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遥香と秘境の吊り橋物語
15話
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朝の日差しは少し山道を照り付ける。
秋に差しかかるのに緑が乱反射してまるで木々の草原のようであった。
水の流れる音、鳥の鳴き声などが聞こえてきていかにも渓谷という景色が拡がっていた。
「ふぁ……眠いわね。あれ、直輝くんなんかほっぺ赤くない!?」
「ああ、ちょっとした事故があってね……。」
「ごめん……直輝、私の不可抗力だわ。」
そう、直輝の頬が腫れてるのは私が咄嗟に全裸を見られてビンタしてしまったからである。
ぶっちゃけ直輝は何も悪くない。
私が着替えを忘れて全裸で部屋に突撃したらそんなシチュエーションがないとはいえないからだ。
「私が売店行ってる間にそんな面白いことに……。どう?直輝くん、久々の遥香さんの裸は興奮した?」
そんなところをイタズラの顔で彩奈ちゃんがいじる。
ちょっと!恥ずかしいからやめてよ!息子に全裸の解説って結構罰ゲームじゃない!
そんなある意味ドキドキした私に対して直輝はドライに続けた。
「いや、んなわけないでしょ。彩奈だって親父さんの全裸みたらどう思うよ?」
「……身の毛がよだつわね。」
「まあ、そんなとこだ。」
「直輝!?それはそれで傷つくんだけど!?」
「いや、息子に欲情される方が問題でしょ!」
こうして私たちは朝から賑やかである。
朝7時ちょうどだと言うのに若者はエンジンがかかるのが早い。
「……眠い。」
「ちょっとことねさん!昨日飲みすぎたからですよ。」
「……ごめんなさい。今日は運転は控えて後ろにいますね。」
しばらく林道を進んでいくと、トンネルがある。
照明が比較的新しいものが照りつけていて、オレンジ色の光が綺麗に照らされていた。
そして、トンネルの中を足音と熊よけの鈴が進む度に響いて不気味に鳴らしていた。
やがて、トンネルを抜けさらに進むと下り階段で崖を下るようになっている。
その中を……ゆっくりゆっくりと下る。
「な…中々…下り坂って足に来るわね。」
「……。」
ことねさんは、二日酔いで青白かったがより蒼白になってる気がした。
舞衣ちゃんの次はことねさんがゲロインになるのかしら……。
そんな余計な心配をしていると、ついに夢の吊り橋が目の前に現れた。
「……こ、これはやばいわね。」
橋は数十メートルの長さになっていて、真ん中は日本の金属の板が道になっている。
それを囲むように、細い木材が等間隔で空けられてるのだが、8m下の水面がもろ見えている。
手すりは金属のワイヤーが両手で掴めるだけでその他に支えになるものは無い。
バランスを崩したら今にも落ちそうだった。
「……私戻ろうかしら。」
「ど…どうしようかな。」
私たちアラサー組は恐れおののく。
昔はどうってこと無かったけど、妙にこの高さが本能的にビビってしまう。
「やっばー!した丸見えだねー。」
「ねえ、直輝くん?吊り橋効果のせいかドキドキするわ。直輝くん今抱きしめてもいい?」
「やめて!マジでここでふざけたら一溜りもないから!」
そんな私たちをさておき直輝達は夢の吊り橋を既に進んでいた。
思ったより楽観的な感じなのでそこまで怖くは無いのかもしれない。
意を決して私たちも進む。
下を見ると確かに…怖い。
だけど、それ以上に景色の絶景さに私は絶句してしまった。
エメラルドグリーンの水面が朝日と共に水面がキラキラと光っている。
ここはいくつもの川の合流なのと谷の断崖絶壁が非日常をこれでもかと表現していて、まるで本当に夢の中にいるような感覚があった。
朝日がほんのりと暖かく、心地よい。
さらに進んでいくと、真ん中ではみんなが集まっていた。
「遥香さん、写真撮りましょ!」
「ええー!ちょっと、落とすわよ。」
「大丈夫です!こんなこともあろうかと落とし防止のストラップつけてきましたから。行きますよー!」
彩奈ちゃんがパシャリとシャッター音を鳴らす。
遠近法でなんとか全員見れるように工夫をしてなんとか全員カメラに移すことが出来た。
そして、なんとか足を震わせながら進みきった。
………しかしそんな安堵もつかの間、私たちの目の前にはひたすら登りの崖がそびえ立っていた。
確かに私たちはひたすら下った。
下ったぶんは登らなきゃ元に戻れない。
「はぁ、やばいわ!朝からしんどい!」
「……二日酔いで頭が…おえ。」
「ちょっとことねさん!耐えてね!あと1時間くらい!!」
ことねさんの体力が衰えてるのもあってもはや限界だった。
しかし、しんどいのは私だけではなかった。
「ちょっと…これ、聞いてない。」
「え、漫画でここでなかったっけ?」
「出たけど数コマだけよ!具体的には知らないのよ。」
「直輝くん……もう疲れた、おんぶして。」
「いや、舞衣は余裕でしょ!あとでいくらでもしてあげるからちょっと今は落ち着こう!」
高校生組(舞衣ちゃんは演技)も流石の坂道には悲鳴をあげていた。
しばらくして、夢の吊り橋の展望台に到着をする。
私たちは登りきった時には、くたびれて少し休んでいた。
なによ、吊り橋なんてまるで前座じゃない。
こっちが1番ハードなんだけど!
