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籠城後編
籠城⑧
しおりを挟む夜を迎え何処からか虫の声が聴こえる静かな夜
何時もあった風景に自然の音
それと混じりゾンビの声もした。
気温は下がり冬を迎えようとしていた。
夜は危険だ……ライトもない月が出ない闇は漆黒、
自分の手の先も見えない状況だ。
獣なんかに襲われた日には何をされているか
わからないまま奴らの餌になる、彼等は人間と違い
サバイバル生活が通常で、平和な文明の元、
生きてきた我等人間の立場は太古に戻り低い。
人は夜に自在に活動出来る作りにはなってはいない
寒さにしろ同じだ。
発汗作用には長けてると言ってもいいが発熱自体の
機能は低い……
人は身も心も寒さには弱いものなのだろう。
ライトを天井にぶら下げ辺りにあるゴミから光を
分散させる工夫をする、懐中電灯の光は分散され
蛍光灯の様に辺りを照らす。
薪をくべ、暖を取とり、鍋に水を入れ貰った古米を
流し込む、充分に水分をとった米は美味しそうな
茹で具合だ。
ゴクリと唾を飲み込むも我慢、もっと湯がきハクの
喉を通り易い位に柔らかくする、手に入れた塩を
まぶし、ナイフで削った木の棒でかき混ぜ、
その間にカボチャを切った、
細かく、それを鍋に放り込み再び湯がく
簡素なカボチャスープの出来上がりだ。
「絶品とは言えないが今日は塩もある」
こんな時代だからこその調味料の有り難さを
痛感する、美味しい食事は食欲を増進させ、
必要とされる栄養を更に一口増やせる事こそが
健康や体力、生きる気力に繋がると言っても
過言では無い。
満足げな表情でハクの体を起こし顔を上げさせる
先ずは水を飲ませて喉を潤わす、食べ物が喉に
引っかからない様に
スプーンに取ったスープを冷まし少しずつ本能で
口に入れたものを飲み込むのを加減する
ゆっくりと丁寧に……時間をかけて
「ほらポーションだ食え……」
手をハクのオデコに置き熱を測る
「熱は……まだあるが最初よりはだいぶ下がったな
良かった……」
クリスの腹が鳴る
出来上がったカボチャスープをほんの少し口に入れ
ゆっくりと胃に流し込む、そのたった一口以外
クリスは食事に手を付けない。
食料も乏しい、ハクを置いて捜索するにも
難しい状況に彼が起きた時に食べれる分だけ
食べてもらい、
一刻も早く体調が良くなる事だけを願った。
再び寝かし布団を掛けた後、銃の手入れを始める
「弾は後1発……良かった照子さんに会えて
これでハクも元気になる筈だ」
寝ているハクに語りかけた
「ハク、すまなかった……そして有難うな、
心から感謝する。
お前のお陰で俺は俺を取り戻せた……
お前に取っては何時もの事なんだろうけどな
晴も……今思い出したよ、振り返ったら、俺の仲間
にもそういう奴がいたのかも知れないな……
俺は人が嫌いだ……だから人を極力見ない様に
して生きてきた」
「忘れようとした記憶もあったよ、目を背けてた
いや自分を保つために封印してたのかもしれない
あの時のアイツも……あの人も……」
「……」
「だが大抵はクソがいる事も真実だろう……」
薪に手をやり炎にくべる、パチパチと音を立て
燃える火に手をあてがう。
「寒いな……今日は」
布団に手を入れ暖かさを確かめた。
「アンカ代わりのペットボトルを出し
再び沸かしたお湯をそっと布団に入れる。
「お前が元気になったら俺は去る……
迷惑掛けたな……二度とお前の前に現れる気は無い
俺なりの償いだ、仲間に入れてくれなんて
図々しい事、口が裂けても言えな……いからな」
「だがもし何かあった時、其れを俺が知る事が
出来たなら必ずお前を助けさせてくれよな」
「……んな上手いこと無いか」
「……恩も返せない、出来ないのか俺は」
独り言を繰り返すクリスは空を見上げ月を
見あげると丸い月が眩く見え彼の闇を
軽減してくれているようだった。
弾を抜いた短銃を手にハクに向ける
「……狙ってたんだよなぁ、こうなった今が
信じられねぇ」
(……撃たなくて良かった)
その瞬間、頬に冷たい物体が押し当てられ
クリスの背後から男の声がした。
謎の声「銃を下ろせテメェ……」
クリス(なに!俺が背後を取られるなんて……
クソ!野盗か?マズいハクが動けない今
俺が負ける事は許されない!)
クリスは瞬時に振り向き様に手で棒を払った、
その瞬間手に激しい激痛が走る、
クリス「チッ!」
その棒はバットだった、
先端部分に釘が打ち込まれた凶悪な物である。
クリスは怯む事なく腰に携えたナイフを抜き
応戦態勢に入った、素早くナイフを握ったままの
拳で殴る様に反撃を繰り出すも男はそれを避けた。
クリス(コイツ反応が早い!)
