前世を思い出した侯爵令嬢ののんびり生活

ツナコ

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第1部

31 ⭐︎

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 いよいよ1週間後から世の中はバカンスに入り、学校やリゾート地以外の商店なども休みに入る。

 我が家は今回はオリバー兄様も一緒に、別荘でのんびり過ごすことにしたので嬉しいわ、久しぶりね。

 使用人達が準備に忙しくしている。

 私はバカンス前最後のデートで、イーサンとショッピングに出かけていた。

 彼のタウンハウスに置いておくものが欲しくて、雑貨屋でペアのコーヒーカップとソーサーを買った。

 シルバーのカップホルダーが繊細で可愛くて、イーサンと色違いの青と赤のものにした。

 あとは…本や雑誌も欲しいわね。イーサンの家には馬の解説本や小説も時代物の渋いものばかり。

 私好みの本も欲しいわ。

 その前にいったんカフェでランチをとることにした。

 メニューを2人で見ながら、私は魚介のラビオリ、イーサンはイカ墨のタリオリーニに決めて、ウエイターを呼ぶ。
 
 茶色の髪の若いウエイターがやってきたのでイーサンが注文しようとすると、ウエイターが私をじっとみて「…とても綺麗な瞳ですね、お嬢様」と呟いた。

 どうしたのかしら。
 
「あら、ありがとう。オーダーをよろしいかしら?私はこれ…」と注文を進める。

 ウエイターが行くと、イーサンはなんだか渋い顔をしていたが、私が次にどの店に行くか訊ねると、気を取り直して本屋はもちろん馬具店に行きたいと言うので、馬具店のあと本屋に行くことにした。

 もろもろの買い物を終えて、少し疲れたので私達は屋台でフルーツジュースを買い、広場のベンチで休んでからタウンハウスへ行くことにした。

 街ゆく人を眺めながらイーサンと語らっていると、通り過ぎるなかで1人の足がとまった。
 
 目線を上に向けると、男性が「先ほどのお客様ですね!また、お店に来て下さいね!」とニコニコと私を見ている。

 誰だっけ?

 お店…、ああ、さっきのカフェのウエイターか。

 「ありがとう、さっきのラビオリ、美味しかったわ、また行きます」
 と微笑むと、青年は頬を染めて立ち去っていった。

 「…よく通りすがりで気づいたわね、イーサ…」
 と彼を見るとイーサンがすっくと立って

 「行こう」
 と荷物を持ってスタスタとタウンハウスへ向かっていく。

 え?急に?

 「待って」と声をかけるが止まらない。

 辻馬車の中も無言で話しかけても「ああ」「そうか」ばかり。

 どうしたのかしら。

 馬車を降りタウンハウスの前でドアを開けようとするイーサンに私はついに、

 「ねぇ!なに?どうしたの?」
 と問いただした。

 イーサンはこちらを見ずに
 「…なんなんだ、さっきの店員は。
 俺もいるのに気にもせずアイシャばかり見て」
 …?あ、これは…嫉妬、かしら。

 「私、もう顔も覚えてないわ」

 「アイシャは美しいから、ああいう輩は多いのは分かってる。
 でも、貴女の態度も問題だ。
 誰にでも笑顔を振りまかないで欲しい。
 気があると思われる」

 え?

 「そんなつもり、全くないわ」

 「誰にでもニコニコしないでくれ」

 「誰にでも…って…」

 そんな、気のあるそぶりなんてした覚えはないし社交辞令だと思う。

 そんな言い方、ひどい。

 私はこのまま彼のタウンハウスにいっても楽しむことはできないと思い、ため息をついて、

 「…私、今日はもう帰るわ。
 また、連絡するわ」
 と踵を返した。

 イーサンは、ハッとこちらを見て私の腕をとる。

 力が強くてちょっと痛い。

 「アイシャ、待ってくれ、俺は…」

 「今日は楽しく過ごせないと思うわ。
 また、連絡するから」

 このままバカンスに入り少し逢えない期間に、お互い頭を冷やそうと思ったのだ。

 「待って…!」

 イーサンは私をグイグイとひっぱり。タウンハウスの中に入ろうとする。

 「嫌よ、イーサン」

 「……」

 イーサンは抗う私を抱き込んで、2階へと駆け上がっていき、ベッドの上にぽすんと私を落とした。

 「イーサン!乱暴だわ、今日は帰るわ」

 立ちあがろうとすると押さえつけられベッドへ押し倒される。

 「アイシャ…待ってくれ…すまない…」

 押さえつけられた手首が痛い。

 「イーサン!痛い…、離して…」
  
 「アイシャ…!」

 イーサンは私の両手首を片手で押さえながら、私のワンピースをめくり太腿をなでる。 

 イーサン、何を…?

 「いやっ…!」  

 「アイシャ…アイシャ…」

 彼の手がショーツをさぐり、剥ぎ取ろうとするのを私は足をバタバタさせて防ぐ。

 こんな風にするのは嫌よ! 

 するとイーサンの手はショーツの中に無理矢理入り、割れ目をこじあける。

 「イーサン、いやぁ!」

 「アイシャ…すまない…」

 イーサンの指は私の膣口に無理矢理捩じ込まれ、私はひきつれた痛みに泣きそうになる。

 「い、いたっ…」

 イーサンは息を荒くしながら、私の中の一点を探しながら抜き差しを繰り返す。

 痛い!

 こんな強姦みたいな扱いに涙が出てきた。  

 だけど、イーサンの指がそこに当たると

 「あっ」私の体がぴくんと跳ねた。

 すると彼は執拗にそこを攻め始める。

 「いや…いや…」

 私の秘部が湿り気をおび、強張っていた体から少しずつ力が抜けていく。

 水音がし始めると私は快感に抗いながら  

 「も…もうやめて…」
 とイーサンに懇願する。

 琥珀色の彼の目は欲情と悲しみに満ちていた。

 そのまま自分の下着を下ろし、硬く張り詰めた陰茎を何回か扱いたあと、私の膣口にあてた。

 「アイシャ…本当にすまない」

 そう言いながらぐっと一気に貫いた。

 「ああっ!」

 私を押さえつけながら腰をグラインドさせていく。

 「あっ…ああっ…」

 嫌なのに私は押し寄せてくる強い快楽に思わず声が洩れてしまう。

 絶頂が近いと分かったのかイーサンが私の感じる箇所を容赦なく攻めていく。

 「あああ…いやぁっ…!」

 私は目の前に閃光が走り頭が真っ白になった。

 私が達したのを見てとるとイーサンは動きをゆっくりとし、

 「アイシャ…愛している。
 俺は、つまらない嫉妬をしてしまって…、アイシャに八つ当たりをしてしまった。
 アイシャは全然悪くない。
 しばらく逢えないのに、こんな気持ちで離れたくなくて、無理矢理…、本当に子供だ、俺は…本当に…ごめん」

 緩慢に動きながらイーサンが私に顔を寄せ頬にキスをする。

 彼の通った鼻筋の汗が一雫私の顔に落ちた。

 私は怒りも超え、なんだか彼が子供のように愛しくて、ちゅっと唇にキスをした。

 「私だって…本当はこのまま帰りたくなかったわ。
 …あなたしか、見てない。
 愛してる、イーサン」
 そう言うと彼はくしゃりと笑い、

 「もう…こんなに好きで…どうしていいか…」

 そしてまた激しく強弱をつけて突き始める。

 「んっ…ああっ…」

 「アイシャっ…」

 私達は激しく舌を絡ませながら、門限ギリギリまで愛を確かめ合ったのだった。
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