しかし、登りきった所は絶景な公園があった。
古い列車が展示されていて、そこから見る崖の景色は自然の厳しさと雄大さが混ざった木々と崖が入り交じる大自然が広がっていた。
最後にアクセントに太陽と晴天が私たちを彩っている。
この景色に私たちはしばらく見とれてしまっていた。
「……きれいですね、なんか酔いが覚めたような感じがします。」
「そうね、こんなに素敵な朝……久々かも!」
私は大自然で思いっきり伸びをする。
朝から運動をしたあとの朝日の開放感は、まるで夏休みの朝のラジオ体操を終えた後のような爽やかさと活力に溢れているようだった。
「行きますか、2日目の旅路!」
私たちは展望台を後にして、崖と木々の中に消えていく。
熊よけの鈴がカランカランと子気味よくリズムを刻み、それが少しずつ遠ざかっていた。
夢から覚めて渡る夢の吊り橋は、朝の眠気やだるさは既にどこかへ消え去ってくれるようだった。
さて、次はどんなところが待っているのだろう。
秋に差しかかるのに緑が乱反射してまるで木々の草原のようであった。
水の流れる音、鳥の鳴き声などが聞こえてきていかにも渓谷という景色が拡がっていた。
「ふぁ……眠いわね。あれ、直輝くんなんかほっぺ赤くない!?」
「ああ、ちょっとした事故があってね……。」
「ごめん……直輝、私の不可抗力だわ。」
そう、直輝の頬が腫れてるのは私が咄嗟に全裸を見られてビンタしてしまったからである。
ぶっちゃけ直輝は何も悪くない。
私が着替えを忘れて全裸で部屋に突撃したらそんなシチュエーションがないとはいえないからだ。
「私が売店行ってる間にそんな面白いことに……。どう?直輝くん、久々の遥香さんの裸は興奮した?」
そんなところをイタズラの顔で彩奈ちゃんがいじる。
ちょっと!恥ずかしいからやめてよ!息子に全裸の解説って結構罰ゲームじゃない!
