29 / 35
29
しおりを挟む
そこはまた白い病室。
横には颯真…ではなく、秘書の八乙女さんがいた。
「…目が覚めましたか」
「…俺…」
「麻酔薬を嗅がされて具合が悪くなったようです。体調はいかがですか」
「ん…大丈夫、です。あの…」
「…副社長は今電話しに外に行ってます。
まもなく戻ります」
「…あの時颯真が来てくれたんですね。
俺、幻かと思って」
「…あの店には、貴方がマンションを出てから、副社長が貴方が来たら連絡してもらうようオーナーにお願いしていたらしいです。
それで、電話を貰って駆けつけたらあんな事に」
そういえば、オーナー、俺が行った時電話してたな…。
「そうだったんですね…」
八乙女さんはため息をついた。
「…貴方には、やはり敵いませんね」
「え?」
「あんなに取り乱す副社長は二度目です。
前に貴方が転落した時と、今と」
「……」
「…何故貴方がいいのか。
外見なのかセックスの相性なのか、貴方の良さが分かりません。
が、私は取り敢えず身を引きます。
…颯真さんは、貴方がいいと。
玉砕しましたので」
「……」
「…秘書は継続させてもらいますが、彼への思いは断ち切るよう努力します。
…ま、思い出にキスはいただきましたのでね」と言って軽くウインクする八乙女さん。
真面目な容姿とのギャップに俺は思わず笑ってしまった。
「あははっ、八乙女さん、かわいー」
「!可愛いって貴方は…!」
そこで病室のドアが開き、颯真が顔を出した。
「律…!目が覚めたか」
「颯真、うん…」
そこで八乙女さんが入れ替わりに外へ出る。
颯真は近くの椅子に腰掛けた。
「…具合は悪くないか?」
「うん。大丈夫」
「そうか…。
俺、何とかお前ともう一度話したくて、でも連絡の手段がなくて、オーナーにお願いしたんだ。来たら連絡もらえるように…。
悪かったな。
…でも。そうしたらあんな場面で、前と同じような。俺、パニックになった…」
「…石原さんは?」
「あの男か?警察に連れていってもらったぞ。
…お前が目覚ましたから、これから俺も警察に行く。
…あいつにはきっちり裁きを受けてもらうから」
「うん…。颯真、ありがとう。
前も、さっきも、助けてくれて…」
「…いや。そんな事はいい、当たり前だ。
…前も、お前と話したくてshockに来たんだ。
そうしたら上で凄い音がしたからいってみたらお前が倒れてて…、俺はお前が死んだと思って、どうしようと気ばかり焦って。
…記憶を失くしたと聞いた時、俺は心配しながらも、これで俺達の出会いをやり直せると心の底で期待した。
俺は…前にも言ったけど、本当に、一目惚れだったんだ、律…」
「…うん……」
「…嘘をついて本当に悪かった。
あんなに俺を嫌っていたお前が、俺と恋人同士だなんて。
それも、記憶を失くしてたお前を言いくるめて抱いてしまった…。
本当に、すまなかった。
お前に好きな人がいたって聞いて、目の前が真っ暗になった。
けど、最後にどうしても謝りたかった。
俺、お前と話して、それでお前の喜ぶ顔を見たくてって思ってたのに、嫌な言い方しかできなくて、ごめん…」
そこまで一気に言った颯真はしゅんと俯いている。
何だか可愛い、と思ってしまった俺は意地悪をしたくなった。
「…俺が荷物取りに行った時、八乙女さんとキスしてたね。あれってどうなの」
「…!見てたのか。悪い。
あ、あれは不意打ちで、仕方なかったというか…、…優希の気持ちにずっと気づけなくて申し訳ないと謝ったが、俺は…お前がやはり好きだと言った」
切れ長の真っ直ぐな澄んだ瞳に見つめられて、俺もついに降参した。
「…嫌いじゃないよ、颯真」
「え?」
「確かに最初は腹立ってたけど、いつも、颯真は俺のこと考えてくれてた。
俺、図星言われて八つ当たりした。
俺こそごめん。
俺、ずっと自分が悪いって、自分がいやらしいからこんな目にあうんだって思ってて、だから、ウリ専も抵抗なくできたけど、颯真のおかげで考え直すことができたんだ。
初めて俺に言ってくれた。
俺は悪くないって、自分を大事にしろって…。
そう言ってくれた颯真が…俺、いつの間にか好きになってた。
過去の人を思い出にして、俺は颯真のこと好きになってたんだ」
「り、律…?」
「颯真のこと、大好き。
だから…、俺の、本当の恋人になってくれる?」
颯真の目を真っ直ぐ見つめながら告白した。
こんな告白したの生まれて初めてだな…。
颯真は照れている俺を見ながら固まっている。
「颯真?」
「…今この時が夢じゃないかと疑ってしまった。…夢じゃ、ないんだよな?」
ウンウン頷く俺を颯真はぎゅっと抱きしめた。
「律!…ありがとう。大事にする。
…愛してる」
「うん、俺も…愛、してる…」
お互い抱き合っていると、
「河合さん?起きてますかー?」
と恐らく看護師さんと思われる声がしドアがガラッと開く。
その瞬間にパッと俺達は離れた。
瞬間に、
「…恋人えっち、早くしたい…」
と耳元で囁くと、
「律…」
と真っ赤な顔で颯真は絶句するのだった。
横には颯真…ではなく、秘書の八乙女さんがいた。
「…目が覚めましたか」
「…俺…」
「麻酔薬を嗅がされて具合が悪くなったようです。体調はいかがですか」
「ん…大丈夫、です。あの…」
「…副社長は今電話しに外に行ってます。
