貴方が呼んでくれるから

ツナコ

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 またそのまま寝落ちてしまった律の顔と身体を拭いてパジャマを着せ、颯真も着替え律を腕枕に包みながら横になる。

 律の長い睫毛にキスをして、

 「…このまま、何も思い出さないでくれればいいのにな…」と呟きながら、目を瞑った。





 次の日は朝から晩までずっと部屋に篭り切り。

 朝起きてセックスしてシャワーを浴び、颯真が作った軽食を食べ、テレビを見ていたらまたイチャイチャしてセックス。

 そのままベッドで微睡ながら、

 「ねぇ、俺たちって付き合ってどのくらい?」
 
 「…1ヶ月くらいかな」

 「本当に?まだそんななんだ…。
 俺のどこが好きなの?」

 すると颯真は嫌な顔をして、

 「…言いたくない」

 「えー、教えてよ」

 その後もしつこく問いただすと、渋々と、

 「まず、顔が好みだった…それから、目」

 「目?」

 「そう、世の中の酸いも甘いも知り尽くして、なんだか諦めたような目、それに惹かれた」
 
 「えー…」俺そんな目なの??

 「それから…優しかった」

 「俺?優しい?」

 「…ああ。
 俺はプライドが高くて意地っ張りで、人に好意を見せることも苦手だ。
 近寄ってくる女や男もどうせ金目当てだろうし俺を好きな奴なんていないだろと思ってた。
 …お前も俺のこと、好きじゃなかったかもしれない。
 でも、お前は根が優しいんだろうな。
 暖かい気持ちになったんだ、お前といると…」

 「…そうなんだ…」

 なんだか、嬉しいような、照れるな…。

 颯真はそんな俺をぎゅっと抱きしめて、

 「…お前が俺を好きだと思えなくても、それでも、側にいてくれないか。
 このまま、ここにいて欲しい」

 「…俺も好きだから、つきあったんじゃないの?
 …でも、確かに、俺、颯真への気持ちはまだよく分からないんだ。
 …こんな何回もセックスしてるのにね」

 「…セックスの相性はいいようだな」

 「ええ!」まあ、でも、確かに、そうかも…。

 「い、いや、でも、もちろん嫌いじゃないよ!
 嫌ならとっくにお礼言って家から出てる」

 「…ここを出るのは危ない。
 お前、記憶戻ってないだろう?」

 ドキ

 「う、うん…」

 「空白の記憶があるまま一人にはさせられない。
 頼むから、回復するまでは少なくともここにいてくれ」

 まあ、少し、思い出してはいるけど…

 「…分かった。
 でも、全部思い出したら俺ここからは出るよ。
 颯真にお世話になりっぱは良くないし」

 「…どこへ行くつもりだ?」

 「記憶もないしまだわかんないけど、とりあえず住むとこ探して、あと仕事…」

 「…前働いてたカフェは今改装中で一時閉店だぞ」

 「そうなんだ。
 じゃあ、何か仕事を探さなきゃ…」

 「…律は、昔、何かなりたかったものはないのか?」

 「将来?うーん、なんだろう…」

 俺はぱっと思いついた。

 「そうだ。
 近所の薬局のおばさんが出してくれたハーブティーが美味しくて、ハーブティーの専門店をやりたいなと思ってたんだ…まあ、漠然としてて、どうやってなるのかも分からないままだけどね」

 と苦笑する。

 「そうか…初めて聞いたな」

 彼は目を丸くして驚いていた。

 「まあ、学生の頃のちょっとした夢だよ」

 「でも、律は今でも好きなんだな、ハーブティー」

 「そだね」

 「…具体的に考えてみたらどうだ?
 時間はたっぷりあるんだから。
 俺も手伝うぞ」

 「金とかはいいからね!
 結構貯金あったし。…でも、そうだね。
 ちょっと考えてみようかな。
 その時は、相談だけ乗ってよね」

 そう微笑むと颯真は俺をじっと見て、

 「…了解」と口角を上げた。

 「…ところで、お前が可愛くてまた勃ってきた」
 え?

 「え?嘘~」

 「本当だ。ほら」

 と俺に下半身を押し付ける。

 硬くなり始めた彼のモノを感じる。

 「え~、俺、腹減った…」

 「あと一回だけ。
 終わったら美味いステーキ焼いてやるから…、というか、お前だってちょっと硬くなってる…」

 そう言いながら陰茎と後孔を同時に弄られると俺も段々その気になってくる。

 なんだかんだいっても、颯真との体の相性は実際凄くいいんだよな…、そう思いながら俺は彼の浅黒い滑らかな胸筋に顔を埋めて、

 「…もう一回だけだよ」

 と濃密に絡み合い、その後がっつりとステーキを食べてまたベッドにもつれ込むのだった。
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