瞬時に敵の持つバットがクリスの脇腹に向け
繰り出される、空気をも殴るかの様な唸るバットを
避ける間も無く左手の腕で辛うじて止めたが、
勢いは止まらない、即座に受けた左手を右手で
支える形を取るクリス
……が衝撃は強く、腕に釘が刺し込んだ。
クリス「グッ……」
だが怯みはしない、即座に空いた右足で男を
蹴り上げた、男もその蹴りを両腕で受けるも
衝撃で後退りする。
暗闇に焚き木の灯り、そして雲に隠れていた月が
2人の顔をあらわにする。
謎の男「テメェやるな……」
クリス「テメェやるな……」
対峙する2人、力は互角を悟る双方は警戒し
距離を取りながら徐々に距離を縮める。
クリスが着ている服の袖をナイフでちぎり、乱暴に
左手に巻く、バットの釘へのダメージを避ける為だ
2人は円を描く様に慎重に互いの動向を探る、
獲物の長さはバットが有利が必然、
クリスは受けてからの反撃に備え構えを変える。
逆に男はナイフ相手に有利なバットによる遠距離
射程ギリギリを見極める。
先程と違い振り回すから突き出す様に構えを変えた
クリス(ナイフに対し距離を取る攻撃に変えたか
やるな……冷静だ、こりゃレベル高いぞコイツ)
受けに徹するクリスも迎撃する構えに力が入る、
持ち手のナイフを上向きから下向きに変え
左手を前に右手を少し引いた感じで交差させる。
男(素人じゃねーなコイツ、隙が無い……
構えからして慣れた感がプンプンするぜ)
(だが有利は此方だ、一気にいかせてもらうぜ)
男が握るバットから軋み音が聞こえたかと思うと
一気に踏み込んだ、バットの先端がクリスの顔面
目掛け一直線に突き出された、
クリスは後方へ半歩引きながらも構え通り
左手で其れを流すと体ごと男に向かい突進する。
バットの突きは思ったより重く受けた腕ごと
弾かれそうになるも実戦で鍛えた体幹と
勘で一気に前進する。
ーー距離は近接に変化したーー
有利になったクリスのナイフの連続攻撃、
男は一撃目の突きを体を捻り躱す、
すぐ様クリスの左手のナイフが男の心臓目掛け
襲いかかるも男は瞬間バットを短く持ち替えた
持ち手のバットを素早く回転させる。
先のバットの太く釘の刺さった部分でナイフを受け
右手でクリスの顔面に強烈なパンチを喰らわす
更に拳に体重を乗せ、えぐり込む様に叩き込んだ。
クリスも殴られた瞬間に下方向に倒れる勢いを
利用し身を翻しながら縦に弧を描く様な
浴びせ蹴りを男の顔に叩き込む、
双方が地面へと派手に倒れた。
素早く体勢を整え再び対峙する。
互いが口から出る血を手で拭い睨み合う
時間が過ぎる……
クリス「……強い」
謎の男「強い……」
クリスは先制攻撃をしようと体が動く瞬間
対峙する2人の後方からガサガサと音がした
互いは即座に音に反応し素早く
ハクの寝ている布団に駆け寄り守る様に
音のする方向へと構えた。
謎の男「仲間か!」
クリス「仲間か!」
謎の男「絶対にコイツは殺させねぇ!」
クリス「絶対にコイツは殺させねぇ!」
謎の男「……ん?」
クリス「……ん?」
仲良く並ぶ様に音のする方へ向かい構える
双方が状況を理解出来ずに顔を見合わせた。
謎の男「……んん?」
クリス「……んん?」
そして彼等の前に音のする原因の猫が降りてきた
同時にハクの声が背後からがした。
ハク「どうしたの?二人共……」
二人は同時に振り返りハクの顔を見て、
更に双方が顔を見合わせた。
クリス「……んんん?」
謎の男「……んんん?」
状況が飲み込めないクリスと謎の男
だが双方、守る相手がハクと言う共通点だけは
理解した。
そう謎の男は待ち合わせしていた荒木誠だった。
【今日のポイント】
漆黒の闇、町に住み人の生活は電気とは欠かせない
何処に行っても電灯や自動販売機、信号等が
あり暗闇を知る人は少ないと思う。
田舎や山の中の闇は黒そのものだ。
月明かりのない闇は歩くのすらままならない
人はサバイバルに入ると自然社会では体の大きい
力自慢であろうが脆く弱い、野犬にも勝てない。
噛まれたとしても痛みが走るだけで何処から襲って
くるかわからないものに対して恐怖というもの
を自覚して行動せねばならない。
それはきっと電気だけでなくガス、水道、人は
不便である、一度崩れた文明を失わないために
今一度色んなものを考えていきたい。
特に闇夜にはソーラー蓄電する街灯等、見たことが
あると思う、価格も安く、電池もいらない、
明るさも電灯なみのものもある、いつ救助が
来るか解る時ならいいが、田舎や都会でも
道が分断される災害は過去いくつもあった。
ライト一つにしろ形状や種類も豊富だ。
目的が前方に向け、明るさを集約させるタイプの
懐中電灯、それを天井にぶら下げ、室内の明るさを
確保するのも良いが、一捻りし反射する鏡や、
陶器、紙等なんでも良い、光を分散させると光は
生活しやすい電灯へと変わる。状況に応じて頭を
使いより良い生活を心がける事が、後の状況判断の
正確さや、安眠による体力の温存、また心の余裕に
繋がる、日々視野を広く取る訓練にもなる。
常時物事を考える事は筋肉と同じく鍛える事が
出来る。ハクが常時変化する状況で同じ作戦を
取らない事が多いのは物資の少なさもあるが、
常にソレを鍛える為でもある。
そしてソーラー蓄電は外に出して置いても不便性の
少ない防災対策として運べるかわからない状況下
での常備より確実性が高いのでお勧めする。
明るさは犯罪を抑制し、人から暗闇の恐怖を
和らげる、理不尽な暴力は人間のみならず
獣も同じだ。欲望にかられ暴力に頼るものは
全て獣だ、人では無い。
0
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