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これまでのこと、これからのこと、いろいろなことを考えて、まず何をするか…。
小一時間くらいして起き上がると、暖くんは細かな食器類とかを片づけていた。
「…暖くん」
「!律、体調はどう?」
振り返って俺を心配そうに見る暖くん。二重のすっきりとした黒目がちな目、通った鼻筋、均整のとれた体つき、本当かっこいい人。
俺はあの頃夢中だった。
「うん、大丈夫。
…あの、暖くん、俺ちょっとshock行ってくるわ」
「行くの?」
「うん。
あと…、俺、やっぱここには住まない」
「え?」「…俺、全部記憶戻って、思い出したんだ。
俺、もう暖くんのことは思い出にしてたんだって」
「……」
暖くんと離れて1年間、俺はもうふっきっていた。
そして、新しい恋を胸に秘めていたんだ…。
「…ごめんね、暖くん」
「…いーや、俺がバカだったんだ。
出世なんかに目が眩んで、律をないがしろにしてから、律の大事さにようやく気がついたんだからさ。
…ね、律、誰が好きな奴いるの?」
「うん…、まあ、多分もうダメかもだけど。
その前に片付けなきゃいけない事あって」
「そうか。
…じゃあ、俺たち、友達にはなれる?
これからも、連絡してもいいかな?」
「もちろん。
暖くんとは、親友になれそう。
…また、電話する」
そう言って俺はマンションを後にした。
さて、とりあえず、店に向かうか…。
俺は地下鉄に乗り、新宿で降りてshockへ向かった。
到着して向かいのコンビニのイートインスペースでコーヒーを飲み、マスクをしながら張り込む。
時刻は17時。
そろそろ現れるかもだけど…。
17時半をすぎて、もしかして見逃したかも、と思い店を出て、shockの入ってるビルへ入った。
8階のこじんまりとした事務所に入ると
「りっくん!」
と客引きのスタッフやマッサージ専門のお兄さんなど、顔見知りがいて挨拶する。
奥に、どこかに電話中のオーナーがいた。
終わるのを待って一応
「お久しぶりです」と挨拶する。
「おー、久しぶり。どうだ?体調は?」
「もうすっかり大丈夫、です」
オールバックで固めたマッチョな渋オジは、明らかに普通の社会人ではなさそうだが、これでタチもネコもいけるバリバリのゲイ。
怖そうな見た目とは違い優しい男で、俺の初めての男でもある。。
「そーかそーか。
…藤田さんからの頼みで今は、休店中って事になってる。律、お前、どうしたい?」
「……俺は、今日、最後の挨拶に来ました。
…今まで、お世話になりました」
上京してこの店で働いて3年ちょっと、職業はアレでも、オーナーを始め、周りの皆は優しくていい人達だった。
俺の節くれだってた心が少しずつ癒されていく気がした。
「…そーか。うん。それがいい」
「…オーナー…」
「律は、頑張って働いて、金貯めてきたもんなぁ。
売れっ子でも驕らず皆に変わらず気を使って…派手な遊びもせず狭いマンションで慎ましく暮らしてた。
…こんなとこに三年もいたんだ。
どこでだってお前はうまくやっていける。…頑張れよ。
何かやりたい事あんだろ?」
「やりたい事…まあ、あるのかなぁ。
手探りですけど…」
「はは、そーか。
ナンバーワンがいなくなるとうちとしては猛烈に痛いけどなぁ、まあ、頼もしい藤田さんがついてくれてんだ。頑張れよ」
「…ありがとうござい、ました」
オーナー、颯真のこと知ってるんだ。
どんなかかわりが?
まぁ、俺はもう会えないかもしれないけど…、オーナーは最後の機会だと思ったのか今までの俺との思い出話に花を咲かせる。
結構長く滞在してしまった。
いろいろあったよなぁ…、そこで俺は今けりをつけなきゃいけないことを思い出した。
小一時間くらいして起き上がると、暖くんは細かな食器類とかを片づけていた。
「…暖くん」
「!律、体調はどう?」
振り返って俺を心配そうに見る暖くん。二重のすっきりとした黒目がちな目、通った鼻筋、均整のとれた体つき、本当かっこいい人。
俺はあの頃夢中だった。
「うん、大丈夫。
…あの、暖くん、俺ちょっとshock行ってくるわ」
「行くの?」
「うん。
あと…、俺、やっぱここには住まない」
「え?」「…俺、全部記憶戻って、思い出したんだ。
俺、もう暖くんのことは思い出にしてたんだって」
「……」
暖くんと離れて1年間、俺はもうふっきっていた。
そして、新しい恋を胸に秘めていたんだ…。
「…ごめんね、暖くん」
「…いーや、俺がバカだったんだ。
出世なんかに目が眩んで、律をないがしろにしてから、律の大事さにようやく気がついたんだからさ。
…ね、律、誰が好きな奴いるの?」
「うん…、まあ、多分もうダメかもだけど。
その前に片付けなきゃいけない事あって」
「そうか。
…じゃあ、俺たち、友達にはなれる?
これからも、連絡してもいいかな?」
「もちろん。
暖くんとは、親友になれそう。
…また、電話する」
そう言って俺はマンションを後にした。
さて、とりあえず、店に向かうか…。
俺は地下鉄に乗り、新宿で降りてshockへ向かった。
到着して向かいのコンビニのイートインスペースでコーヒーを飲み、マスクをしながら張り込む。
時刻は17時。
そろそろ現れるかもだけど…。
17時半をすぎて、もしかして見逃したかも、と思い店を出て、shockの入ってるビルへ入った。
8階のこじんまりとした事務所に入ると
「りっくん!」
と客引きのスタッフやマッサージ専門のお兄さんなど、顔見知りがいて挨拶する。
奥に、どこかに電話中のオーナーがいた。
終わるのを待って一応
「お久しぶりです」と挨拶する。
「おー、久しぶり。どうだ?体調は?」
「もうすっかり大丈夫、です」
オールバックで固めたマッチョな渋オジは、明らかに普通の社会人ではなさそうだが、これでタチもネコもいけるバリバリのゲイ。
怖そうな見た目とは違い優しい男で、俺の初めての男でもある。。
「そーかそーか。
…藤田さんからの頼みで今は、休店中って事になってる。律、お前、どうしたい?」
「……俺は、今日、最後の挨拶に来ました。
…今まで、お世話になりました」
上京してこの店で働いて3年ちょっと、職業はアレでも、オーナーを始め、周りの皆は優しくていい人達だった。
俺の節くれだってた心が少しずつ癒されていく気がした。
「…そーか。うん。それがいい」
「…オーナー…」
「律は、頑張って働いて、金貯めてきたもんなぁ。
売れっ子でも驕らず皆に変わらず気を使って…派手な遊びもせず狭いマンションで慎ましく暮らしてた。
…こんなとこに三年もいたんだ。
どこでだってお前はうまくやっていける。…頑張れよ。
何かやりたい事あんだろ?」
「やりたい事…まあ、あるのかなぁ。
手探りですけど…」
「はは、そーか。
ナンバーワンがいなくなるとうちとしては猛烈に痛いけどなぁ、まあ、頼もしい藤田さんがついてくれてんだ。頑張れよ」
「…ありがとうござい、ました」
オーナー、颯真のこと知ってるんだ。
どんなかかわりが?
まぁ、俺はもう会えないかもしれないけど…、オーナーは最後の機会だと思ったのか今までの俺との思い出話に花を咲かせる。
結構長く滞在してしまった。
いろいろあったよなぁ…、そこで俺は今けりをつけなきゃいけないことを思い出した。
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