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the other side 2
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そして体調を崩して会社を早退した俺に、秘書の優希が付き添ってくれた。
優希は大学の後輩で、何故だか俺を慕ってテニスサークルでもずっと俺にくっついていた。
彼女もいると言ってたのでゲイではないと思ってたが、その日に告白され、ふらついた時にそっとキスされた。
優希は色白のさらさら黒髪で、眼鏡をとればなかなかの美形なのだ。
顔を赤くしながら
「先輩…、ずっと好きでした。
…恋人になれなくてもいいんです。
…思い出だけ…」
なんて潤んだ目で言われると俺もくらっとしてしまう。
優希を抱きしめた手で、尻をぐっと掴むと優希が
「あっ…」と声を上げる。
俺はそこではっとした。
律の声じゃない、律の、律の声が聞きたい。俺はちゃんと謝っていない…。
ぱっと離れて
「すまない…」
と謝ると、優希は俯きながら涙声で、
「…いえ、僕こそ、すみませんでした。
…何か、飲み物を持ってきます」
とキッチンへパタパタと去っていく。
…申し訳ないことをした。
気を、もたせるようなことをしてしまって。
落ち着いたらもっとちゃんと謝らねば、…とりあえず、仕事に戻ろう。
その方が気が紛れる…。
俺はその日は仕事に復帰して、次の日に律の行方を探した。
とりあえずshockへ、律が来たら連絡が欲しいとお願いする。
オーナーは痴話喧嘩と思ったのか。笑って了承してくれた。
後は興信所にも依頼した。
時間はかかるが仕方ない。
スマホも返却されたしマンションにも行っていないようだし、八方塞がりだ。
そう思っていたら数日後にオーナーから連絡が入った。
今、律が来たとのことで大急ぎで駆けつける。会議中でなくて良かった。
何とか話を繋いでて欲しいと伝えたがどうだろうか…。
shockのビルに到着すると、階段の方で揉み合うような音が聞こえて、俺は嫌な予感を抱きながら急いで駆け上る。
中年の男が律を押さえつけていた。
デジャブのような光景に頭に血が上り、そいつを引き離し殴りつけるとすぐ昏倒する。
弱いな。
律は意識が朦朧としていて、俺は慌てて救急車を呼ぶ。
まさかまたここで律が倒れるとは…、駆けつけた救急隊員から、麻酔薬を嗅がされているようだが呼吸はしっかりしていると聞き、ひとまず安心して、律のことは申し訳ないが優希に頼み、俺は怪しい男を警察に突き出したのだった。
その後、律からの告白を受けて俺は天にも昇る嬉しさだった。両思いだったなんて。
律と本当の恋人同士になってからのセックスは格別だった。一生大事にしたいと思う。
そして現在、あれから5ヶ月ほどして今は10月、律とはそのまま一緒に同棲している。
律は「別々に暮らして普通の待ち合わせデートとかしてみたいなぁ」なんて可愛いことを言ったが、俺はもう離すつもりはない。
毎日律の顔を見て一緒にご飯を食べてセックスして一緒に寝る。
これが俺の活力の源だ。
後は俺の生きがいは律の健康管理。
仕事が二の次になってるけど律がいれば仕事も捗る。
元々料理は好きだが、律に美味しく食べてより健康になって欲しいから、朝食も夕食も律好みでかつヘルシーを心がけて作っている。
律は以前より顔色もよく少し肉もついて、ますます艶っぽくなった。
こんな色気では男も女も寄ってきてしまう…。
現に秘書の八乙女が、前まで俺をずっと好きだったと言っていたのに、最近では律が彼をからかったりすると真っ赤になって恥じらう。まるで恋する乙女じゃないか。
あれは絶対律に惹かれている。
注意しなくては。
他にも、律は友人と言っているが元カレの暖とかいう奴も気になる。
メールをやり取りしているのが気になって一度会わせろと言ったら家に連れてきた。
…アイドルみたいなイケメンじゃないか、ムカつくな。