まもなく戻ります」
「…あの時颯真が来てくれたんですね。
俺、幻かと思って」
「…あの店には、貴方がマンションを出てから、副社長が貴方が来たら連絡してもらうようオーナーにお願いしていたらしいです。
それで、電話を貰って駆けつけたらあんな事に」
そういえば、オーナー、俺が行った時電話してたな…。
「そうだったんですね…」
八乙女さんはため息をついた。
「…貴方には、やはり敵いませんね」
「え?」
「あんなに取り乱す副社長は二度目です。
前に貴方が転落した時と、今と」
「……」
「…何故貴方がいいのか。
外見なのかセックスの相性なのか、貴方の良さが分かりません。
が、私は取り敢えず身を引きます。
…颯真さんは、貴方がいいと。
玉砕しましたので」
「……」
「…秘書は継続させてもらいますが、彼への思いは断ち切るよう努力します。
…ま、思い出にキスはいただきましたのでね」と言って軽くウインクする八乙女さん。
真面目な容姿とのギャップに俺は思わず笑ってしまった。
「あははっ、八乙女さん、かわいー」
「!可愛いって貴方は…!」
そこで病室のドアが開き、颯真が顔を出した。
「律…!目が覚めたか」
「颯真、うん…」
そこで八乙女さんが入れ替わりに外へ出る。
颯真は近くの椅子に腰掛けた。
「…具合は悪くないか?」
「うん。大丈夫」
「そうか…。
俺、何とかお前ともう一度話したくて、でも連絡の手段がなくて、オーナーにお願いしたんだ。来たら連絡もらえるように…。
悪かったな。
…でも。そうしたらあんな場面で、前と同じような。俺、パニックになった…」
「…石原さんは?」
「あの男か?警察に連れていってもらったぞ。
…お前が目覚ましたから、これから俺も警察に行く。
…あいつにはきっちり裁きを受けてもらうから」
「うん…。颯真、ありがとう。
前も、さっきも、助けてくれて…」
「…いや。そんな事はいい、当たり前だ。
…前も、お前と話したくてshockに来たんだ。
そうしたら上で凄い音がしたからいってみたらお前が倒れてて…、俺はお前が死んだと思って、どうしようと気ばかり焦って。
…記憶を失くしたと聞いた時、俺は心配しながらも、これで俺達の出会いをやり直せると心の底で期待した。
俺は…前にも言ったけど、本当に、一目惚れだったんだ、律…」
「…うん……」
「…嘘をついて本当に悪かった。
あんなに俺を嫌っていたお前が、俺と恋人同士だなんて。
それも、記憶を失くしてたお前を言いくるめて抱いてしまった…。
本当に、すまなかった。
お前に好きな人がいたって聞いて、目の前が真っ暗になった。
けど、最後にどうしても謝りたかった。
俺、お前と話して、それでお前の喜ぶ顔を見たくてって思ってたのに、嫌な言い方しかできなくて、ごめん…」
そこまで一気に言った颯真はしゅんと俯いている。
何だか可愛い、と思ってしまった俺は意地悪をしたくなった。
「…俺が荷物取りに行った時、八乙女さんとキスしてたね。あれってどうなの」
「…!見てたのか。悪い。
あ、あれは不意打ちで、仕方なかったというか…、…優希の気持ちにずっと気づけなくて申し訳ないと謝ったが、俺は…お前がやはり好きだと言った」
切れ長の真っ直ぐな澄んだ瞳に見つめられて、俺もついに降参した。
「…嫌いじゃないよ、颯真」
「え?」
「確かに最初は腹立ってたけど、いつも、颯真は俺のこと考えてくれてた。
俺、図星言われて八つ当たりした。
俺こそごめん。
俺、ずっと自分が悪いって、自分がいやらしいからこんな目にあうんだって思ってて、だから、ウリ専も抵抗なくできたけど、颯真のおかげで考え直すことができたんだ。
初めて俺に言ってくれた。
俺は悪くないって、自分を大事にしろって…。
そう言ってくれた颯真が…俺、いつの間にか好きになってた。
過去の人を思い出にして、俺は颯真のこと好きになってたんだ」
「り、律…?」
「颯真のこと、大好き。
だから…、俺の、本当の恋人になってくれる?」
颯真の目を真っ直ぐ見つめながら告白した。
こんな告白したの生まれて初めてだな…。
颯真は照れている俺を見ながら固まっている。
「颯真?」
「…今この時が夢じゃないかと疑ってしまった。…夢じゃ、ないんだよな?」
ウンウン頷く俺を颯真はぎゅっと抱きしめた。
「律!…ありがとう。大事にする。
…愛してる」
「うん、俺も…愛、してる…」
お互い抱き合っていると、
「河合さん?起きてますかー?」
と恐らく看護師さんと思われる声がしドアがガラッと開く。
その瞬間にパッと俺達は離れた。
瞬間に、
「…恋人えっち、早くしたい…」
と耳元で囁くと、
「律…」
と真っ赤な顔で颯真は絶句するのだった。
0
あなたにおすすめの小説
守り守られ
ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師
患者 瀬咲朔
腸疾患・排泄障害・下肢不自由
看護師
ベテラン山添さん
準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん
木島 尚久 真幌の恋人同棲中
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる