前世を思い出した侯爵令嬢ののんびり生活

ツナコ

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第1部

11

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 今日の舞踏会は前にケイトと約束した、クリスタルのネックレスをつけてきた。ケイトもお揃い。

 ケイトはウィリアム様と何曲もダンスを踊って本当に楽しそう。

 私はパートナーのキース、次にイーサン様、そして今回はエリアスも来ていて3度目のダンスはエリアスと踊った。

 エリアスから、イーサン様と仲が良いのか聞かれて、先日2人で花畑に行った話をすると、とても不思議な顔でキースはいいのか、と言われた。

 何故そこでキースが出てくるのか分からないので、私は曖昧な笑顔で返しておいた。





 4月に入り、吹奏楽クラブでのサックスも大分吹き慣れてきた。

 といっても緩やかな活動なので、私も吹くための腹式呼吸がやっときちんとできてきたかな、程度だ。

 週末はキースに誘われて大滝を見にハイキングに行ったり、モナハンとオリバー兄様と牧場へ行き、うちの商会が作った水の魔鉱石を使ったソフトクリーム製造機の新型を見に行った。

 ミルクが濃厚でとても美味しかったわ!

 イーサン様とも毎週連絡をしていて、イーサン様から釣ったお魚を捌く話を聞いたら見てみたくなって、その週末に釣りに連れて行ってもらい、魚の捌き方を教えてもらった。

 魚はヌルヌルで最初は気持ち悪かったけどだんだん慣れてきて、焼いたお魚はとても美味しかった。

 イーサン様はお兄様とキャンプによく行っているらしくお料理が手慣れていて、尊敬してしまった。

 そして4月の舞踏会もキースのエスコートで出席。

 今回はお兄様とアグネス様、そしてイーサン様も来ていて皆でお兄様とのキャンプ話を聞いていた。

 野宿は楽しそうだけど、虫は嫌だわ、と言うとアグネス様も私も、と真顔で答える。

 お兄様はアグネス様を連れていきたいみたいだけど、無理そうね。

 こんな真顔なアグネス様は初めてみたので私は笑ってしまった。




 5月のバカンスとなり、マルテッロ家は今回は国内の温泉地にある別荘へ滞在することになった。

 今、別荘には祖父母が暮らしている。

 また、近くのもう1つの別荘には曹祖父母が住んでいて、皆私達の来訪を楽しみにしてくれている。
 
 お兄様は、アグネス様は家族と出かけるので、イーサン様と久々に2人で夏の国、カミネッツへ行くらしい。
 
 宿もとるが野宿もする予定とのことで、楽しそうでちょっと羨ましい。

 でも、1年ぶりの別荘への訪問を私は楽しみにしていた。

 お祖父様達にも早く会いたい。

 別荘へは馬車で6時間ほどかかる。

 温泉地で他にも王宮の別荘も近くにあるし、いろいろなホテルも建っていて一大リゾートエリアだ。

 お祖父様達、ひいお祖父様達もとても元気だ。

 曽祖父は現在95歳、白髪混じりのブロンドヘアにいつもベレー帽を被り、読書が大好きでお気に入りのチェアに今日も本を読みながら腰掛けていた。

 「アイシャ、大きくなったな。」

 「ひいおじいさま、お久しぶり!また読書していたのね」

 「うん。私も残すところあと5年の人生だ。
 まだまだ読んでいない本がたくさんあるからね」

 そうね、この世界では人は100歳の誕生日に今生に別れを告げる。

 ひいおじいさまは部屋にたくさん本を積んでいた。

 私はその頃、何をしているのかな、考えてみたけど、全く想像できなかった。

 別荘で過ごしている間にもイーサン様から通信がきた。

 夏の国からなので少し声は遠いが、今はお兄様と海辺にいるらしく、波の音も聞こえる。

 夏の国で食べたバナナとヨーグルトのシャーベットがとても美味しい、と言っていたので、今度メリーにシャーベットの作り方を聞いてみようかしら。

 でもお渡しするタイミングが難しいわね……とイーサン様とお話しながら持ち運び方法について考えていた。



 


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