律は「俺は颯真だけだから…、暖くんは友達。
お互いそう思ってるけど、颯真が嫌ならもう会わないよ」なんて顔を赤くしながら言われると、もう抱きしめたくてしょうがない。
俺も心が狭いとは思われたくないから、会うのをちゃんと言ってくれればOKとした。
…だけど、律は友達と思っててもあいつは違うだろうな。目が違う。
時折愛しく見ているのが分かるし、俺への挑戦的な眼差しも感じた。
…あいつのところに行った時、セックスしたんだろうな。
最初に思いが通じ合って律と愛し合った時、律をうつ伏せにしたら大きくキスマークが残ってた。わざと見せつけるようにな。
俺も負けじといろいろなところに跡をつけて、律が次の日怒ってたけど。
あいつはしっかりマークしとかないと。
あとあの医者のおやじ。
ストーカー規制法もあるから、律には近寄れないけど、初犯だから罰金刑ですぐ野放しになってるからな。あいつも危ない…。
気をつけないと…。
などと考えていたらもう出勤時間だ。
「いってらっしゃい」
と玄関まで見送りキスをする律…軽いキスのつもりが、つい舌を絡ませ濃厚なものになる。
喉奥まで舌を入れようとしたらバンバンと肩を叩かれ、しょうがなく引き下がった。
真っ赤になった律が
「もう、朝から盛って…!」と照れている。
可愛い…。
「ねぇ、週末、物件の件よろしくね」
「ああ、もちろん。
ちゃんと現地確認するよ。
帰りは美味いもんでも食べ行こう」
「うん」
律は、自分で貯めた金でハーブティーの店を出す予定で、今は場所を吟味しているところだ。
計画してる律は、ほんとにイキイキしていて可愛くて、こっちも嬉しくなる。
俺の知識も活かしながら、いい店舗を探してやりたい。
でも、変な虫がますます集まりそうで心配だ…。
俺は早く両親にも紹介して、律とパートナシップ登録か、養子縁組を済ませて家族になりたい。
律はまだ早いと固辞しているけど、早く法的にも律を守れるようになりたい。
早く囲い込まないと不安だしなあ…どう言いくるめるか…、と、会社へ向かいながら俺は頭を悩ませるのだった。
優希は大学の後輩で、何故だか俺を慕ってテニスサークルでもずっと俺にくっついていた。
彼女もいると言ってたのでゲイではないと思ってたが、その日に告白され、ふらついた時にそっとキスされた。
優希は色白のさらさら黒髪で、眼鏡をとればなかなかの美形なのだ。
顔を赤くしながら
「先輩…、ずっと好きでした。
…恋人になれなくてもいいんです。
…思い出だけ…」
なんて潤んだ目で言われると俺もくらっとしてしまう。
優希を抱きしめた手で、尻をぐっと掴むと優希が
「あっ…」と声を上げる。
俺はそこではっとした。
律の声じゃない、律の、律の声が聞きたい。俺はちゃんと謝っていない…。
ぱっと離れて
「すまない…」
と謝ると、優希は俯きながら涙声で、
「…いえ、僕こそ、すみませんでした。
…何か、飲み物を持ってきます」
とキッチンへパタパタと去っていく。
…申し訳ないことをした。
気を、もたせるようなことをしてしまって。
落ち着いたらもっとちゃんと謝らねば、…とりあえず、仕事に戻ろう。
その方が気が紛れる…。
俺はその日は仕事に復帰して、次の日に律の行方を探した。
とりあえずshockへ、律が来たら連絡が欲しいとお願いする。
オーナーは痴話喧嘩と思ったのか。笑って了承してくれた。
後は興信所にも依頼した。
時間はかかるが仕方ない。
スマホも返却されたしマンションにも行っていないようだし、八方塞がりだ。
そう思っていたら数日後にオーナーから連絡が入った。
今、律が来たとのことで大急ぎで駆けつける。会議中でなくて良かった。
何とか話を繋いでて欲しいと伝えたがどうだろうか…。
shockのビルに到着すると、階段の方で揉み合うような音が聞こえて、俺は嫌な予感を抱きながら急いで駆け上る。
中年の男が律を押さえつけていた。
デジャブのような光景に頭に血が上り、そいつを引き離し殴りつけるとすぐ昏倒する。
