前世を思い出した侯爵令嬢ののんびり生活

ツナコ

文字の大きさ
16 / 49
第1部

6

しおりを挟む
 そして舞踏会当日、私は今回はブラックとネイビーの二色使いの、白のバラの飾りのついたワンショルダーのドレスにした。

 赤い髪も紺の髪飾りでスッキリとまとめ、おでこも出してみた。

 ちょっと大人っぽい感じ。

 キースは今日は黒の、刺繍の入ったテイルコートに黒のパンツ、蜂蜜色の髪が目立って素敵ね。

 2人ともなんだか大人な雰囲気に照れつつ入場する。

 今日は魔鉱石職人の方々が招待され、魔鉱石の機器などについての最新の情報を知る事ができる。

 わがマルテッロ家は魔鉱石の開発が主な事業なので、今日は両親はもちろんお兄様も参加し、既にそういった職人の方とシャンパン片手に話し込んでいた。

 ケイトはデートのためいない。

 最後は王族の入場だけど今日はスコット王太子だけでエリアスは欠席のようだ。

 舞踏会はほぼ毎日開催されているので、多分王族ともなると舞踏会にはそれこそ頻繁に参加しているのだろうしそれは疲れるだろうな。

 イーサン様もきている。

 赤のテールコートに黒いパンツが凛々しく決まっている。

 私はキースと共に早速魔鉱石職人の方達へと挨拶をした。

 結構お若い方もいるのね、燕尾服をきた職人さんは顔を真っ赤にしながら答えてくれた。

 ふふ、緊張してるのかしら。

 私が気になっているのは、恥ずかしいけどトイレの機器。

 前世の舞の世界にあったウォシュレット、あれが欲しいけどなかなか思うようなものが見つからない。

 この世界のトイレも腰掛ける、いわゆる洋式で、水洗設備もきちんとしているけどウォシュレットはないのだ。

 そこで水の魔鉱石と風の魔鉱石を用いた除菌洗浄と、乾燥する機器がないか訪ねてみた。

 職人はトイレの話に最初はますます顔を赤くしていたが、機器の話になると段々と目が輝いてきた。

 「除菌洗浄の機械は生産しているのですが、乾燥は思いつきませんでした。
 できそうなので、帰ったら早速とりかかってみます!」とのこと。

 できたら嬉しい!
 
「試作品ができたら、是非父へ見せてください。
 私からも父に話しておきます。
 楽しみにしてますわ」

 最新機器についていろいろ聞いていると、音楽が始まった。

 1曲目はやはりキースと。

 楽しくダンスが終了すると、イーサン様がゆっくりと近づいてきた。
 
 キースが
 「イーサン様と仲良くなったの?」
 と聞いてくる。

 「ええ、お兄様とイーサン様の狩猟を見てきたの。
 凄く迫力で面白かったわ」

 「…‥そう」

 イーサン様は
 「キース殿、アイシャ殿をダンスに誘っても良いだろうか」

 「…‥もちろんです。どうぞ」

 「アイシャ殿、良いか?」

 「はい、もちろん」

 イーサン様の手をとってフロアに進む。

 イーサン様のリードは包み込むようでとても上手。

 私は踊りながら、
 「イーサン様、せっかく通信機は繋がったのにご連絡してませんでしたね」

 狩猟の時、お兄様がイーサン様と遠乗りでも2人で行ってこい、通信機を繋げと言われてイーサン様と無理やり通信機を繋いだ。

 お互いの通信機をつけると、相手の波長と繋がり連絡ができるようになるのだ。

 風の魔鉱石でこれを発明したのは本当に凄い。

 イーサン様は
 「…‥連絡をしなくてすまなかった。
 その…緊張してしまいなかなか通信機に触れずに…‥」

 「まあ、ふふ、初めての相手と通信するのはちょっと緊張しますよね。
 今度私から通信してみますね」 

 「いや、私からかける」
 なぜかイーサン様から繋ぐと強めに言われ、私はお待ちしていますと返した。

 その後はウォシュレット機器の職人にダンスを誘われ、お受けしたら感極まったようにいい土産話ができたと涙ぐむ。

 えっ!大げさねえ。。

 それから俺も俺もと職人さんが押し寄せて、キースが盾となってくれたもののダンスに明け暮れた舞踏会となってしまったのだった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

目の前で始まった断罪イベントが理不尽すぎたので口出ししたら巻き込まれた結果、何故か王子から求婚されました

歌龍吟伶
恋愛
私、ティーリャ。王都学校の二年生。 卒業生を送る会が終わった瞬間に先輩が婚約破棄の断罪イベントを始めた。 理不尽すぎてイライラしたから口を挟んだら、お前も同罪だ!って謎のトバッチリ…マジないわー。 …と思ったら何故か王子様に気に入られちゃってプロポーズされたお話。 全二話で完結します、予約投稿済み

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

処理中です...