そんなある意味ドキドキした私に対して直輝はドライに続けた。
「いや、んなわけないでしょ。彩奈だって親父さんの全裸みたらどう思うよ?」
「……身の毛がよだつわね。」
「まあ、そんなとこだ。」
「直輝!?それはそれで傷つくんだけど!?」
「いや、息子に欲情される方が問題でしょ!」
こうして私たちは朝から賑やかである。
朝7時ちょうどだと言うのに若者はエンジンがかかるのが早い。
「……眠い。」
「ちょっとことねさん!昨日飲みすぎたからですよ。」
「……ごめんなさい。今日は運転は控えて後ろにいますね。」
しばらく林道を進んでいくと、トンネルがある。
照明が比較的新しいものが照りつけていて、オレンジ色の光が綺麗に照らされていた。
そして、トンネルの中を足音と熊よけの鈴が進む度に響いて不気味に鳴らしていた。
やがて、トンネルを抜けさらに進むと下り階段で崖を下るようになっている。
その中を……ゆっくりゆっくりと下る。
「な…中々…下り坂って足に来るわね。」
「……。」
ことねさんは、二日酔いで青白かったがより蒼白になってる気がした。
舞衣ちゃんの次はことねさんがゲロインになるのかしら……。
そんな余計な心配をしていると、ついに夢の吊り橋が目の前に現れた。
「……こ、これはやばいわね。」
橋は数十メートルの長さになっていて、真ん中は日本の金属の板が道になっている。
それを囲むように、細い木材が等間隔で空けられてるのだが、8m下の水面がもろ見えている。
手すりは金属のワイヤーが両手で掴めるだけでその他に支えになるものは無い。
バランスを崩したら今にも落ちそうだった。
「……私戻ろうかしら。」
「ど…どうしようかな。」
私たちアラサー組は恐れおののく。
昔はどうってこと無かったけど、妙にこの高さが本能的にビビってしまう。
「やっばー!した丸見えだねー。」
「ねえ、直輝くん?吊り橋効果のせいかドキドキするわ。直輝くん今抱きしめてもいい?」
「やめて!マジでここでふざけたら一溜りもないから!」
そんな私たちをさておき直輝達は夢の吊り橋を既に進んでいた。
思ったより楽観的な感じなのでそこまで怖くは無いのかもしれない。
意を決して私たちも進む。
下を見ると確かに…怖い。
だけど、それ以上に景色の絶景さに私は絶句してしまった。
エメラルドグリーンの水面が朝日と共に水面がキラキラと光っている。
ここはいくつもの川の合流なのと谷の断崖絶壁が非日常をこれでもかと表現していて、まるで本当に夢の中にいるような感覚があった。
朝日がほんのりと暖かく、心地よい。
さらに進んでいくと、真ん中ではみんなが集まっていた。
「遥香さん、写真撮りましょ!」
「ええー!ちょっと、落とすわよ。」
「大丈夫です!こんなこともあろうかと落とし防止のストラップつけてきましたから。行きますよー!」
彩奈ちゃんがパシャリとシャッター音を鳴らす。
遠近法でなんとか全員見れるように工夫をしてなんとか全員カメラに移すことが出来た。
そして、なんとか足を震わせながら進みきった。
………しかしそんな安堵もつかの間、私たちの目の前にはひたすら登りの崖がそびえ立っていた。
確かに私たちはひたすら下った。
下ったぶんは登らなきゃ元に戻れない。
「はぁ、やばいわ!朝からしんどい!」
「……二日酔いで頭が…おえ。」
「ちょっとことねさん!耐えてね!あと1時間くらい!!」
ことねさんの体力が衰えてるのもあってもはや限界だった。
しかし、しんどいのは私だけではなかった。
「ちょっと…これ、聞いてない。」
「え、漫画でここでなかったっけ?」
「出たけど数コマだけよ!具体的には知らないのよ。」
「直輝くん……もう疲れた、おんぶして。」
「いや、舞衣は余裕でしょ!あとでいくらでもしてあげるからちょっと今は落ち着こう!」
高校生組(舞衣ちゃんは演技)も流石の坂道には悲鳴をあげていた。
しばらくして、夢の吊り橋の展望台に到着をする。
私たちは登りきった時には、くたびれて少し休んでいた。
なによ、吊り橋なんてまるで前座じゃない。
こっちが1番ハードなんだけど!
しかし、登りきった所は絶景な公園があった。
古い列車が展示されていて、そこから見る崖の景色は自然の厳しさと雄大さが混ざった木々と崖が入り交じる大自然が広がっていた。
最後にアクセントに太陽と晴天が私たちを彩っている。
この景色に私たちはしばらく見とれてしまっていた。
「……きれいですね、なんか酔いが覚めたような感じがします。」
「そうね、こんなに素敵な朝……久々かも!」
私は大自然で思いっきり伸びをする。
朝から運動をしたあとの朝日の開放感は、まるで夏休みの朝のラジオ体操を終えた後のような爽やかさと活力に溢れているようだった。
「行きますか、2日目の旅路!」
私たちは展望台を後にして、崖と木々の中に消えていく。
熊よけの鈴がカランカランと子気味よくリズムを刻み、それが少しずつ遠ざかっていた。
夢から覚めて渡る夢の吊り橋は、朝の眠気やだるさは既にどこかへ消え去ってくれるようだった。
さて、次はどんなところが待っているのだろう。
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