全体か、オレンボー辺境拍等の一部の諸侯らの独断の場合が考えられるが、まずデーン王国王宮が動いていたと仮定していこう。皆の意見を聞きたい。」
 アルベルトの言葉で会議が始まるとまず軍務卿が口を開く。
「まず、2つのパターンを考える必要があると思います。デーン王国全体か、オレンボー辺境拍等の一部の諸侯らの独断の場合か……」

「軍務卿の言う通りだな。まず、デーン王国王宮の意思の場合の対策を考えよう」
 とアルベルトは口にする。

「そうですな。この件関してはデーン王国王宮は現状2派閥に別れています。ですので、言葉は悪いですが、どちらかの派閥を買収すれば宜しいかと思われます。」
 と外務卿が口にすると内務卿も
「その通りですな。」
 と同意を示し、軍務卿も異論を唱えなかった。

「我もそう思う。問題はオレンボー辺境拍単独であった場合、どのように買収するかだが……何か意見はあるか?」

「ユクド半島南部は飢饉が続いておりますので、穀物を中心にディールにのせれば良いかと考えます。」
 と外務卿が提案する。
 オレンボー辺境拍の領地はユクド半島南部であり、3年前から飢饉が続いており、食糧事情は最悪と言って良い。オレンボー辺境伯も私財をはたいて穀物を調達してきたが、それでも3年続くと辺境伯の財布も厳しくなるし、かなりの餓死者も出てる。
 交渉カードとしてかなりの価値がある事はアルベルトも三務卿も否定できる物ではなかった。

 軍務卿は頷きながら
「成程。確かにそれが無難でしょうな。軍務省は109万プントの備蓄はありますが、内務省が管理している備蓄糧食はいくらぐらいあるのですか?」
 と尋ねる。
 ちなみに108万プントは1万の兵を動員し、第1艦隊を遠征に出したとしても3ヵ月は戦えるぐらいの兵糧である。
「正確な報告は出来ませんが、現在内務省が備蓄している穀物は約3千万プントと言った所であり、ソーセージやハム、チーズ等は若干備蓄がある程度です。市場から購入すれば調達可能ですが、購入しすぎれば穀物価格が上昇しすぎる可能性もあります。追加購入は慎重にすべきかと……」
 穀物の市場価額が上昇すれば民衆の不満が一気に高まり、それが後々までの強い不安要素となる可能性が強まる事を考えればこの会議参加者の中に安易に国内から追加調達せよと言える物ではなかった。
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