弱いな。
律は意識が朦朧としていて、俺は慌てて救急車を呼ぶ。
まさかまたここで律が倒れるとは…、駆けつけた救急隊員から、麻酔薬を嗅がされているようだが呼吸はしっかりしていると聞き、ひとまず安心して、律のことは申し訳ないが優希に頼み、俺は怪しい男を警察に突き出したのだった。
その後、律からの告白を受けて俺は天にも昇る嬉しさだった。両思いだったなんて。
律と本当の恋人同士になってからのセックスは格別だった。一生大事にしたいと思う。
そして現在、あれから5ヶ月ほどして今は10月、律とはそのまま一緒に同棲している。
律は「別々に暮らして普通の待ち合わせデートとかしてみたいなぁ」なんて可愛いことを言ったが、俺はもう離すつもりはない。
毎日律の顔を見て一緒にご飯を食べてセックスして一緒に寝る。
これが俺の活力の源だ。
後は俺の生きがいは律の健康管理。
仕事が二の次になってるけど律がいれば仕事も捗る。
元々料理は好きだが、律に美味しく食べてより健康になって欲しいから、朝食も夕食も律好みでかつヘルシーを心がけて作っている。
律は以前より顔色もよく少し肉もついて、ますます艶っぽくなった。
こんな色気では男も女も寄ってきてしまう…。
現に秘書の八乙女が、前まで俺をずっと好きだったと言っていたのに、最近では律が彼をからかったりすると真っ赤になって恥じらう。まるで恋する乙女じゃないか。
あれは絶対律に惹かれている。
注意しなくては。
他にも、律は友人と言っているが元カレの暖とかいう奴も気になる。
メールをやり取りしているのが気になって一度会わせろと言ったら家に連れてきた。
…アイドルみたいなイケメンじゃないか、ムカつくな。
律は「俺は颯真だけだから…、暖くんは友達。
お互いそう思ってるけど、颯真が嫌ならもう会わないよ」なんて顔を赤くしながら言われると、もう抱きしめたくてしょうがない。
俺も心が狭いとは思われたくないから、会うのをちゃんと言ってくれればOKとした。
…だけど、律は友達と思っててもあいつは違うだろうな。目が違う。
時折愛しく見ているのが分かるし、俺への挑戦的な眼差しも感じた。
…あいつのところに行った時、セックスしたんだろうな。
最初に思いが通じ合って律と愛し合った時、律をうつ伏せにしたら大きくキスマークが残ってた。わざと見せつけるようにな。
俺も負けじといろいろなところに跡をつけて、律が次の日怒ってたけど。
あいつはしっかりマークしとかないと。
あとあの医者のおやじ。
ストーカー規制法もあるから、律には近寄れないけど、初犯だから罰金刑ですぐ野放しになってるからな。あいつも危ない…。
気をつけないと…。
などと考えていたらもう出勤時間だ。
「いってらっしゃい」
と玄関まで見送りキスをする律…軽いキスのつもりが、つい舌を絡ませ濃厚なものになる。
喉奥まで舌を入れようとしたらバンバンと肩を叩かれ、しょうがなく引き下がった。
真っ赤になった律が
「もう、朝から盛って…!」と照れている。
可愛い…。
「ねぇ、週末、物件の件よろしくね」
「ああ、もちろん。
ちゃんと現地確認するよ。
帰りは美味いもんでも食べ行こう」
「うん」
律は、自分で貯めた金でハーブティーの店を出す予定で、今は場所を吟味しているところだ。
計画してる律は、ほんとにイキイキしていて可愛くて、こっちも嬉しくなる。
俺の知識も活かしながら、いい店舗を探してやりたい。
でも、変な虫がますます集まりそうで心配だ…。
俺は早く両親にも紹介して、律とパートナシップ登録か、養子縁組を済ませて家族になりたい。
律はまだ早いと固辞しているけど、早く法的にも律を守れるようになりたい。
早く囲い込まないと不安だしなあ…どう言いくるめるか…、と、会社へ向かいながら俺は頭を悩ませるのだった。
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