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陽春の光明
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春陽麗和の好季節。足取りが軽い。この澄み渡る青空も、明るく咲き誇る桜も僕のことを祝福しているように感じる。僕は春のことがずっと好きだった。春に見る景色はいつも幻想的で現実との区別がつかないほどだ。桜は僕の手を取って僕の知らない風景を常に見せてくれる。美しいピンクが、その周りのものをすべて浄化して春という素晴らしい季節を作り出して、包み込む。気温だけでなく僕を、内側からじんわり温めてくれて、それまでの季節の苦しさを忘れさせてくれる。誇らしく咲くその花は僕の今の気分のように華やかで明るい。春に差す陽は希望の光だと真剣に思う。
弁護士になるという夢のために法系学部のある都内の私立大学に入学した。別に大学の場所などはどうでもよかったが、都会に出てみたかった。クラスの真ん中で「俺はシティボーイになる!」と騒いでいたのが懐かしい。あのときは馬鹿だったなと苦笑するが、受験先を決めてからまだ一年も経っていないことに気づき、驚く。世間的に見たらついさっきまで高校生だったガキかもしれないが、一人で都会に出てきたというだけで人間的に大きく成長した気がする。こっちに出てきて紹介された部屋はどれも高く、希望予算に収めるとしたらオンボロ木造アパートしかなかった。やっとの思いでなんとかアパートと呼べる物件に出会うことができ、即決した。値段は割高になってしまったが、学業に打ち込むことを親に約束し、少し仕送りの値段をあげてもらった。悠々自適な生活の始まりである。
入学式。やはり桜は僕のことを快く迎え入れ、僕は胸を張って大学の敷地に足を踏み入れる。第一志望に受かることができたという自信が春風とともに僕の背中を押し、麗らかな陽に向かって足を運ぶ。サークルの勧誘というものを受け、少々たじろぐ。こんなにも熱量があるのか。心の底が熱くなって来た。これからの生活が楽しみすぎて堪らない。
「そこのイケメンボーイ!!一緒にサッカーやろうぜ!」
と、ガタイの良いお兄さんに勧誘されたもんだから、流れでOKを出してしまった。サッカ体育以外で経験がないため少し不安になったが、サッカー部の友達に、お前地味に上手い。と言われたことを思い出し、行ける気がしてきた。
男の「ノリ」というものが楽しくてしょうがない。ノリで馬鹿やっているときが最高に楽しい。騒いで、大声で下ネタを言って、スポーツやって、溜まってゲームをする。そういう時間が楽しかった。高校に戻りたいとまでは思わないが、時々懐かしく思う。まだ卒業して2ヶ月も経っていないのに懐かしむなんて生意気だなと自分でも思うが、なんか、とても大人になったように感じる。あのバカ仲間たちに会いたいと思ってくる。それが青春というやつかもしれない。青春は失ってから気付く、と何処かで聞いたことがある。違う。僕の青春はこれからも続くだろう。これからも僕の人生が明るく楽しそうな顔をして僕の手をぐんぐんと引いていく。
トンネルの先ではきっと望んだ景色、匂いが待ってる。
弁護士になるという夢のために法系学部のある都内の私立大学に入学した。別に大学の場所などはどうでもよかったが、都会に出てみたかった。クラスの真ん中で「俺はシティボーイになる!」と騒いでいたのが懐かしい。あのときは馬鹿だったなと苦笑するが、受験先を決めてからまだ一年も経っていないことに気づき、驚く。世間的に見たらついさっきまで高校生だったガキかもしれないが、一人で都会に出てきたというだけで人間的に大きく成長した気がする。こっちに出てきて紹介された部屋はどれも高く、希望予算に収めるとしたらオンボロ木造アパートしかなかった。やっとの思いでなんとかアパートと呼べる物件に出会うことができ、即決した。値段は割高になってしまったが、学業に打ち込むことを親に約束し、少し仕送りの値段をあげてもらった。悠々自適な生活の始まりである。
入学式。やはり桜は僕のことを快く迎え入れ、僕は胸を張って大学の敷地に足を踏み入れる。第一志望に受かることができたという自信が春風とともに僕の背中を押し、麗らかな陽に向かって足を運ぶ。サークルの勧誘というものを受け、少々たじろぐ。こんなにも熱量があるのか。心の底が熱くなって来た。これからの生活が楽しみすぎて堪らない。
「そこのイケメンボーイ!!一緒にサッカーやろうぜ!」
と、ガタイの良いお兄さんに勧誘されたもんだから、流れでOKを出してしまった。サッカ体育以外で経験がないため少し不安になったが、サッカー部の友達に、お前地味に上手い。と言われたことを思い出し、行ける気がしてきた。
男の「ノリ」というものが楽しくてしょうがない。ノリで馬鹿やっているときが最高に楽しい。騒いで、大声で下ネタを言って、スポーツやって、溜まってゲームをする。そういう時間が楽しかった。高校に戻りたいとまでは思わないが、時々懐かしく思う。まだ卒業して2ヶ月も経っていないのに懐かしむなんて生意気だなと自分でも思うが、なんか、とても大人になったように感じる。あのバカ仲間たちに会いたいと思ってくる。それが青春というやつかもしれない。青春は失ってから気付く、と何処かで聞いたことがある。違う。僕の青春はこれからも続くだろう。これからも僕の人生が明るく楽しそうな顔をして僕の手をぐんぐんと引いていく。
トンネルの先ではきっと望んだ景色、匂いが待ってる。
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