僕のお母さんは△▽女優

kyonkyon

文字の大きさ
231 / 369
遥香と秘境の吊り橋物語

6話

しおりを挟む
「……予定より、早く着いちゃった。」

ここは、千頭駅を北上した道である。
道は二手に分かれており、あと30分程度したら寸又峡に着くのだけど、まだ13時頃なのでチェックインにはまだまだ早かった。

「ねえ、彩奈ちゃん……聖地でもなんでもいいんだけど、なんかいい所ないかしら?」

ここは彩奈ちゃんに聞いてみよう。
想像以上にここ詳しいし、旅先でアニメのキャラが書いたるるぶを見ては「あー、ここもまわりたいわね!」なんて言ってたし。

彩奈ちゃんをバックミラー越しでみると、彼女はチークを直してたりしていた。

「ああ、お取り込み中だったかしら?」
「いえ!大丈夫ですよ……!うーむ、結局ここに戻ってくるし……あ!さっきのダムカレーのゆで卵の部分見ていきませんか?」
「ゆで卵?」
「そう!奥大井湖上駅って言うらしくてですね!湖の上に島があってそこに駅があるんですよ!」

確かにそれは見る価値がありそうである。

「じゃあ、そこに行ってみるわね!」
「はい!」

私は車を再度走らせて木のトンネルをくぐり抜け曲がりくねった道の川沿いを走っていく。

意外と山並みの景色は綺麗なのに運転の道がハードなのでじっくり見ることが出来ない。
さーて、このトンネルをぬけたら奥大井湖上駅なんだけど……駐車場はどこだろうか?

「あ、母ちゃん!駅の入口抜けちゃった!」
「え……。」

ふと減速して後ろを見ると、アルファベットのYのような道になっていて、急な下り坂のが細く伸びていた。

困ったな……、そもそも道がそんなに広くないから戻るの難しいかも。
安全面を配慮して、途中で戻れないか当たりを探すも……数百メートル道は細いままでしばらく戻るの難しかった。

「あー、ごめん……全然気が付かなくて。」
「いや、俺も言うの遅かったよ。」

またトンネルを抜けて行くと、やって広い道に到着する。
どこまでも続く芝生が生えており、広大な駐車場がそこにはあった。
しめた!ここなら戻れるぞ。
そう思ったのだが、突然彩奈ちゃんがこれを見てテンション上がっていた。

「あー!ここ、ラブロマンスロードじゃないの!」
「「ラブロマンス?」」

急なカタカナに私たち親子は目をぱちくりとしてしまった。
ひとまず駐車場に行って、車を停める。
「彩奈ちゃん、ここも行ってみる?」
「いいんですか!?ここすごくいいとこなんですよ!橋が8つもあってちょっとしたハイキングロードになってるんですよね!」
「楽しそうじゃん!直輝も舞衣ちゃんも行ってみない?」

2人も二つ返事で了承をして車を降りてみる。
すると、広大な芝生と綺麗な川が流れていて景色ほほんのりと紅葉がかっていて夏と秋の狭間の絶妙な色合いが私たちの目を癒していた。

最初は巨大な橋を渡る。
南アルプス接岨大吊橋という金属でできた現代にはよくあるタイプの橋である。

「どう?カップルさん!ラブロマンスかんじる?」

彩奈ちゃんがちょっとイタズラに直輝と舞衣ちゃんのカップルに聞いてみる。
最近の子達は結構ストレートというかドライなのね。

「んー、普通だな。」
「何言ってんのよ彩奈!私と直輝くんはいつも吊り橋の上のようにラブロマンスだもん!」
「あー、うん……確かにスリルはあるかも。」

ちょっと直輝は遠い目をする。
このふたり仲はいいけどたまに直輝にGPSとか付いてたり、ことある事にアイアンクローの制裁をかけられてるからある意味吊り橋効果のような恐怖感が恋愛感情にすり変わってるのかもしれない。

「彩奈ちゃんは彼氏とか作らないの?オシャレだし可愛いじゃない!」
「あー、私は…………すっぴん受けいれてくれる人が居ないので暫くはパスですね。」

すっぴん?私には少し理解が及ばなかった。

「あの遥香さん……私すっぴん凄いですよ。」
「あ、確かに彩奈のすっぴん見た事ないかも。」

親友の舞衣ちゃんでさえ、彼女のすっぴんを見たことがなかった。

「い……いやいや、若いし可愛いし……。」
「遥香さんにだけ見せますね……ほら。」

彼女はスマホを差し出すと、そこには彼女と髪色が同じ全くの別人がそこにはいた。

眉毛が無く、目が一重でありまつ毛もほとんど短かくて分からない。
でも、それ以外の目鼻は整っているのでこれはこれで十分に可愛い部類だとは思った。

「え、普通に可愛いじゃない。」
「何言ってるんですか!私……ドラゴンボールのスーパーサイヤ人3みたいだから別れるわって言われたばかりなんですよ!」
「え……そうなの?どれどれ……。」
「ちょ、直輝くんは絶対見ちゃダメ!」

流石に男子には見せられないようだった。
だから、こと細かく化粧を直していたのか。

「直輝くん……浮気は許さないよ。ほかの女のすっぴんに興味持つなんて!」
「ちょ、怖い怖い!それ絶対浮気カウント入らないよね!?」
「直輝くん、ちょっと来なさい……お仕置よ。」
「助けて!母ちゃん!いだだだだだ!」

直輝は然るべき制裁を受けていた。
全く……ドライ故にノンデリケートなとこはたまにキズね。

「じゃあ皆さん……今日は化粧してるんですか?」

彩奈ちゃんが涙目で私たちを見る。
う……、私はすっぴんだし、ことねさんはそもそも美人なのでほぼナチュラル、舞衣ちゃんも若干濃いめではあるけどそれでも整形メイクには至ってなかった。

「え、別に気にならないよ?いつメンの中でもオシャレだし……メイクが上手ってことはそれも彩奈の努力による魅力ってことだし………話してて楽しいし、彩奈は見た目とかそんなものを差っ引いても俺は好きだよ。人としてだけど。」

直輝が舞衣ちゃんにアイアンクローをかけられながらも絶妙なフォローを入れる。
ナイスだ直輝!ノンデリケートって言ってごめん!

彩奈ちゃんは嬉しそうだけど……舞衣ちゃんは少しだけ不満そうな顔をしていた。

「むー、直輝くん!こ・こ・に・も!可愛い子がいるんですけど!」

まあ、目の前で彼氏がほかの女の子の良いところとか褒められてたらそりゃあ嫉妬するか。
でもちゃんと友達にフォロー入れて自分の良さに気づいてもらおうと言う意図を汲み取ったのか、彼女は直輝を許す。

なんだ、ちゃんとこの二人いいコンビじゃない。
パワーバランスはちょっと歪だけどね。

大きな吊り橋を渡り終えると、ラブロマンスロードという看板が見えてくる。
ここから橋を渡る旅が始まるようだった。
林道は人2人しか進めない細い道となっており、少し険しい道が続いている。

私は達は並びながら進む。
少し自信を持った彩奈ちゃんが先導して進んでいって、旅は私たちを少しだけ成長させてくれるようでもあった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...